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お盆を故郷で

2011年8月8日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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 夏休みに入り故郷への大移動が始まりました。九州新幹線が全線開業し、例年に比べて多くの人の往来が目立ちます。各地で行われるお盆の行事は夏休みと重なるため、今年は多くの人々が祭りや墓参りする姿が見られるのではと思います。

 先祖や亡くなった人たちが苦しむことなく、成仏してくれるようにと、子孫が、報恩や追善の供養をする期間を「お盆」とよび、鹿児島では8月13日から16日までがほとんどです。特に人が亡くなって49日法要が終わってから最初に迎えるお盆を「初盆」または「新盆」と呼び、家の玄関や、お墓に白一色の提灯を立て、初盆以外のお墓には白と赤の色が入った提灯を立てるなど、特に厚く供養する習慣があります。

お盆期間に入ると
・13日の夕方には迎え火を焚き、先祖の霊を迎える。
・期間中に僧侶を招いたり、お寺に行きお経や飲食の供養をする。
・16日の夕方、送り火を焚き、ご先祖さまに帰ってもらう。

 キュウリとナスビに割り箸を刺して馬と牛に見立てた精霊馬を飾る地域もあります。
お盆は日本では、推古天皇14年(606年)に、はじめてお盆の行事が行われたと伝えられています。お盆の行事は、各地の風習などが加わり、宗派による違いなどによって様々ですが、一般的に先祖の霊が帰ってくるといわれています。

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 長崎では、毎年8月15日に「精霊流し」が行われます。初盆を迎えた故人の家族が、盆提灯や造花などで飾られた精霊船と呼ばれる船に故人の霊を乗せて、流し場と呼ばれる終着点まで運ぶ行事でお盆の行事のひとつです。

 鹿児島では、お盆明の16日に、神社の境内に老若男女が集まって、盆踊りをする光景がかつては多くありました。現在では町内会の祭りとして、公園やまちの広場で開催され、露天が軒を並べにぎやかなイベントに変わりつつあります。地域コミ二ティが薄れつつある中で、祭りのスタイルまでこだわる理由は無いように感じます。お盆の過ごし方も時代と共に変わって来たと感じています。  

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 鹿児島県は、人口一人当たりの生花の消費額が日本一です。お墓にはいつも新鮮な花を飾り先祖を敬い、昔から墓参りの習慣が定着していることが理解できます。

 指宿方面の方は県外の友人が訪ねると、指宿市街の高台にある「小田墓地公園」を案内することがよくあります。そこには整然と並んだ墓地に生花が飾られ、桜の時期は一段と美しい光景が見られます。地域の人が絶えず、新鮮で美しい生花を供えています。
 また、鰻池(うなぎいけ)周辺の集落では、朝、昼、夕方3回墓参りをし、掃除や花瓶の水換えをする習慣が根付いています。
 南薩地域では観光バスの中からお墓が見えると、バスガイドさんは、観光客に墓を大事にしている地域の生活・習慣などを説明してくれます。観光客は感激し、車中からお墓に手を合わせる姿も見られます。

 今日本では人を簡単に殺したり、親子同士の殺人事件が後を絶ちません。コンピューターゲームやテレビなどでバーチャルな世界が子供たちに浸透し、命の尊さが薄れてきているように感じます。

DSC_0345.jpg  お盆に帰省した家族全員が墓の前でしばし手を合わせ、語り合う姿は、厳粛な中にも温かさを感じます。墓石に刻まれた先祖の名前を見ながら、子供たちに自分の命は遠い時代から引き継がれていることの大切さを教えることが、自ら命の尊さを知る機会にもなります。

 東日本大震災では、多くの方々が犠牲になりました。心からご冥福をお祈りしたいと思います。 お盆という機会を捉え家族全員が故郷へ帰省し、親子の対話が増え、家族の絆が深まる機会になることを期待します。

                           参考「はてなキーワード」お盆より

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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