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熊本・宮崎・鹿児島DCの推進について ~観光客に県境は無い~

2011年9月26日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

熊本・宮崎・鹿児島の3県とJRグループ6社では10月1日から12月末まで、デスティネーションキャンペーン(DC)を展開します。

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キャッチフレーズは「のんびり過ごす極情(ごくじょう)の旅」で、3県が誇る「温泉」、「自然」、「観光列車」、「伝統」、「美味」等の観光素材を前面に出し、新幹線を利用して全国から多くの観光客を誘客するものです。またDCと連動してJR九州は来年3月末日まで、「列車でめぐる極情の旅 南九州キャンペーン」を展開します。

全国主要駅には5連張りのポスターが掲示され、無料のガイドブックが52万部配布されており、期間中に総計153人に3県の温泉宿泊券など豪華プレゼントが当たります。
8月31日には、熊本市で、JR九州の社長、3県の知事による合同記者会見も開催されました。旅行エージェント・メディアの方々も多く参加し、DCにかける意気込みが伝わり全国から多くの観光客が訪れるものと期待がかかります。

高千穂峡.jpg

今回のDCは、JR6社が総力をあげて取り組んでおり、地元としては、その受け皿づくりをきちんとやる必要があります。また、自分の地域を売り込むチャンスであり、その後の商品造成や継続的な誘客を図るため、人脈づくりにもつながります。


特に3県が協力して魅力ある観光ルートのPRをする良い機会です。
遠方から来る観光客は広域に回り、県境の意識はありません。熊本からSLに乗り換え、川線の魅力に堪能しながら人吉へ、そして「いさぶろう号」でスイッチバックの軌道の山線に入り、日本三大車窓を見ながら吉松へ、「はやとの風」に乗換え鹿児島へ行くコースなどは、3県をまたぐ代表的なコースです。

また、出水駅と長島・牛深との連絡バスの運行、水俣地域と連携した出水市への教育旅行の誘致や、食、ウォーク等イベントの共同開催、霧島市や湧水町を中心とした環霧島会議の推進、串間市と志布志市による日南線の活性化など、県境を越えた連携が進んでいます。
3県で協調してまず南九州に観光客を呼び込むことが、何よりも問われます。そして競争してわが地域にいかに呼び込むかです。

大隅横川駅.jpg

3県には7つの観光列車(あそぼーい、A列車で行こう、SL人吉、いさぶろう・しんぺい、はやとの風、海幸山幸、指宿のたまて箱)が走り、スローな列車と新幹線の早さを組み合わせた旅が満喫できるのではと思います。


八代駅から隼人駅を結ぶ肥薩線の沿線には、「幸福の鐘」を鳴らすことが大人気の真幸駅や、木造の駅舎で100年を超える大隅横川駅、嘉例川駅などレトロな駅舎が残り魅力満載です。また、「海幸山幸」号で人気の日南線沿線の「飫肥」は「食べあるき・町あるき」マップでの散策がおすすめです。今や九州を代表する人気の観光地となっています。

3月に運行を開始した「指宿のたまて箱」は予約率が85%を超える超人気列車となり、メディアにもよく取り上げられ指宿地域への誘引効果を高めています。熟年層をターゲットに、レトロな列車を組み入れた商品はこれからも人気が続くと思います。

ところで鹿児島県は、南北600キロにも及び、歴史、温泉、景観、食など魅力ある観光素材にこと欠きません。訪れた観光客に、「本物。鹿児島県」を提供する仕組みを定着させねばなりません。

各振興局や自治体、民間業者を加えて、新しい食のブランド化や着地型メニューの開発など独自の取組を行い、新幹線開業効果を県内全域にもたらす取組を推進しています。様々な取組が相乗効果をもたらし、地域の活性化とその後の永続的な観光客誘致に結びつけて行くことが最大の目的です。

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県内の新幹線の停車駅は出水駅と川内駅ですが、下りにいかに下車させるかが重要です。 出水には毎年1万羽を超えるツルが飛来し、周辺の田んぼで越冬しますが、縁起のいいツルの見学に毎年多くの観光客が訪れます。


観光客が出水での滞在時間を増やし、地域に経済効果をもたらす取組として、グルメやスイーツ等の開発プロジェクトがスタートしています。宿泊施設の不足は、湯の児温泉や霧島地域と連携することで商品企画が可能となります。川内は、甑島や市比野温泉への誘客が不可欠です。

新大阪から最速の「みずほ」は、鹿児島中央まで3時間45分で到着します。時間短縮と終着駅効果が関西、中国地域からの誘客につながっています。桜島や温泉、食、歴史等の鹿児島市の魅力に加えて、まず終着駅まで行こうという心理が働いていると思います。

これからは時間短縮効果を活かし、いかに遠くに行かせるかが課題であり、その仕向地は大隅半島や離島、特に種子島・屋久島と考えています。九州本土最南端佐多岬や、世界で一番美しいといわれるロケット基地、世界自然遺産の島が観光客を引き付けると思います。リピーター対策には最適な場所と考えています。

種子島ロケット.jpg

今までの新幹線開業では、一年目は観光客が増えますが、翌年から苦戦を強いられています。
観光客を維持して行くためには3県の連携は不可欠であり、九州観光推進機構の大都市圏での説明会には積極的に参加し、四季折々の魅力、来訪時の過ごし方、食の魅力等のPRが重要です。そして何よりも大切なことは「おもてなしの心」です。
観光客にとって「満足」は当たり前であり「感動」、「感激」を体験した人だけが顧客となりリピートします。


DCで訪れた遠来の観光客が、「日本の中に鹿児島県が在って良かった」、「また来たい」という印象をもって帰っていただく機会にしたいものです。

桜島の魅力に触れる機会を増やそう

2011年9月20日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

桜島が活発な活動を続けており、爆発回数は688回となり、昨年の記録に追いつきそうな勢いです。(9月19日現在)

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噴火のたびに、鹿児島市内や周辺の街に大量の火山灰が降り、市民はその対策に頭を痛めている一方、鹿児島を訪れた観光客は、桜島の噴火でもくもくと上がる噴煙のスケールの大きさに一様に驚嘆の声を上げ、特に外国人にはその驚きが顕著なようです。

現在修学旅行生が多く訪れていますが、バスガイドさんが「皆さんが鹿児島に滞在中に桜島の噴火の雄姿をぜひ見せたい」と説明した途端に噴火をし、生徒さんが感激したという話を聞きました。生きた火山の姿を目のあたりにするのも、鹿児島ならではの観光の魅力ではないでしょうか。

鹿児島市では、第2期鹿児島市観光未来戦略(仮称)の策定作業に入っており、小生も委員として参画しています。第1期の検証を踏まえて、桜島の今後の観光の在り方について意見を述べていきたいと考えています。

ところで「(株)リクルートじゃらんリサーチセンター」が開業前に、九州新幹線全線開業に関する意識調査を実施しています。

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その中で南九州3県への訪問意向先としては、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県在住者のいずれの県でも、桜島が1位となっています。桜島は、福岡、佐賀、長崎、大分の各県在住者の調査でも上位にランクされています。
県外の方々の桜島に対する思いは、県民の想像以上に高いものがあります。
(調査方法:インターネットによる調査、調査日:2009年11月13日)

その桜島に新しいバス路線が誕生します。
10月18日から毎日8便運航されるのが、「サクラジマ アイランドビュー」です。袴腰港を起点に、レインボー桜島~桜島ビジターセンター~烏山展望所(5分停車)~赤水展望広場(8分停車)~湯之平展望所(15分)~袴腰港までを60分で廻ります。

今まで桜島に渡ってからの2次交通が課題となっていただけに、観光客にとっては溶岩群、それが風化した後に生えている植物の生態、桜島の山肌、錦江湾越しの鹿児島市内等を身近に見ることができるコースになります。
さらに、今運行している「よりみちクルーズ」を組み合わせることで、海からの魅力と陸上から見る桜島の景観が違った印象として残ると思います。

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噴火が続いている桜島ですが、厳しい生活環境の中でも約5,800人の住民が住み、限られた農地では「びわ」、「桜島大根」、「桜島小みかん」などの農産物が収穫され、島の特産品として人気があります。地域の女性グループが開発した「青切り小みかんドレッシング」は話題の商品となっています。

桜島は山の魅力だけでなく、桜島ビジターセンター、国際火山砂防センター、黒神埋没鳥居など火山に関する施設、噴火遺跡があるのに、その魅力が意外と伝わっていないのではないかと思います。大学生の地質の研究ゼミ等に活用できるのではと思います。

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噴火は現実問題として捉え、桜島を1つのフィールドとして位置づけ、自然と対峙している島民の暮らしにもっとスポットを当て、生きている火山を学ぶ教材として小中学校の勉強にも活かすべきです。

「桜島まるごと体験フェア」は、桜島の新しい魅力づくりに貢献しています。「天然温泉掘り体験」や「溶岩トレッキング」等は桜島ならではの体験メニューです。
桜島の噴火を負の遺産として捉えるのではなく、噴火がもたらす自然の贈り物をプラスに変える取組を行っています。

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また、ウォーキング大会やハーフマラソン大会の参加者を増やすため、一日限りの割安乗船券の発売や特典の提供などで桜島に渡るきっかけづくりを行うことや、古里温泉の海に面した「龍神露天風呂」、「シーカヤック体験」でマリンスポーツの体験者を増やすことが若者層の開拓につながります。
今の旅行需要を牽引しているのが、熟年の女性です。桜島ならではの食やスイーツの開発も欠かせません。そこでしか味わえない海の幸の提供が必要です。

一方、爆発と報じられると古里温泉では多くの宿泊のキャンセルが発生します。霧島の新燃岳噴火のときも、霧島温泉全域が噴火で危ないとういう印象をもたれ、観光客の激減につながり、情報発信の正確性が問われました。
爆発は多くの観光客に驚きと感動を与えていますが、毎年避難訓練が行われるなど万全の体制で危機管理がなされており、そのような情報もきちんと伝える必要を感じています。

桜島で子供の各種のスポーツ大会を開くことで、自然とフェリーに乗船し観光する人が増加します。旅行エージェントの皆さまには、鹿児島空港から国分、牛根経由で桜島を裏から見るコースを売り込んで欲しいと願う次第です。

また、観光客が宿泊、滞在することで桜島の地産品を購入し、地域に経済的効果をもたらすことにつながります。

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桜島を観光したあと、港の近くのレインボー桜島の温泉で体を癒すのも楽しみの一つではないでしょうか。
溶岩なぎさ公園「足湯」は全長が100mと日本最大級の足湯です。足湯に入りながら山肌を見つめると、梅崎春生の小説「桜島」の最終章が浮かびました。

「崖の上に、落日に染められた桜島岳があった。私が歩くに従って、樹々に見え隠れした、赤と青との濃淡に染められた山肌は、天上の美しさであった。」

その美しさは今でも変わらず魅力的です。ぜひ桜島に足をお運びください。

九州新幹線全線開業から半年~来年度に向けての取組開始を~

2011年9月12日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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3月12日6時58分、N700系の新型車両「みずほ600号」が、満員の乗客を乗せ、新大阪に向けて出発してから半年が経過しました。
鹿児島県は九州の最南端に位置し何かにつけて不利性をかこっていましたが、「鹿児島中央駅」が新幹線最南の終着駅になることから、開業前から大きな話題となっていました。 

しかし、開業日前日に東日本大震災が発生し、開業イベントやCM等はすべて中止となりました。スタート時は厳しい状況でしたが、県内の観光地は4月の後半から動きが活発となり、夏休みが終わったにもかかわらず、前年を大きく上回る観光客が訪れています。 

5月から3ヶ月間の状況でみると、奄美地域を除いて上向き傾向がはっきり数字に表れています。特に指宿地域は、「指宿のたまて箱」効果もあり、大河ドラマ「篤姫」が放映された平成20年を超える数字となっています。

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県の観光統計によると、月別の宿泊客数の推移(対前年比)は、3月が24.7%、4月が5.2%それぞれ減少していますが、5月が4.4%、6月が21.4%、7月が23.5%それぞれ増加となっています。新燃岳噴火や東日本大震災の影響から回復基調にあると言えます。

主要地域からの3カ月間(5月~7月)の入込み客数の平均の伸び率は、中国地域が130.0%、関西地域が56.5%、福岡県が39.0%の伸びとなっています。
全線開業で便利になった中国地域が顕著な伸びを示しているのは、初めての方が鹿児島を訪れているのではと推測されます。
また、関西地域には鹿児島県出身者が多く、新幹線を利用し帰省を兼ねて観光する方が増えているのではと思います。

最大の需要を抱える関東地域からは、東日本大震災の影響で大きく減少していましたが、7月は17%の増となり回復基調にあります。
宿泊施設に問い合わせたところ、8月は台風の上陸もなく比較的順調に推移したという施設が多く、今後の見通しについても大手の旅行エージェントの担当者は、9月以降の宿泊の予約状況は、前年同期比を上回っているとの回答でした。

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新幹線開業は、時間短縮効果による観光客の増加だけでなく、物販の売り上げにも大きく寄与しています。
鹿児島中央駅の売店の売り上げは、前年比50%を超える勢いで、特に鹿児島限定の商品の売れ行きが好調です。

また、ビジネスマンの出張はほとんど日帰りとなっていますが、鹿児島中央駅周辺の飲食店は、発車時刻近くまで過ごす出張族で賑わっています。

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ところで、10月から12月まで、JR6社の南九州3県を対象としたDCキャンペーンが実施されますが、旅行エージェントもそれに呼応して、すでに3県に向けての商品企画が展開されています。
また、3県には人気のある観光列車が運行されており、「指宿のたまて箱」は今一番予約が取りにくい列車となり、そのことが指宿の人気を支えています。

新燃岳の噴火で低迷していた霧島地区への対策として、大手旅行エージェント3社による送客キャンペーンがすでにスタートしており、8月末現在各社とも前年を超える予約状況となっています。鹿児島、指宿、霧島の主要観光地は、来年3月ごろまでは、好調に推移するものと思います。 

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しかし、今後の展望を考えると、来年度に向けての態勢を早目につくる必要があります。大河ドラマ「篤姫」の放映後、鹿児島の観光は大きく落ち込みました。その二の舞を避けるためにも、次へのギアチェンジが必要です。もちろん観光客を温かく迎える態勢は、これからも維持しなければなりません。

宿泊施設、観光施設では専任担当者を置き、4月以降の商品企画を旅行エージェントに提案する必要があります。
また、運輸機関では、バスの受注状況を把握し、予約の少ない日は企画商品の植え付けを行う必要があります。

旅行エージェントでは普通、全国型商品の仕入れは半年前に終わり、年明けにはパンフレットの作成作業に入ります。ぜひ菜の花や桜の名所、祭り、イベント、食、そして離島の魅力などを売り込んでほしいと思います。特にリピーター対策として離島対策や着地型商品の充実が求められます。

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ところで、東日本大震災と原発事故の処理の目途が立てば、国として来年は東北地域への支援を強化し、東日本に重点を置いたキャンペーンが展開されるものと思います。
西に向いている観光の流れを止めることなく、引き続き鹿児島の魅力を発信し続けなければなりません。

県ではこれまで新幹線停車駅から2次、3次交通の整備を進めてきましたが、大隅地域の活性化が不十分です。山川~根占フェリーのPR、さんふらわあとJRの連携、旅行エージェントの商品企画等を強化する必要があります。
誘引効果を高めるには、他地域にない突出した体験メニューの提供、食、イベントの情報発信が不可欠です。

一方、回復基調にある外国人誘客のためには、韓国、台湾、香港、中国のエージェント等への商品企画支援に、JRを活用する新たな取組も必要です。

新幹線の安定的乗車率確保には、修学旅行の誘致が欠かせません。
毎年集約列車を活用して鹿児島に来ている、福岡県の筑紫連合中学校の修学旅行が始まりました。県では同様なしくみによる誘致を関西地域で働きかけています。実現できると確信しています。
新幹線全線開業効果を県内全域に広める取組がこれからも大きな課題となっています。

大隅地域のグリーンツーリズムへの期待

2011年9月5日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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県内でグリーンツーリズムの取り組みが盛んになってきました。平成23年度に県 内では、南さつま地域、北薩地域、垂水地域を中心に約10、000人の農家民泊 の予約が入っています。


現在の受け入れは学生が中心ですが、一般のお客様を受け入れるため民宿の営業許可を取得する地域も出てきています。この度大隅地域全体での受け入れを促進するための研修会が鹿屋市で開催され、コーディネーターとして参加しました。

大隅地域は、垂水市での漁業体験や漁師の家での受け入れが始まったばかりで、大隅半島全体での受け入れは確立していません。
大隅地域のグリーンツーリズムの魅力と課題について整理したいと思います。

大隅地域の魅力とは
(1)食の宝庫であり、いろいろな体験ができることです。特にサツマイモ、ピー マン、米、お茶、メロン、みかん、牛など農畜産が盛んであり、地域全体での受け 入れが可能で大型の農家が多いのが特徴です。

垂水餌やり_子供.jpg (2)気候が温暖で一年中受入ができることです。 特に志布志地域は、農業・漁業とも盛んです。垂水漁港での体験が人気を 博しているのは、餌やり体験、イルカウォッチング、握りずし体験、漁師の家での 民泊など同一地域でできることです。

(3)田の神様、ダゴ祭り、弥五郎どん祭りなど地域の伝統的祭りなどが残り、地 域の生活・文化に触れることができます。

(4)学生の受け入れにあたっては、農業体験後の学習できる施設があります。 鹿屋航空基地資料館での平和学習、内之浦宇宙観測所での科学学習、かのやばら園 の自然観察など、農業体験メニューと組み合わせてPRすることができます。

課題としては
(1)「さんふらわあ」は関西からの誘客には便利ですが、鹿児島中央駅、鹿児島 空港からは遠く、大隅地域への高速道路の延長が待たれます。

(2)学生の場合は、県内に2泊するので、もう一泊目の宿泊地との連携が必要です。

(3)学生の場合農家民泊のスタート、解散地の集合場所をどこに置くかが重要 になります。クラス別に受け入れ地域を決めるため、中心となる公民館や集会所の ある場所が必要になります。

(4)受け入れに当たっては、エージェントと学校、農家との様々な折衝が必要に なります。体験メニューの設定、保健衛生面の指導、受け入れ農家の割り当てなど です。そのためには地域を熟知したコーディネーターの存在が不可欠です。

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一方では、地域全体に経済効果をもたらすためには、観光客に地域産品や加工品を購入していただく取り組みが求められます。 魅力ある加工品づくりと販売ルートの確立が必要です。



(1)リスクを最小限に抑えるため、最初は地産品の手づくりの商品が不可欠です。数量限定、地域限定の商品が希少価値となり喜ばれると思います。

(2)興味を抱くネーミングをつけることが観光客の興味を引きつけます。方言や地域名、個人名などを活用し、例えば「かあちゃん漬け」、「やまぐっちゃん家の漬物」、「大隅の幸」などの地域を感じるネーミングが功を奏すると思います。そして気配りを感じさせるパッケージに心がけ、りぼんや押し花、季節の野の花を添えることで顧客が手に触れやすくなります。

(3)主婦の目線での商品開発を行い、中高年の女性が買いたくなる商品作りが求められます。

(4)スーパーやコンビニとの差別化を図り無添加の安全・安心の商品づくりが必 要です。帰路に鹿児島の産品を購入してもらうことも重要であり、果物など実演販 売を行い「おおすみブランド」を売り込むことが大切です。

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現在農家民泊のほとんどは、簡易宿泊所の許可を取っていないため直接の食事の提供はできません。生徒さんと一緒に作ることが絶対条件です。また生ものを出さ ない、帰りに手作りの食糧を持たせないなど、衛生管理に十分配慮する必要があり ます。コンプライアンスの徹底が何よりも必要です。

大隅地域の魅力を知らない県民が多いのも事実であり、もっとPRが必要です。また、アクセスの不便さや著名な観光地が少なく、一般の観光客を常に宿泊させる ことは厳しく、学生中心のグリーンツーリズムの体験と民泊が導入しやすいと思い ます。週末に都会の住民が、農水産物を買いに訪れ、地元食材を活用した食事を提 供できる施設がある地域が求められます。

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距離のハンディを克服し、民泊の定着を図るためには、他の地域に負けない「おもてなしの心」をいかに提供できるかにかかっているのではないでしょうか。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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