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地域ならではの「新・ご当地グルメ」開発でまちおこしを

2011年12月19日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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最近B級グルメの祭典が、日本各地で開かれています。
6回目を迎えた今年の「B-1グランプリ」は、兵庫県の姫路市で開催され、「ひるぜん焼きそば好いとん会」がゴールドグランプリに輝きました。

B―1グランプリの出展者は飲食店でなく、まちおこし団体の方々であり、まちを大いにPRして活性化に繋げていくことを目的とした「まちおこし」イベントです。
B級グルメとは地元ですでに定着しているものを言い、一方、「新・ご当地グルメ」は新しくこれから開発するので、商品、価格、流通や販売、広告宣伝・販売促進のマーケティングを一からやることになります。

ヒロ中田さんプレゼン.jpg

「第4回かごしま観光人材育成塾」には、「新・ご当地グルメ」の仕掛け人である「リクルートじゃらんリサーチセンター エグゼクティブプロデューサー」のヒロ中田さんを講師に迎えました。中田さんによると「新・ご当地グルメ」には明確なコンセプトがあり、その7カ条について

①地産地消を前提とした企画開発型ご当地グルメである。
②「域内循環」、「地域活性化」など大義がある。
③地域に人を呼び込む「誘い水」的商品として位置づける。
④その地域の特産物を有効利用した「統一ブランド料理」であり、コンセプトが定められ、守るべき定義・ルールが明文化されている。
⑤コンプト・定義・ルールをきちんと守ったり、プロモーション企画を考えたりする「組織」がある。 ⑥「通年」で提供でき、お店が「複数店舗」ある。
⑦「昼食」を前提とした立ち寄りグルメである。
として位置づけています。

「いつ行っても味わえる、わざわざ食べに行く価値がある地場産食材に徹底的にこだわった企画開発型の統一ブランドおもてなしメニューで、そのメニューの品質保持のために、明確なコンセプトと定義・ルールを持ち、それを守りあう組織(チーム)を持っている」とまとめています。

今人気となっている日南市の「日南一本釣りカツオ炙り重」を担当された中田さんが、鹿児島で初めて、出水市の新・ご当地グルメを手掛けました。
出水市は、15年連続万羽ツルが飛来し、その数は世界一であり、また、大河ドラマ「篤姫」の放映効果や九州新幹線の全線開業で、武家屋敷等の人気も高まっています。しかし、従来から、観光客が食事する地元ならではのメニューが少ないと指摘されていました。

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出水市は、鶏肉・鶏卵生産量が日本第2位を誇る「鶏のまち」です。そのことを訴求するために新たに開発したのが、「親子」をテーマにしたご当地グルメ「いずみ親子ステーキごはん」です。
定義として、地元で生産された新鮮で安全・安心な鶏肉と鶏卵、すなわち「親子」を美味しく食べるには、シンプルに焼いて食べる(鶏肉)、そして生玉子として食べる(鶏卵)。このシンプルな親子の組み合わせに、親サラダ(チキンサラダ)と子スープ(たまごスープ)をつけた、これまでになかったまったく新しい親子メニューです。
産地ならではの、出水に行かないと味わえない新・親子メニューが誕生したのです。

16のルールがありますが、中田さんが決めた7カ条を厳守しています。2011年の2月26日にデビューし、市内6カ店で食べることができ、現在までに6,800食売れています。これからは、観光客にいかに浸透させるかが課題となっています。

中田さんは、「新・ご当地グルメを成功させるために大切なことは、人、資金、そして商品が売れることであり、何よりも組織づくりが肝心である。10年は続けられる組織の確立が必要である。」と言っています。

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認知されるには約5年はかかり、その間キャンペーンやさまざまなイベントでの出店も必要であり、資金的な裏付けも重要です。
認知度0からのスタートであり、魅力的で地域ならではの商品をつくることが求められます。そこで生まれた必然性、ストーリー性、つまり論理的に説明しやすく満足度の高い商品が求められます。

また、「新・ご当地グルメ」は、地域に人を呼び込む誘い水的商品として位置づけています。商品はあくまでも一つの点(コンテンツ)であり、それをきっかけに、地元の観光施設、温泉、旧跡、そして飲食店、宿泊施設、駅と結びつけ、地域全体の魅力づくりの要素にもなります。

PR効果を高めるため、メディアで取り上げていただくと同時に、まず地元で浸透させる営業力も必要です。そこの地域が魅力あると感じた時、初めて観光客が訪れ販売も増えていきます。旅先で客がもっとも求めるものは地元ならではの食です。

食は、農家、漁師、農協や漁協、商工会議所、商工会、飲食店等が絡んでおり、多くの担い手が関係します。地域の食をテーマにした新商品開発が、新たな「まちおこし」にもつながります。皆様の地域でも、ご当地グルメ開発に取り組まれたらいかがですか。

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出水商工会議所では、新たなブランドづくりとして、地元の食材を活用したスイーツの開発に取り組み、キャッチフレーズ、ロゴマークの制定を進めており、食の街出水のイメージづくりが進むものと期待がかかります。九州新幹線が全線開業し、博多から出水駅まで1時間程度で来ることができます。ツル見学や武家屋敷散策の後、観光客が「いずみ親子ステーキごはん」を食べたいと思うようなまちにしたいものです。


参考:①観光とまちづくり(発行日本観光協会):②いずみ親子ステーキごはん(出水市観光交流課)

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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