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今年の夏は大隅地域が熱い~大隅路への旅の誘い~

2012年7月30日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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今年の梅雨明けは例年よりおそくなりましたが、ようやく澄み切った青空に入道雲が現われて、本格的な夏の到来です。朝6時過ぎになると、私の住まいの真向かいにある松林に囲まれた公園から、小学生の元気な声が聞こえてきます。


「全国の皆さんおはようございます。」とラジオから流れるかけ声とともに、付き添いの親や小さな子供まで一斉にラジオ体操が始まります。
私もベランダ越しに子供の動きに合わせて、一緒にラジオ体操をするのが毎朝の日課となっています。子ども達は体操が終わると記録簿にチェックを受け、PTA係の誘導で横断歩道を渡り、家路に急いで帰ります。地域の皆さんの協力体制が、子ども達の朝のラジオ体操を支えていると感じます。

ダグリ岬海水浴場.jpg

我々の小学生のころは、どこの地域でも見られた光景です。集落単位で広場に集まり、先輩がラジオ体操を教えてくれたことが懐かしく思い出されます。最後に記録簿にスタンプを押してもらい、皆勤賞をもらうことが何よりも楽しみでした。

今では集団でこのようなラジオ体操をする姿は珍しくなりましたが、子ども達の夏休みの思い出づくりに役立つものと思います。世間では「いじめ」や「校内暴力」等が話題になっていますが、子供の頃から集団生活の中での規律や支え合う心を育むことは、必要なことと思います。

また、お盆には故郷に帰り先祖の墓に一緒に手を合わせて、先代からずっとつながっている命の大切さを教えることは、貴重な経験にもなります。 夏休みの間事故に遭わないよう、また熱中症に気をつけて元気に過ごして欲しいと願わずにはいられません。

ところで節電の必要性が叫ばれていますが、昔は扇風機もなく夏はどこの家でも蚊帳をつって寝ていました。 夏になると次の歌をいつも思い出します。  

      たらちねの 母がつりたる 青蚊帳を
            すがしといねつ たるみたれども

       長塚節:明治時代の小説家で詩人、長編小説「土」が有名

皆さんは今年の夏の旅行計画は立てられましたか。今年はぜひ、日本の原風景がいたる所に残り、美しい自然や美味しい食材が豊富な大隅路を訪ねて見ませんか。大隅地域は県本土で陸続きでありながら、県民が意外と行ったことがない場所ではないでしょうか。

大隅地域を旅する人が活用して欲しい3つの特典付きプランを紹介します。

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1つは昨年度から引き続き実施している「無料レンタカーでおおすみへ行こう」プランです。指定レンタカー会社で借受手続・料金支払の上、利用申込書を受け取り大隅地域へのドライブがスタートです。3つのブロック(北部・中部・南部)の内2つのブロックのチェックポイントでスタンプを押してもらい、指定宿泊施設で宿泊の翌日に証明をもらい、レンタカー会社に返却する際に利用申込書を提出すると、24時間分のレンタカー料金がキャッシュバックされます。
20のチェックポイントはドライブの行程上、休憩ポイントとして最適の場所にあり、地域の特産品を取り揃えている所もあります。また、Wチャンスとして、抽選で大隅の特産品がプレゼントされます。このプランは、25年の3月31日まで展開されます。

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2つ目のプランは、かごしま宝探し大冒険の旅~'おおすみ'に眠る四秘宝を捜せ!~です。 JR鹿児島中央駅案内所やファミリーマート等で「宝の地図」を手に入れ、宝の地図にある謎を解読して、大隅半島に隠されている宝箱を捜し出します。宝箱に書かれている[キーワード]を発見したら、4箇所ある最寄りの発見報告所に報告すると、正解者の中から抽選で豪華賞品がプレゼントされます。
見つけた[宝箱の数]が多いほど当選対象の商品が増えます。前述の「無料レンタカーでおおすみへ行こう!」プランを利用して家族で参加すれば、当選確立もアップします。9月の30日まで展開されますので、ぜひ今年の夏は「ナゾトキ宝探しゲームin大隅」に家族全員でチャレンジしてください。

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3つ目のプランは、大隅半島の民間と行政が連携して取り組む「Oh!すみっこクラブ」で、大隅一円の観光施設を巡るスタンプラリーです。 同クラブは、大隅半島4市5町の観光協会や観光施設が主体となり、自治体をオブザーバーに5月に結成された団体です。スタンプラリーは、大隅一円の観光地の知名度アップを図る目的で実施されるものです。
スタンプ会場は、かのやばら園、志布志湾大黒イルカランド、道の駅根占等大隅地域の市町推薦の場所17カ所になっています。各観光施設にある自治体ごとに1個押印でき、最高9個を集めると3万円相当の特産品が詰まった「大隅ふるさと箱」に応募できます。この企画も9月30日まで展開されます。

ところで、県と観光連盟では九州新幹線全線開業効果を県内全域にもたらす取組を推進してきましたが、大隅地域の各観光施設は、全国的にはまだ知名度が低く、アクセスの面や、宿泊施設が少ないなど、年間を通して誘客することは現状では厳しい状況です。

大隅地域は、四季折々の美しい草花が咲き乱れる田畑や、森林、太平洋の黒潮に洗われた九州本土最南端の佐多岬や白砂青松の美しい海岸線が南北に伸びる志布志湾、また、大隅半島の河川は、小鮒が泳ぐ清流が多く、日本の原風景がいたる所に残り、小学唱歌の「故郷」や「赤とんぼ」、「夕焼小焼」、「早春賦」などが似合う地域です。 

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また、最近では2010年に「はやぶさ」が7年ぶりに帰還し、それが発射された「内 之浦宇宙空間観測所」が話題となりました。佐多岬から見る開聞岳や種子島・屋久島、硫黄島等の景観は、見応えがあります。「かのやばら園」は今年の4月イングリッシュガーデンとしてリニュアルオープンしました。

志布志市に隣接し串間市高松の海岸沿いにオープンした「志布志湾大黒イルカランド」は、話題の人気スポットであり、また、近くのダグリ岬には遠浅の美しい海水浴場もあります。夏休みに子供を連れてぜひ訪ねたい場所です。

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大隅半島は、豊かな自然、美味しい食材などが豊富にあり、「道の駅」や「農家レストラン」、「農家・漁協直売所」も充実しています。各種の特典プランを利用して、今年の夏は大隅地域へ家族で出かけませんか。


参考:無料レンタカーでおおすみへ行こう:企画部交通政策課
かごしま宝探し大冒険の旅:観光かごしま大キャンペーン推進協議会

鹿児島に若者を呼ぶキーワードは~鹿児島カレッジに期待する~

2012年7月23日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

九州新幹線全線開業で多くの観光客が鹿児島を訪れていますが、主流はシニア層であり、 しかも女性のグループが多いのが特徴です。最近若者の「車離れ」「酒離れ」「ゴルフ離れ」「スキー離れ」等の声を聞きますが、「若者の旅行離れ」も例外ではありません。

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かつて旅行需要を牽引してきた若者世代に意識の変化がおきているのではないでしょうか。我々の学生の頃は、アルバイトでの資金を元に、北海道や離島に行くことが何よりも楽しみでした。また、就職してもGWや休日を利用して旅行に出かけることも良くありました。

ところで1960年代までの日本では、男性が中心の団体型慰安旅行が盛んで、温泉地は賑わい、また、中高年が主体の神社・仏閣の見学ツアーも多く見られました。

しかし1970年代中期から1980年代にかけて、ファッション雑誌(an・anやNon・no)やガイドブックを片手にひとり旅や少人数で旅行する若い女性が増え、「アンノン族」と呼ばれました。旅行の主役として女性客が重視される最初の契機となった現象です。大学生(女子大生)から若いOLの、18・19歳から20代の年頃の女性でした。

当時のJR(旧国鉄)のキャンペーンと同時進行的に始まった「アンノン族現象」は、従来の旅行とはまったく異なる旅行スタイルであり、歌手山口百恵を起用した「いい日旅たち」のコマーシャルソングも大ヒットしました。(1978年にリリースされた曲)

          「いい日旅立ち」  谷村新司作詞・作曲

  雪解け間近の 北の空に向かい 過ぎ去りし日々の夢を 叫ぶとき
  帰らぬ人たち 熱い胸をよぎる せめて今日から一人きり 旅に出る
   ああ 日本のどこかに 私を待ってる 人がいる
  いい日旅立ち 夕焼けを探しに  母の背中で聞いた 歌を道連れに
   ああ 日本のどこかに 私を待ってる 人がいる
  いい日旅立ち  幸せを探しに  子供の頃に歌った 歌を道連れに

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日本各地に残る小京都(角館、飛騨高山、金沢、妻籠・馬込宿、萩、津和野等)に女性客が訪れるようになり、旅先では、名所旧跡を駈足で巡るのではなく、地域の美味しい食べ物(郷土料理や菓子)を食べ、温泉に入る等癒しをテーマとした旅でした。 アンノン族現象に示されたように、女性客を呼び込むことが観光地の発展につながることが認識され始めました。

ところで、最近の若者は携帯電話やパソコンの購入などにお金をかける比重が高くなり、 生活に余裕のないこともありますが、旅行に対してのニーズはあるものの、旅行に行く回数は減少しています。

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総務省が公表した「2011年の社会生活基本調査」の結果によると、過去1年間に旅行をした10歳以上の国民の割合は。73.2%で、前回06年の調査から3.0%低下しています。旅行経験割合で見ると女性が75.3%で、男性より4.2ポイント高くなっています。国内旅行は1986年、海外旅行は96年をピークに減少しています。

業界の調査でも、若者の旅行離れは同様です。こうした世代が増えると、将来観光地や温泉地は衰退していく可能性があり、若者の旅行離れを現実として受け止め、「どのようにしたら若者の関心を惹きつけ、地域に誘客できるか」具体的対策を考える必要に迫られています。旅行することが若者の日々の行動の選択肢に入っていないことは、残念なことです。

社会人に成り立ての20代が「休みが取りにくい」「資金的な余裕がない」ことは納得できます。このため、経済的・時間的拘束から「友人との付き合いや趣味を楽しむことで日々を過ごす」ことに価値を置いているのではないでしょうか。これらの阻害的要因を解決し、高い満足を得られる観光地になれば、旅行先として選択される可能性があります。

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現在の若者は、今の中高年世代の当時に比べると、子供のころから観光旅行の機会は多く経験しています。旅行は好きだけれども、時間とお金の余裕があれば出かけるが、生活の中で旅行が特別のものではなくなっています。さらに旅行への意識が「どこに旅行に行くか」もさることながら、「誰とどういう時間を過ごすか、その選択肢として旅行がある」という意識が高まっていると思います。

(株)ツーリズム・マーケティング研究所が、20代の女性の旅行意識調査を1997年と10年後の2007年に実施しています。それによると「1年に1回は旅行をしなければ気がすまない」と「旅行をしない年があっても気にならない」の問いに対して、1997年の調査では旅行への執着心が強く、10年後の調査では旅行への関心が無い層が増加しています。

「誰と行くかよりも、どこへ行くかを優先する」と「どこへ行くかよりも、誰と行くかを優先する」項目では、1997年の調査では行先を優先していましたが、後の調査では誰と行くかが2倍以上に増加しており、同行の有無で旅行動機が左右されることが示されています。

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今の若者にとって旅行とは、身の回りにあふれる数々の娯楽のうちの一つに過ぎず、「どこに行くのか」よりも、最も関心を引くのは、「旅先で何をするのか」であり、「旅のきっかけづくり」が重要になっています。

また、じゃらんリサーチセンターが20~24才の独身有識者を対象に行った調査(2009年3月)によると、最近1年間に実施した旅行の同行者は「友人」「恋人」「家族」「ひとり」と続いています。男子では、3割強が「ひとりで」「家族と」旅行を実施しており、「会社の同僚」を上回っています。また、女子の1位は「友人」で以下「家族」「恋人」が続いています。同行者が旅行の実施に影響を与えています。

ところで、今年の9月「観光かごしま大キャンペーン推進協議会」では、若年層の旅行意欲の喚起を図るため、JR西日本とタイアップし、関西・中国エリアの大学生が県内各地で様々な体験を通して交流を深め、おもてなしの心を知ってもらい、本県の魅力を若者の視点で情報発信するプログラム「鹿児島カレッジ」を展開します。

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関西・中国地区の6大学約60名の学生が鹿児島を訪れます。6斑に別れて8エリアを訪ね、体験を通して若者の視点で情報発信し、また旅行プランの企画提案を行うものです。

「鹿児島カレッジ」のポイントは
 ①鹿児島の人々との交流を通じて、旅のすばらしさを経験してもらう。
 ②地元を巻き込んだコミュニケーションづくりを行う。
 ③学生の企画をJRおでかけネット等(JR西日本媒体)で広く告知する
 ことです。

情報発信ツールとしては、facebookページを活用し、学生の友達への旅行需要を高め、交流の様子を一般ユーザーにも見てもらい、旅行喚起を図ることも大きな目的のひとつです。冒頭に述べたように、若者の旅行に対する意識は高いものの、そのきっかけづくりが大事であり、今回の企画がそれを可能ならしめる機会になるのではないでしょうか。

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鹿児島は南北600キロに及び、多彩な自然、歴史、温泉、本物の食材は学生たちを魅了するものと思います。 特に女性は、「美」、「食」、「健康」、「本物」、「限定」、「パワースポット」といったものに関心があります。鹿児島ならではのオンリーワンの体験メニューの提供が欠かせません。 

国内旅行は成熟しており、日本の原風景が至る所に残る鹿児島県は、参加者に新鮮に映るのではないでしょうか。「日本の中に鹿児島県があって良かったと」という印象を持って帰っていただき、県民も一期一会の心で迎えたいものです。

参考:ツーリズムマーケティング研究所:週刊東洋経済:じゃらんリサーチセンター:ウィキペディア 

九州農業白書から見る ~鹿児島の農・水産業を活かす取組~

2011年7月17日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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2011年度九州食料・農業・農村情勢報告書(九州農業白書)が、公表されました。 白書によると、九州7県で農家民宿を営む経営体(許可を取得している施設)は、2010年時点で309を数え、5年前から約2.7倍に増加し、農産物の直売所は約1.3倍、農家レストランは約1.5倍にそれぞれ増加しています。そして、受入対象は従来の一般の個人客から、学生を中心とした教育旅行の団体客に移りつつあります。


一般消費者と農家民宿実践者へのアンケートも実施しており、「余暇(休日)を過ごす場所(訪れる場所)としての農山漁村の魅力」については、9割の人が魅力を感じていますが、「余暇を過ごす目的での農山漁村訪問の経験」は6割にとどまっており、行きたいけれども意外と行く機会に恵まれていない人が多いことがあげられます。

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また、「農山漁村を訪れる主な目的」では、「直売所での買物」と「自然や美しい景観を楽しむ」が8割近くになっていますが、「農家民宿などでの宿泊」、「農林漁業の体験」は、1割にとどまっており、実際の体験者が少ないことも指摘しています。


農山漁村を訪れた時に困ったことは、「交通機関が充実していなくて不便」や「予約するのが大変」、「予想とイメージが違う」ことなどをあげており、情報発信の在り方が問われています。機会があれば農山漁村に行き、直売所での買い物もしたいという潜在的需要が高くなっているのは事実です。一方では、情報発信や都市と農村との交流を仲立ちするコーディネーターの確保が求められています。

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初めて農業体験する人の中には、植え付けをした後の日々の管理は農家に委託し、収穫作業を楽しみにするなどレジャー感覚で取り組んでいる人もいます。 また、地域によっては、宿泊施設と連携し宿泊した翌日に農業体験のメニューを設け、採れたての食材で昼食を提供したり、地元産品を購入できる機会をつくるなどの取組を行っている地域もあります。

若い頃農業を経験した県民が多く、あらためて農家に泊まる需要は限られると判断しており、県内の人に対しては、日帰体験が得策と考えます。都市圏の人に対しては農家民泊がお勧めです。それを可能にするため地域の自然、歴史、温泉、食、特産品、伝統文化等'地域力'のアップが不可欠であり、滞在して飽きない場所になることが求められます。

今、農業に関心を持つ人が増え、産地直売の安全・安心の食材を求める背景には、次のような点があげられます。BSE問題、牛肉偽装事件、中国産の食品に農薬の混入、鳥インフルエンザ、口蹄疫、東日本大震災が発生し福島原発による放射能汚染など食にかかわる事件が頻発していることが、食の安全性に対する意識の高さに表れています。

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今、旅の途中に気軽に立ち寄れる「道の駅」が注目されていますが、道の駅の食材は、生産者の顔が見えることが購買者の心を捉えており、作り手の熱意が感じられ一層親近感を覚えるのではと感じます。顧客は、最初はツアー等で店の存在を知り、その後日常の顧客になっている場合が多くなっています。

一方、スーパーでは、規格外の食材は販売されず、今までほとんど廃棄処分でしたが、道の駅では売られており、農家の生産意欲向上にもつながっています。

「道の駅」の中でも、レストランと農産物直売所の両方を兼ね備えている店舗が人気で、店舗周辺の川や田畑を活用することで景観に配慮し、観光客が立ち寄りたくなる雰囲気づくりに努めています。特産品を加工した調味料なども販売することで、地域色を出し販売に繋げている店舗や、定期的なメニューの入れ替えに、農家の意見を反映させるなど、地域全体に波及効果をもたらす取組を展開している店もあります。

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現在、県内には農産物直売所が170店舗あり、地域、店舗の競争も激しくなっています。(24年2月1日現在)顧客に選ばれる店舗になるためには、地域を感じるこだわり商品の開発、旬な情報の発信、一番採りでオンリーワンの農産物の提供などが人を惹きつけます。「地域のブランド力構築」、「コンセプトの認知度」を高めることが重要であり、そのことがリピート客の拡大に繫がります。

ところで、旅行形態が団体旅行から個人旅行に加速する中で、学校現場のニーズは、「ふれあい・本物体験」であり、農漁業体験と民泊が教育旅行の主流となってきています。 県内では民泊を受け入れる家庭が900軒を超え九州一であり、しかも県内全域に広がっているのが特徴です。

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垂水漁港での「漁業体験」は、他県に同様な環境施設が少なく、鹿児島への誘客の大きな柱となっています。教育旅行は、「一度に多くの生徒が動く」、「予約が遅くても1年前」、「平日に動く」、「取消が少なく継続する」ことなど、前広な計画が立てやすく、受け入れ家庭のメリットも大きいことです。

鹿児島県は全国第4位の農業県で、気候が温暖で1年中どこかで農産物が収穫され、体験メニューの豊富さ、受入家庭のおもてなし等他県に負けない環境が揃っています。

九州新幹線全線開業で時間短縮効果もあり、関西・中国地域からの誘客がより可能となっています。平成23年度には、県外から1万1千人を超える学生の民泊の実績があり、24年度は1万3千人で、25年度はさらに予約者が増加しています。農業・漁業の生産現場での様々な体験学習が、鹿児島への教育旅行の定着につながります。

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最後に、鹿児島市の喜入町に今年の秋農業公園が開設され、レストランが併設されます。教育旅行も大いに誘致して欲しいと思います。鹿児島市民60万人も応援団となり、産品の定期購入者となることで持続的な運営が可能となります。
観光と農業が連携することで、農村と都市の交流の機会が活発となり、活力ある地域づくりの一翼を担うことができるのではないでしょうか。

参考:九州農業白書:かごしまの農産物直売所ガイドブック

霧島連山登山復活に期待する

2012年7月9日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

霧島連山の新燃岳は、2011年1月26日大きな噴火をし、その後小規模の噴火を繰り返していましたが、現在は火山性地震も少なくなっています。これまで新燃岳火口から3kmの範囲で立入規制区域となっていました。

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鹿児島地方気象台は、6月26日霧島連山・新燃岳の警戒範囲を3キロから2キロに縮小することを発表しました。噴火警戒レベル3(入山規制)は継続されています。警戒範囲縮小は約1年3か月ぶりで、関係者は霧島連山の登山復活に大きな期待を寄せています。


噴火以来、宮崎県の高原町や都城市一帯に降灰があり、地域住民に大変厳しい生活を強いてきました。新燃岳噴火当時は連日マスメディアで報道されて、霧島温泉では、宿泊のキャンセルが相次ぎました。

また、韓国のお客様に人気のあるトレッキング、ゴルフ等のツアー等が相次いでキャンセルとなったことも大きな痛手でした。観光は多くの分野に波及効果があることから、地域経済にも大きな影響を与えたことも紛れもない事実です。

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しかし、観光客が落ち込んだ時期に、霧島温泉地域では、おもてなしセミナーや接遇研修等を実施したこともあり、「じゃらん人気温泉地ランキング2012」では、「温泉地満足度第一位」に選ばれるなど、地域ぐるみのおもてなしが評価されています。 霧島温泉は、その後九州新幹線の全線開業効果もあり、昨年の8月からは回復基調となっています。

ところで、鹿児島を訪れた観光客は2泊以上する人が多く、今回の警戒範囲の縮小は、鹿児島県全体にとっても大きなプラス効果をもたらすものと期待しています。
従来霧島連山には、春は「ミヤマキリシマ」、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霧氷と四季それぞれの魅力があり、多くの登山客やトレッキング客が毎年訪れており、再開が待たれていました。

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特にこれまで新燃岳の火口近くを通り、縦走する登山者が多く見られました。今回の警戒範囲縮小でも新燃岳の近くまでは行けませんが、韓国岳から望める新燃岳の火口の変化に興味があります。一日も早く見たいというのが皆さんの気持ちと思います。


小生も、2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の霧島のロケの折、福山雅治さんやおりょう役の真木よう子さんと一緒に撮影隊の補助として高千穂峰に登山しましたが、その後降登っていません。一日も早く山の変化を見たい心境です。

また、山の開放を心待ちしているのは、日本人だけではなく韓国の人々も同じだと思います。新燃岳噴火、東日本大震災と原発事故、円高等が重なり、鹿児島を訪れる外国人は昨年1月から激減していました。

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しかし台湾や香港からの観光客は、回復基調にありますが、鹿児島を訪れる外国人の5割を占める韓国人が戻っていません。その意味でも今回の警戒範囲の縮小は朗報です。皆様も韓国の友人に、今回の経過をぜひ伝えていただき一日も早く霧島に来ていただくよう要請していただきたいと願うばかりです。
新幹線が全線開業し、好調を維持している鹿児島の観光にとって一番の課題は、新燃岳の噴火がおさまる事でした。夏休みという最大の需要がある時期に、登山が可能になることは何よりも嬉しいことです。

噴火予知連の見解を受けて霧島市は27日、「新燃岳火山活動に対する情報共有会議」を開催し、今後の対応を話し合い、立ち入り規制の看板、ロ-プを設置し直すことや、登山道の安全対策等を早急に進めることを確認しています。
鹿児島県と宮崎県は、近く国や市町と登山道を現地調査して安全確認や整備を実施し、規制解除の範囲などを検討し、7月下旬には開放する方針です。

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旅行エージェントは、全国にネットワークがあり、迅速に情報を伝達できる強みがあります。これまで地元支店と連携して情報収集を行い、定期的にイントラで社内での情報発信に努めていただきました。しかし警戒範囲が縮小されたことが発表されても、集客がスムーズに行くまでは時間がかかります。
夏休みの旅行エージェントの商品もほぼ出揃い、店頭に並んでいますが、霧島山の登山開放の際はPRをぜひお願いしたいと思います。 また、社員研修を実施し、霧島地域の実情を見て販売につなげていく機会を作って欲しいと思います。

県、観光連盟では、新燃岳火山状況、降灰、道路状況、登山、イベントの開催状況等について、関係者と連絡を取りながら、ホームページで適宜発表しています。今回も早速ホームページで第一報を掲示しました。県民の皆さんも、開放日が決まったら霧島山へ出かけていただき、新しい霧島の魅力を県外の方々に伝えて欲しいと思います。

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九州新幹線の全線開業という100年に一度のビッグイベントは、鹿児島に大きな変化をもたらしていますが、全線開業効果の勢いにも陰りが感じられます。 今度は、霧島連山・新燃岳の警戒範囲縮小を新たな需要の掘り起こしに結び付けなければなりません。新燃岳にできた新しい山の形は、霧島の名所になることは疑いのないことです。
霧島地域は世界ジオパークの認定を目指して、地域で様々な取組を推進しています。  皆さんもぜひ家族で登山し、変化した霧島の山の姿を確認しませんか。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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