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学校現場のニーズに応える鹿児島の教育旅行の魅力

2011年10月31日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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鹿児島への修学旅行に関して、関西、中国地域からの問い合わせが多くなってきました。九州新幹線の全線開業に伴い、JR西日本とJR九州が集約列車の設定を行ったことが大きいと思います。あらためて鹿児島の教育旅行の優位性について考えてみたいと思います。

学校現場のニーズに応える鹿児島の教育旅行の魅力とは

・まず集約列車の運行が可能となり、最大のネックとなっていた輸送体系が整いました。平成25年の5月から6月の中旬にかけて、JR西日本とJR九州が集約列車を運行します。学校にとって一括輸送と運賃料金の割引は最高の条件整備です。

・グリーンツーリズムの体験が、県下一円で受入が可能になりました。NPO法人エコ・リンク・アソシエーションが主たる窓口となり、受入態勢が進んでいます。

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出水駅からは直接農家にいけることで人気が高まっています。大隅地区・曽於地域でも協議会が結成され、受入れについて勉強会等がスタートしました。大隅半島は、鹿児島が誇る農業の一大産地であり、豊富なメニューが提供でき今後が楽しみです。近隣の温泉地と連携したコース設定が可能です。

・平和教育については、鹿屋航空基地資料館、知覧特攻平和会館、万世特攻平和祈念館などで体験できます。グリーンツーリズムの体験地域と隣接しています。

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・歴史教育については、鹿児島市は明治維新の偉人を輩出した史跡が集中し、班別自主学習がとり易い街です。維新ふるさと館、黎明館、仙巌園等を市電や巡回バスと組み合わせて利用すると便利です。鹿児島中央駅に到着した日に、まち歩きをする学校が増えています。ボランティアガイドの数も豊富であり、一緒に回るのも教育的効果が増すのではないでしょうか。

・自然学習については、桜島に渡り「桜島ビジターセンター」や「黒神埋没鳥居」などがいい教材です。時々噴火し、生きている桜島の雄姿に生徒は感激しています。10月18日から桜島の西側を周遊する「サクラジマアイランドビュー」の運行が始まりました。桜島への自由行動がより楽しくなりました。また、現在、新燃岳噴火で霧島の山は登山できませんが、神話の里公園は、新燃岳や錦江湾に浮かぶ桜島も望める絶景スポットではないかと思います。

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・ブルーツーリズムは、垂水漁協でのカンパチ餌やり体験と、生徒自らが行うすしづくり体験が人気となっており、今年は11校を受け入れています。垂水漁港は、桜島の昭和火口を間近に望め、噴火のシーンに驚きと感動の声が上がります。桜島口ではイルカの姿に遭遇することもあります。

また、笠沙の野間池ではシーカヤックができます。

・環境学習の場所としては、屋久島が「世界自然遺産」の島であることから、西部林道、白谷雲水峡、ヤクスギランド、千尋の滝等の見学が人気となっています。縄文杉や九州最高峰の宮之浦岳登山は1日がかりとなります。里の魅力を体験するだけで屋久島の自然を堪能できます。

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・科学学習の場所としては、「はやぶさ」の発射地である内之浦の宇宙空間観測所があります。また、世界で一番美しいといわれる「種子島宇宙センター」は、若者が将来への夢を抱く最高の場所ではないでしょうか。敷地内にある「宇宙科学技術館」は、ぜひ見学してほしい施設です。

・温泉地での宿泊も喜ばれます。県内にはいたるところに温泉が湧いており、生徒たちの疲れを癒してくれます。一度にたくさんの生徒が入れる大浴場を備えていることも宿泊先としてのメリットがあります。県都である鹿児島市、砂蒸し風呂のある指宿温泉、露天風呂が豊富な霧島温泉と生徒の思い出づくりに最適な温泉がそろっています。

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・離島でユニークな体験ができるのも鹿児島ならではのものです。加計呂麻島の秘境ツアーや住用地区でのシーカヤック、甑島ではウミネコの餌やりが人気です。最南端の島、与論島では、一日一校の受け入れで、島を貸し切るというキャッチフレーズでその魅力をPRしています。奄美群島は今後、私立学校等に販促強化していきたいと考えています。

鹿児島県への教育旅行は、ここ数年増加の傾向にあります。特にグリーンツーリズム、ブルーツーリズム、平和教育、班別自主学習等の受入態勢が整ってきたことなどがあげられます。平成25年の集約列車の運行が、その流れに拍車をかけると信じています。

教育旅行に興味を示す自治体が増え、県の教育旅行受入対策協議会に加入する団体も増加しています。地域の活性化にもつながります。
安定した教育旅行市場の受入れに官民をあげて取り組みたいと思います。

「第4回かごしま観光人材育成塾」への参加を

2011年10月24日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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九州新幹線全線開業から7ヶ月、県内は予想を超える観光客で賑わっています。鹿児島中央駅が新幹線の南の終着駅になったことや、「指宿のたまて箱」の人気とメディアでの取材が増加していることが鹿児島への誘引効果を高めていると思います。

一方、離島や大隅地域への観光客の流れは少なく、波及効果は及んでいません。 県内全域に新幹線開業効果をもたらすためには、更なる地域の商品開発と情報発信を強化する必要があり、また、地域の活性化に何よりも必要なことは、地域の観光を担う人材が特に重要と考えています。

今年も、地域の商品作りや情報発信等を学ぶ「第4回かごしま人材育成塾」を開催します。
今回は、全線開業後も鹿児島への観光客の流れを継続させるため、ローカル線の活用策、海外からの誘客、九州各県との連携、今後の地域づくりと食の開発、着地型商品づくり、組織づくりなど、取り組むべき課題等について7講座を開講します。

講師と講座の内容について簡単に紹介します。

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第1講座は、肥薩おれんじ鉄道(株)代表取締役社長の古木圭介氏が、「肥薩おれんじ鉄道のサバイバル戦略~過去・現在・未来~」について講義します。
肥薩おれんじ鉄道の沿線は、人口減少が顕著であり、大きな収入の伸びも期待できませんが、さまざまな取組を行うことによる増収策を推進しています。

今取組んでいるのが海外からの誘客です。また、車両を広告塔として売り出したり、列車を活用したイベントを実施するなど大きな成果を挙げています。赤字ローカル線からの脱却を図るべく、さまざまな取組が語られると思います。

第2講座は、九州観光推進機構本部長の大江英夫氏が、「九州の広域観光戦略~震災後の取組と新幹線開業後の課題」について語ります。
大江氏は、長年大手エージェントの支店長等を経験され、国内外に豊富な人脈を持ち、業界の知識人でもいらっしゃいます。今後の九州の広域観光のあり方、鹿児島の方向性等について語られると思います。

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第3講座は、九州旅客鉄道株式会社の鉄道事業本部 営業部長の古宮洋二氏が、「JR九州の鉄道戦略」について語ります。
九州新幹線が全線開業し、博多駅から鹿児島中央駅まで最速1時間19分で結ばれ、縦の時間短縮により九州各地への移動が便利になりました。また、観光特急列車7本が走る南九州は、新たな鉄道ファンを開拓しています。今後のJRの戦略が楽しみです。

第4講座は、リクルートじゃらんリサーチセンター エグゼクティブプロデューサーのヒロ中田氏が、「食による地域活性化の一手法~新・"ご当地グルメ"の創り方~」について語ります。

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今全国的にB1グランプリやS1グランプリなど食による地域興しが盛んですが、県内でも「指宿たまらん丼」や「黒豚わっぜか丼」などが売り出し中です。中田氏は出水市のご当地グルメの開発にも携わっていらっしゃいます。

今後のご当地グルメの創り方について興味ある話が聞けると思います。地域でご当地グルメの開発を担当している方々必須の講座です。

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第5講座は、釜山広域市観光協会会長の李根厚氏が、「国際化を推進する釜山観光の現況と鹿児島への提案」について語ります。県観光連盟は、釜山広域市観光協会と姉妹盟約を結んで11年になります。李会長は、日本語が堪能で、奥様ともども大変日本の文化に造詣が深い方です。

鹿児島へのインバウンドは、韓国からが55%を占めていますが、今年は新燃岳噴火や震災の影響もあり低迷しています。KTXのソウル~釜山間や九州新幹線の全線開業で、韓国からは大幅な観光客の伸びが期待でき、宿泊や交通・観光施設の方々にとって今後の海外戦略に大いに活かせる話が聞けるものと思います。

第6講座は、Hotel&Residence南洲館社長室チーフの橋本龍次郎氏が、「もしかごしま観光人材育成塾の皆様がホテルマンの『S話』を聴いてみたら」について語ります。
南州館が開発した「黒くま鍋」は、九州・山口の鍋コンクールで最優秀賞に輝き、今ではホテルの名物料理として口コミでその人気が広まっています。
橋本氏は、これまでの3回の観光人材育成塾に塾生として参加され、若手ホテル経営者の仲間と市場見学ツアーなど独自の取組もされています。地域へのこだわりと、これまでの実践秘話について、熱い思いが語られるものと思います。

第7講座は、(社)全国旅行業協会鹿児島支部長の中間幹夫氏です。中間氏は自ら旅行エージェントの経営に携わりながら、全旅メンバーのまとめ役として奔走され、地域活性化に対する取組として着地型商品の開発と販促に努力されています。

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九州新幹線全線開業前から、着地型の「魅旅」は人気の商品となっています。これからの地域活性化には、素材の発掘と商品化、ネットワークの構築が不可欠です。着地型商品の販売手法が学べると思います。

どの講師も日頃から地域を回られ、経験とそれに裏打ちされた話は、皆さんの心に深く刻まれると信じております。また、夜学塾は、参加者同志や講師陣とのコミニユケーションの場であり、講座で聞けないより詳しい話も聞けると思います。

新幹線全線開業から7ヶ月、2年目が正念場です。この講座が地域活性化の人材育成につながることを期待し、多くの参加者が集まることを期待します。

なぜ今スポーツキャンプ・合宿の誘致なのか

2011年10月17日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

スポーツキャンプ・合宿を行うために、県外から本県を訪れるスポーツ団体は年々増加傾向にあります。大学の夏・冬休み期間や、冬場は温かい地域でキャンプ・合宿する傾向が強くなってきました。

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県の統計によると、平成22年度の県外からのスポーツキャンプ・合宿の受入実績は、800団体、延べ人員95,341人となり、過去最高の団体数を記録しました。平成11年度と比較すると、団体数で604件、人員で64,092名増加しています。


理由として、官民による積極的な誘致活動、受入態勢の整備や下見、参加した団体の口コミ効果等で定着する団体が増えたことに加えて、観光鹿児島の魅力が誘致につながったと思います。

地域別では、南さつま市、鹿屋市、奄美市、さつま町、日置市、鹿児島市、志布志市となっています。南さつま市は早くから合宿誘致に取り組み、サッカー、野球などのグランドが整備され、韓国からの誘致にも力を入れています。

大隅地域の鹿屋市と志布志市は遊休地の整備を進め、サッカー、テニス等の誘致に成功しています。大隅地域は、大阪からさんふらわあが就航していることもあり、到着日の朝から、帰りも昼過ぎまで練習が充分できるメリットがあります。鹿屋市には鹿屋体育大学があり、交流試合等が実施できればもっと増やせる余地があるのではないでしょうか。

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23年度もスポーツキャンプ・合宿を誘致すべく、10月6日には大阪で、7日には京都で誘致のためのセミナーを開催しました。
県内の14の自治体が参加し、2日間で関西地区の20大学から52団体119名の参加がありました。


今回も、交通の利便性の高い駅に近い会場を選び、参加自治体からは地元の食材を提供してもらい、セミナーの最後には参加者に試食してもらいました。地元の食材を提供することで、より身近な説明ができたのではないかと思います。

今回垂水市は始めての参加でしたが、尾脇市長自らトップセールスを行い、2箇所で生徒たちの要望を熱心に聞いていらっしゃいました。他の市町村の誘致策も参考にされ、今後の市政に反映されるのではないかと思います。

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学生の声を聞くと、合宿地を決める要件として、「宿泊料金や大浴場の有無」、「運動施設の使用時間と料金」、「送迎の有無」、「気候」などをあげています。学生の財政事情を考えると、一定の補助金の支援制度がある自治体が、選択肢の条件の一つではないかと思います。


今回参加の自治体は、すべてではありませんが、宿泊日数に合わせて補助金を出しており、学生も候補地として決定しやすいのではないかと思います。

また、合宿を実施するにあたっては、宿泊先の近くにコンビニやコインランドリーがあることが望ましいと思います。
合宿は長期に渡るので、生活必需品や食料など緊急に購入の必要が生じることが多く、近くにあるコンビニは重宝がられます。激しいスポーツには栄養ドリンクや夜食を買い求めるケースが多くあります。
また、ユニホームの洗濯には施設内の設備では間に合わず、大型のコインランドリーを使うケースが多くなります。

自治体の担当者をきちんと配置することも、持続的に合宿地に選ばれる条件ではないかと思います。万一の事故のために、緊急病院のリストや交通アクセスなど情報を詳細に提供する必要があります。

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ところで隣の宮崎県は、早くからプロのキャンプ誘致に努め、人気の読売ジャイアンツをはじめ、プロ野球、サッカーのJ1、J2のチームが各地でキャンプを張っています。地元経済調査機関の発表によると、その経済効果は100億円を超えると試算しています。

一方、県内では、プロチームのキャンプは、鹿児島市、指宿市、霧島市、薩摩川内市、奄美市、さつま町で実施しています。
昨年横浜ベイスターズが奄美市で秋季キャンプを張り、水害で被害を受けた島民にとって大きな励みになりました。男子バレーボールの秋季練習が、薩摩川内市で始まりました。各市とも特産品を差し入れするなどして激励し、定着に向け継続した取組をしています。

プロチームがキャンプすることで、応援ツアーや報道関係の取材などが多くなり、地元への経済効果も大きくなります。昨年ソフトバンクホークスの和田投手が、鹿屋市でキャンプを行いました。人気選手がキャンプをすることで地域の評価も高まります。

プロのチームの誘致には、整備された冬芝のあるグランド、交通アクセスが便利、充実した宿泊施設、歓楽街が近くにあることなど条件が厳しいことが上げられ、誘致に時間と費用も要します。
その点学生はプロチームほどの条件は求めません。県内にある公的施設で十分と考えており、自治体にとってもオフ時期の利用促進にもつながります。学生は社会人になれば、また来てくれるチャンスもあります。

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鹿児島は県内各地に温泉が湧き、豊富な食材と温暖な気候、おもてなしの心等他県に勝る要件が揃っています。
九州新幹線が全線開業し、時間短縮も図られました。多くのスポーツ合宿を誘致することが、周辺地域の観光客誘致にもつながり、地域の活性化に繫がると思います。

日本はこれから人口減少が続き、国内旅行の大幅な伸びは期待できません。学生スポーツは安定した市場です。各市町村が、今以上にスポーツ合宿に取り組むことを期待します。

紅葉(こうよう)前線を旅する

2011年10月11日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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北海道から紅葉の便りが届く頃になりました。阿寒湖では今紅葉が真盛りで、10月8日から10日まで「まりも祭り」が開催されました。この祭りが終わると阿寒湖周辺では、冬支度の準備に入り、観光客も急激に減少していきます。紅葉前線はこれから本州、九州へと南へ移ってきます。

「もみじ」といえば誰もが口ずさむ曲が、次の小学唱歌です。

           もみじ   作詞:高野辰之  作曲:岡野貞一
 1 秋の夕日に  照る山紅葉  濃いも薄いも 数ある中に
   松をいろどる 楓や蔦は   山のふもとの 裾模様

 2 渓の流れに  散り浮く紅葉 波にゆられて 離れて寄って
   赤や黄色の  色さまざまに 水の上にも  織る錦

この歌は、作詞者が東京からふるさとの信州に帰る途中、列車の中から見た碓氷峠付近の情景を詩にしたといわれています。今では新幹線で一気に通り過ぎる峠ですが、明治時代の列車の旅の長閑さと自然の美しさが伝わってくる曲です。
この曲を作った二人には、「故郷(ふるさと)」、「春の小川」、「春が来た」などの名曲があります。

紅葉(もみじ)は古くから、歌の題材としても取り上げられてきましたが、小倉百人一首に収められている次の歌はよく知られています。

 あらし吹く 三室の山の   もみぢ葉は 龍田の川の  錦なりにけり
                               能因法師
 奥山に   もみぢふみわけ 鳴く鹿の  声きく時ぞ  秋は悲しき
                               猿丸丈夫 

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もみじの美しさを求めて日本では、多くの人々が旅行に出かけます。
紅葉は見学できる期間が長いので、旅行エージェントの商品企画では、春の桜より設定期間が長く、コースが選定しやすくなります。

紅葉の名所と言えば、青森県の十和田湖、奥入瀬渓谷、栃木県の日光の戦場ヶ原、富山県の黒部峡谷などが有名ですが、西日本地域では、愛知県にある香嵐渓のもみじの紅葉は、必見の価値があります。

香嵐渓は、年間130万人の観光客が訪れますが、この紅葉の1ヶ月間に50万人の人が訪れます。観光協会では、街中が渋滞することで地域住民に迷惑がかかるため、事前に地域の代表者を集めて観光客に対する配慮をお願いしています。今では、一定期間の渋滞は我慢して、観光客をもてなすことに理解してくれる住民が増えています。やはり観光は地域一体となった取組の重要性を感じます。

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また、京都の紅葉の見所は、由緒ある寺院仏閣が多く、秋の観光シーズンと重なり周辺は車が動かないほど渋滞します。見学は早朝や夕方がお勧めです。嵯峨野にある常寂光寺は、門から本堂まで石段が続きますが、紅葉が散る頃になると、もみじの葉が境内をはじめ石段をも包み、赤い絨毯が一面に敷き詰められたような光景を目にすることができます。

ところで、鹿児島の紅葉の見所といえば霧島連山があげられます。1月の新燃岳噴火以来、山に登ることはできませんが、霧島温泉の周辺部で紅葉を見ることができます。嘉例川駅から天降川の渓谷、霧島温泉に至る国道沿いは整備が進み、美しく紅葉した木々を身近に見ることができます。新燃岳の様子が観察できる「神話の里公園」からは、紅葉と錦江湾と桜島の景観も一緒に見ることができる絶景のポイントです。

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皆様にお勧めしたいのが、2010年度の鹿児島県の「景観大賞」に輝いた「垂水千本イチョウ」です。東京から帰郷した中馬吉昭さんが、奥様と二人で開墾した山に30年かけて植え育てた1200本のいちょうの木があります。今年も黄色に色づいた美しいイチョウの並木が見られると思います。


中馬さんによると見ごろは、11月の下旬から12月の初旬とのことでした。NPO法人かごしま探検の会の東川氏は、千本イチョウを「世間遺産・僕立公園」として認定しています。

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その他、新しい橋がかかった曽木の滝周辺や、大隅半島の高隈山系、指宿スカイラインの沿道も紅葉が見られます。
紅葉は、昼と夜の温度差が大きくなると色づきがよくなるといわれます。今年は鹿児島の紅葉スポットに出かけ、秋の風情を楽しみませんか。

次の大河ドラマの誘致に向けて

2011年10月3日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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鹿児島を舞台とした大河ドラマは、1990年に放映された司馬遼太郎原作の「翔ぶが如く」が最初でした。西郷隆盛と大久保利通を主人公に、幕末の動乱期が舞台となりましたが、その年は県外宿泊観光客が900万人を超え、過去最高となりました。

現在NHKの大河ドラマは「江~姫たちの戦国~」ですが、37回が終了した時点で平均視聴率は、18.08%となっています。2010年の「龍馬伝」が18.7%、 2009年の「天地人」が21.2%、2008年の「篤姫」が24.5%であり、「篤姫」の視聴率の高さが際立っています。 
                     ※ビデオリサーチ(関東地方)による

「篤姫」は、鹿児島が舞台でもあり関心が高く、県内では30%を超える視聴率でした。放映回数を重ねるごとに視聴率があがり、国民的な人気ドラマとして定着しました。親しみやすいキャラクターと相まって、ドラマを身近なものとして捉え、県民の多くが「篤姫」の存在に勇気づけられたと思います。

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ドラマでは、先見性を持ち集成館の近代化事業を進めた島津斉彬と篤姫との関係が興味深く描かれていました。従来は西郷隆盛と大久保利通が、鹿児島での歴史観光の中心でしたが、今は小松帯刀と篤姫を加えてPRしています。

篤姫人気を支えた要因は、女性たちの支持があったからであり、鹿児島が、女性達に選ばれ、旅行に行ってみたい地域になるきっかけになったのではないでしょうか。現在篤姫関連の資料は、黎明館と維新ふるさと館で展示されており、ドラマの再現が楽しめます。

篤姫の放映効果は県内の観光の随所に現れました。指宿の今和泉地区ではボランティアガイドが誕生し、多くの観光客を案内しました。番組終了後解散の予定であったガイド協会は、今も存在しており休日には多くの予約が入っています。

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また地域全体で観光客を温かく迎える態勢が出来たことは、地域づくりへの大きな指針となりました。関連する鹿児島市内の入場施設も、入館者数は前年の二桁の伸びとなり、県民が鹿児島の歴史に興味を持つきっかけとなりました。


維新ふるさと館周辺の整備も進んでいます。中央駅から歩いて5分の距離であり、列車の待ち時間に散策できるコースとして人気が定着しています。
また、昨年の「龍馬伝」では、霧島地域が坂本龍馬の新婚旅行先として話題を提供しました。塩浸温泉の整備も進み、多くの観光客が訪れています。

大河ドラマの放映は1年間行われるため、その舞台となった地域は知名度が上がり、旅行エージェントの商品にも取り上げられ、全国から多くの観光客が訪れます。

今、鹿児島では、「翔ぶが如く」、「篤姫」に続き、「島津義弘」を次の大河ドラマに取り上げていただくよう運動を進めています。

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前回鹿児島では平成13年から誘致活動を進め、平成15年には県、市、経済界、誘致協等からなる「NHK大河ドラマを誘致する会」が発足しました。

NHKに要請に行った際、当時の海老沢会長から、全国47都道府県から大河ドラマの要請がきており、鹿児島は22番目であるというショッキングな話を聞き、会では発奮の材料となりました。平成15年の12月には、官民で集めた345,530名の署名を持って再度要請に伺いました。

当時、新潟、山形、石川、福島県共催の形で、直江兼続を主役とするドラマの要請が出されていることを知りました。その後毎年要請に行きましたが、平成18年8月に「篤姫」の放映が決まり関係者で大喜びしたものです。
「篤姫」終了後は、上野の寛永寺への墓参やNHKへの御礼に伺いました。その後次の大河も忘れず要請を続けています。

平成24年が「平清盛」、25年が「新島八重」が主役です。そして26年のドラマとして「島津義弘」を候補にあげて要請していますが、その理由として

  ①織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と同時代に活躍した武将である。
  ②関ヶ原合戦での敵中突破は、「島津の退き口」として、その勇猛さは世に知られてい る。
  ③戦国時代に生きた武将で九州の他の大名、日向の伊東氏、柳川の立花氏、豊後の大 友氏、肥後の細川氏らと関係が深く、1年間の話題作りには事欠かない。
  ④今まで、大河ドラマで九州の大名が主役になっていない。
  ことなどです。

関係者でNHKに陳情に行くたびに、関連の雑誌や資料を持参して「島津義弘」をPRをしています。NHKの歴史秘話ヒストリアで「義久と義弘の兄弟」が取り上げられ、話題となりましたが、これも好材料と考えています。
ぜひ3度目の大河ドラマを誘致し、鹿児島の観光を始め、地域の活性化につなげたいものです。

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一方的な陳情だけでなく官民あげての盛り上がりが重要と感じています。地域間競争は激化しており、新幹線開業の余韻に浸る余裕はありません。常に新しい話題を提供し続けることが重要ではないでしょうか。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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