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2012年を飛躍の年に ~停滞が許されない鹿児島の観光~

2012年1月4日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

明けましておめでとうございます。先行き不透明感がぬぐえない日本経済ですが、昨年の鹿児島の話題は、なんと言っても九州新幹線の全線開業でした。
鹿児島県は九州の最南端に位置し、何かにつけて不利性をかこっていましたが、「鹿児島中央駅」が新幹線最南の終着駅になり、また、新大阪駅から直通の新幹線が運行され、時間短縮効果が顕著となりました。
開業日前日に東日本大震災が発生し、スタートは厳しい状況でしたが、GW前から動きが活発となり、11月までは前年を上回る観光客が訪れています。(県の観光統計)

地区別にみますと、霧島地域は新燃岳噴火で心配されましたが、回復基調にあり、'11年のリクルートの調査で「温泉地満足度」が1位になるなど全国的に注目されており、今後の取組みが期待されます。
指宿地域は、「指宿のたまて箱」効果もあり、大河ドラマ「篤姫」が放映された平成20年を超えています。しかし、乗換えの利便性もあり多くの観光客が訪れていますが、サービスの低下が顕著となりクレームが寄せられているのも事実です。

新幹線さくら.jpg

今年については、やはり新幹線への取組強化が第一であります。既にJR九州から3月のダイヤ改正が発表され、鹿児島にとっては大きな朗報となりました。「みずほ」が2本(1往復)、「さくら」が16本(8往復)増便され、全体として「みずほ」が10本(5往復)、「さくら」が35本(17往復)で、1.5倍増となり関西地域がさらに便利となります。

旅行エージェントから、直通列車を利用した企画商品が造成しづらいという声が寄せられていただけに、増便は大きな集客が見込めます。
これから、新幹線沿線だけでなく、関西一円の京都、滋賀、奈良、和歌山や、四国の高松地域でのPRが必要になってきます。また、岡山、広島、山口地域からの教育旅行の誘致にも力を注ぐべきです。

リピーター対策としては、新幹線停車駅から新たなルートの設定が必要です。
出水駅から伊佐~霧島への、川内駅から入来~蒲生、甑島等への誘客の重要性が増していると思います。

志布志のじゃこ丼.jpg

南薩地域や大隅地域は、「食」の魅力を前面に鹿児島中央駅との連携が誘客につながります。開業効果で一番の恩恵を受けている指宿は、今年が正念場です。「篤姫」放映後の反動を教訓に、種子・屋久や大隅地域、南薩地域と連携し、宿泊基地としての誘客を図るべきです。

霧島地域は、新燃岳の噴火が懸念されますが、「満足度全国1位」の温泉地としての魅力と、アクセスの良さをPRすべきです。

霧島連山-2.jpg

「霧島屋久国立公園」が分割され、「霧島錦江湾国立公園」が誕生し、メディア効果も発揮されます。「霧島アートの森」や「「みやまコンセール」を訪ねるカルチャーツーリズムの提案も霧島ならではの旅です。


鹿児島市は、今や日本を代表する都市型観光の魅力を備えた街です。歴史、自然、温泉に加え、食の魅力が観光客の滞在を可能にしています。
また、日帰り客を宿泊させるには、駅から天文館、照国神社から城山、桜島への回遊性を高め、滞在したくなる街づくりが求められます。中央駅に集中しすぎる観光客を天文館周辺に誘導するためには、エンターテイメント施設の構築や早すぎる閉店時間を改善するなどの取組が必要です。

今日本の国内旅行は成熟しており、大きな伸びは期待できず、今後の人口減少を考慮すると外国人の誘致は欠かせません。

桜島(長島美術館).jpg

3月から中華航空が台北~鹿児島間に週3便の運航を予定しています。
台湾とはこれまで30年にわたってチャーター便を運行してきた経緯があり、しかも西郷菊次郎の縁で鹿児島との交流は長く、固定客もいます。


定期便の運行は、台湾だけでなく、ソウル便、上海便を加えて東アジアをにらんだ新たな展開が可能です。また、宮崎や福岡を結んだあらたなコースの設定と誘客が可能となりました。落ち込んでいるインバウンドの回復に大きな力となるように、現地エージェントとの連携強化に努めています。

ところで、観光庁は、震災対策として東北地域への誘客や支援に動きます。最大のマーケットである首都圏の消費者の選択肢を広げるためにも、我々はこの地域で最大のPRに努めていく必要があります。すでにエージェント対策を進めている機関もあります。
また、北九州地域も鹿児島にとっては重要な地域であり、JR九州を利用した商品企画に力を注いでいます。地域ごとの戦略を立てて誘客に努めていきたいと考えています。

2012年は、辰年(たつ年)です。「辰」の字は「振るう」の意味で、陽気が動き草木が伸長する状態を表し、辰年は成長や発展の年だとされています。動物は竜(龍・たつ・りゅう)が割り当てられています。

竜.jpg

竜は想像上の動物で、空を飛ぶ巨大な爬虫類のようなイメージがあります。竜に関することわざとして「登竜の門」がありますが、急流の「竜門」を魚が登りきると竜になるという伝承からきています。竜のように上昇気流でどんどん行きたいものです。 参考:出典『ウィキペディア』

昨年の前半は、鳥インフルエンザや新燃岳噴火で苦戦しましたが、今年はGW頃までは今の勢いが続くと考えられます。
その後の展開が重要になっており、新幹線開業1周年企画、季節ごとの鹿児島の魅力や行きやすくなる離島の情報の発信、旅行エージェントとの商品造成による共同キャンペーン、WEB販売の強化等を進めるなど、持続的な観光客誘致が必要となってきます。
また、県民が自分の地域だけでなく他の地域の魅力も語り、まちを想う人をいかに増やせるかがこれから最も大切なことです。

今までの新幹線開業では、2年目から観光客が減少していますが、鹿児島は同様な停滞は許されません。鹿児島に来られた方々に、「鹿児島はすばらしかった。ぜひ友人に勧めたい」と心に残る「感動」と「感激」を与え、リピーターを増やすことが何よりも大切です。一期一会の心で観光客をおもてなしすることを職場、地域で定着させることも重要です。

2012年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心からお祈りいたします。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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