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「第5回かごしま観光人材育成塾」を終えて~塾生のこれからの活躍に期待する~

2012年12月3日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

師走に入り、街角ではクリスマス飾りも賑やかとなり、また、鹿児島市役所前のみなと大通公園のイルミネーションの灯りに誘われて、行き交う人も楽しそうです。衆議院選挙が予定され、街は忙しさに拍車がかかるのではないでしょうか。

県内では、佐多岬公園が無料化され、大隅地域への観光客が増えており、また従来無名であった頴娃町の「釜蓋神社」、「タツノオトシゴハウス」などにも観光客が訪れています。一方、開業効果で急激に観光客が増えてサービスが追いつかず、顧客からの不満が寄せられた地域もありましたが、地域ぐるみの「あらたなおもてなし」の取組をスタートさせ成果が実りつつあります。

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これから地域の観光を担う人材育成を目指し、「第5回かごしま人材育成塾」が開催され、「地域づくりやJRとタイアップした商品づくり」、「グリーンツーリズムと食の魅力づくり」、「外国人受入の態勢づくり」、「顧客管理とおもてなし」、「地域資源の開発」、など、今後取り組むべき課題等について7つの講座を実施しました。

最初に県観光課の本課長から「鹿児島県における観光の現状と取組」について、6月以降宿泊客が前年を割り込むなど新幹線効果に陰りが見えていますが、クルーズ船の寄港や教育旅行、スポーツ合宿が順調に推移していることの説明がありました。また、24年度の観光PR関係の主な施策、アジアの時代を迎えて鹿児島の可能性について、詳しい内容の説明があり、受講者は鹿児島の観光の現状が理解できたのではないかと思います。

講座の内容について簡単に報告いたします。
第1講座は、九州旅客鉄道株式会社鹿児島支社長の松本喜代孝氏が、「JR九州の概要と今後の取組について」講演しました。支社長は鹿児島に赴任以来、精力的に県内を廻っておりその感想として、「市内の銭湯は温泉である」、「お墓にいつも生花が耐えない先祖崇拝の文化が残る」、「大隅地域には日本の原風景がいたるところに残っている」、「美しい渓谷や水が豊富」など、県民がもっと鹿児島の魅力をPRする必要があると語りました。

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また博多から鹿児島中央駅まで最速1時間17分となり、時間短縮効果が図られ、観光列車も好調に推移しており、地域はもっと駅を活用したイベントや誘客に努めて欲しいと語りました。また、2013年10月から運行される九州一周寝台列車「ななつ星in九州」は、鹿児島への運行も決まり予約は順調に推移しています。一度は乗ってみたい列車です。

第2講座は、郷土の家庭料理「ひまわり亭」を経営している本田節さんが「食資源を活かした交流によるまちづくり」について講演しました。 本田さんは、人吉市で郷土料理伝承塾を主宰しており、食文化の研究にも熱意を注いでいます。

地域づくりは、ふるさとに自信を持つ人を育てることであり、特にまちづくりには、Star(人)、Story(物語性)、Service(おもてなし)、Special(差別化)、Surprise(わくわく、驚き)、Smile(笑顔)、Small Bisiness(地域への経済効果)、Social Bisiness(社会貢献)の8つのSが求められる。地元食材にこだわり、安全・安心を追求し、地域に経済が循環することが地域の発展につながると語っています。 また、「日本食文化の世界無形文化遺産」の登録にむけての運動の必要性も語りました。

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最後に行政への批判を言っても始まらない。むしろ行政と協調してそれぞれの役割分担を強化することが必要と語りました。 本田さんは、年100回を超える講演活動で全国を飛び回っている元気なお母さんですが、日頃は朝早くから、梅干やラッキョウ漬けに自ら取り組まれています。

レストランは開店と同時にお客さんが埋まるなど、その人気は驚くばかりです。常にチャレンジ精神を持って、全力で生きていらっしゃるパワフルな本田社長の講演でした。

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第3講座は、香港エバーグロスツアーズ 代表取締役社長 袁 文英氏で、「香港からみた鹿児島のインバウンド」でした。GLツアーズの日本向けの送客数は、香港の業界でそのシェアはNO1です。今年の7月15日から8月30日にかけて実施した香港から鹿児島への22回の連続チャーターでは、2,892人の送客がありました。

また、事業規模が拡大する中でも、常に社員を大切にされ、お客様の視点での経営を貫いています。社会貢献活動にも積極的に取り組まれており、東日本大震災では多額の寄付をされました。

「おもてなしの極意」について、サプライズの提供をどこで行うかそのタイミングの重要性を認識しました。また、個人旅行が増える中で、客室のあり方、常に温かい食事の提供、館内表示は絵が解りやすい等、ホテル・旅館の受入体制についての示唆に富んだ講義でした。

第4講座は、東京港区芝にある「セレスティンホテル」の取締役総支配人の若林正雄氏が、「薩摩とセレスティンホテルの歴史的・文化的つながりと心に残るおもてなし」について講演しました。

ホテルのある芝・三田エリアは、「ビジネス」・「文化」・「教育」の拠点で、週末は人通りも少なく、立地条件に恵まれているとはいえません。所在地のある芝3丁目は、旧薩摩藩屋敷跡という由緒ある場所で、食材に鹿児島産のお茶や黒牛、黒豚などを使ったメニューの提供を行い、ホテル周辺住民にもその人気が定着しており、フェア等を定期的に開催するなど、顧客にも細かい情報発信に努めています。

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リピーター率が60%、年間稼働率が90%を超えるまでになったその取組の一端を披露しましたが、特に女性と外国人の誘客に力をそそいでいます。おもてなしの極意として、お客様から言われる前にする、無いものは探す、常にお客様の声に耳を傾け、実践することなど、常にお客様目線の経営姿勢が人気の源となっていると感じます。

ホテルは感動を与える場所であり、それをいかに実践できるかにかかっている言う言葉が印象的でした。首都圏での厳しいホテル戦争を勝ち抜くため、顧客をいかに大事にしているかその戦略が理解できた講座でした。

第5講座は、南国殖産(株)取締役執行役員都市開発事業部長・企画部長の今村浩氏が、「『かごっまふるさと屋台村』など鹿児島中央駅東口開発について」講演しました。

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4月26日に鹿児島中央駅東口近くのホテルの跡地にオープンした「かごっまふるさと屋台村」は、目標の30万人を半年で達成しました。また、相乗効果で、南国センタービルや鹿児島中央ターミナルビルにも多くの人が訪れています。この事業を進められた南国殖産グループの「地域の発展なくして企業の発展はない」という企業精神が冒頭に語られ感銘を受けました。

屋台村は、鹿児島の産品の情報発信基地であり、中心市街地の活性化、観光かごしまのおもてなしの拠点、企業家の育成等を設置目的にしています。また、店舗代表者による問題提起やコミユニケーションの場づくり、新たなイベント作りに知恵を絞っており、そのことが各店舗の緊張感をもたらし、お店が順調に推移している要因ではないかと思います。鹿児島の食材にこだわり、そこに行けば鹿児島に会えるというコンセプトが誘引効果を高めていると感じます。

一方九州新幹線全線開業で、鹿児島中央駅前一番街の再開発や交通混雑の解消など新たな課題にも直面していますが、将来を見据えた東口開発の構想の一部が語られました。その中心メンバーとしてこれからの今村様の活躍が期待されます。鹿児島中央駅東口の将来の姿が楽しみです。

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第6講座は、垂水千本イチョウ代表 中馬吉昭氏が、「垂水千本イチョウに育てるまで」について講演しました。中馬さんは、東京でのサラリーマン生活を切り上げて垂水の地で、30年前から夫婦2人で育ててきたのが、今の千本イチョウです。

帰省後地域の疲弊に危機感を感じた中馬さんは、ふるさとの山に多くの果樹や木々を植栽し、また「道の駅たるみず」では、オープン当初出展者の代表を務めるなどその礎を築かれました。「大隅よかとこ博覧会」では、中心メンバーとして、着地型観光メニューの開発に取り組み、多くの参加者を集めました。

千本イチョウ園の一般への開放に当たっては、「第1回かごしま観光人材育成塾」に塾生として参加したことがきっかけとなったと話しました。今では多くのメディアでの発信効果もあり、昨年の黄葉の時期には、昼食場所を求めて観光客が詰め掛け、垂水市の飲食店が満杯になりました。鹿児島県の第1回景観大賞も受賞しています。

今年の見頃は、例年より早く12月の上旬であり、垂水港からシャトルバスの運行も予定されています。30年間イチョウづくりに懸けた熱い思いが感動を呼びました。

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第7講座は、観光養殖場「タツノオトシゴハウス」のオーナー加藤潤氏でした。加藤氏は、埼玉からのIターン者で「NPO法人頴娃おこそ会」のメンバーとして、よそ者視点での、地域素材の発掘に取組んでいます。タツノオトシゴは、オスが出産するという珍しい生物で、しかも夫婦仲が良いことから、施設には若いカップルや熟年の女性が多く訪れています。

頴娃町はこれまで、観光というイメージとはほど遠い地域でしたが、「タツノオトシゴハウス」、「釜蓋神社」、「番所鼻公園」の人気定着は、新しい観光ルートの開発につながったといえます。おこそ会では、今大野岳、番所鼻公園から釜蓋神社までの海岸ルートの歩道、石垣地域のまち歩き等の整備を課題としてあげており、「県の魅力ある観光地づくり」等の事業にも積極的に応募しています。地域づくりは点から線、線から面への広がりが重要であり、その手法を学ぶ良い機会になりました。 

どの講師の方々も、経験とそれに裏打ちされた講演は、塾生の皆さんに心深く伝わり、これからの活動に必ず役立つと信じます。また、夜学塾は、参加者同志や講師陣とのコミニユケーションの場となりました。

これからの地域づくりについては、下記の視点で取組んで欲しいと思います。
・地域資源を点検し、ストーリーを磨くことが重要であり、オンリーワンの素材を売り出す。誘客に当たっては、近隣市町村、鹿児島市をまずターゲットとする。
・地域にないもの(宿泊や休憩施設)をカバーするには、他地域と連携しPRすることで誘客が可能となる。広域の観光ルート設定や情報発信が必要
・メディアに積極的に情報を提供し、着地型メニューなどは体験して取材してもらう。外国人、子供、女性、老人が主役のイベントの創出が不可欠
・地域の食材を活用した安全・安心のメニューの提供。地域を感じる産品の開発を優先
・消費の主役は女性であり、女性を対象としたマーケティングが必要
・道の駅や農家直売所を充実させ、都会からの応援団を確保する。
・おもてなしの心の醸成し地域あげての取組が必要
・地域を愛し、自ら汗をかく人をどれだけ育てられるかが重要
・地域をまとめるリーダーを育てる環境が必要

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今まで人材育成塾を受講した方の多くが、それぞれの地域で頑張っていることは、鹿児島の観光にとって大きな財産となっています。この講座で学んだ人が地域で自ら汗をかき、ネットワークを構築し、地域活性化に努力されることを期待します。

南九州市頴娃地域が今熱い ~他地域との連携で誘客の促進を~

2012年11月26日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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今、鹿児島を代表するパワースポットとして多くの参拝客が訪れているのが、南九州市頴娃町にある釜蓋神社で、正式名称は射楯浜主神社となっています。頭の上に釜蓋を乗せて鳥居から賽銭箱までの約10mを歩ききったら願いが叶うというユニークな願掛けが人気となり、勝負・武の神を祀ることからスポーツ選手も多く参拝しています。

この神社が有名になったのは、テレビ番組の「ナニコレ珍百景」で紹介されたのが始まりです。その後ロンドンオリンピックの女子サッカーチーム「なでしこジャパン」の福元選手が、ゴールキーパーとしてシユートをことごとく防いだのは、この神社に参拝したご利益のおかげとのスポーツ紙の報道もあり、一気にその人気に火が付きました。

今では、サッカーの中村俊輔や澤ほまれなどのプロスポーツ選手や、県内外のスポーツ団体の参拝がたえません。旅行エージェントの企画にも取り上げられ、今秋から週末には指宿観光協会が、唐船峡と釜蓋神社を巡る着地型のバスツアーを始めました。海に突き出た場所にある朱塗りの神社の両岸は、白波が押し寄せ旅情をかきたてます。

3年前まではほとんど無名に近かった釜蓋神社が、多くの参拝客を呼ぶようになったのは、神社のストーリーとともに珍しい参拝スタイルが、メディアで取り上げられたことが大きいと思います。皆様の地元でも地域に眠る観光素材を点検し、ストーリーを語ることで新しい魅力が生まれるのではないでしょうか。

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また、釜蓋神社から5分の所にある「タツノオトシゴハウス」も注目の施設です。 頴娃町の海にはタツノオトシゴが生息していますが、この施設は国内唯一の専業養殖場で、養殖出荷量は日本一となっています。 竜の容貌を持ち、夫婦仲がよく、オスが子供を身ごもるという珍しい生物で、そのことが観光客の話題となり、「タツ年」である今年は、月平均4000名を超える観光客が訪れており、無料で公開しています。

タツノオトシゴは、「幸運、健康、恋愛成就&夫婦円満、子宝、安産」のシンボルで、一度に1000匹の子供を生みます。施設では、Iターン者で代表の加藤潤さんが、映像を通しての出産シーンや、生簀の中で生き生きと動き回るタツノオトシゴの生態を詳しく説明してくれます。オンリーワンの施設で、オスが出産するというストーリーが観光客の人気の秘密ではないかと思います。

小生が訪れたとき、若いカップルや熟年の女性グループが、加藤さんのユーモアあふれる説明に笑い声が起こっていました。釜蓋神社までの海岸散策ルートの整備が急がれます。

すぐ近くにある番所鼻自然公園も見所の一つです。「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳から昇る日の出は特にすばらしい。

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江戸時代に日本全国を歩いて測量し日本地図を作った伊能忠敬が、『けだし 天下の絶景なり』と、日本一の絶景として称賛した場所で、元内閣総理大臣の鳩山一郎氏の揮毫による伊能忠敬の石碑が建てられています。海を見下ろす場所に、「幸福の鐘(吉鐘)」があり、下にはタツノオトシゴをモチーフにしたハート型のかわいいオブジェも作られています。

訪れる人が鳴らす鐘の音に、散策している人の足も一時止まります。絶景の地に立つ「いせえび荘」で、開聞岳の雄姿を眺めながら味わう「いせえび料理」も格別です。ぜひお尋ねください。

360度のパノラマが広がる標高466mの大野岳も、見ごたえがあります。自動車で頂上付近まで登ることができ、展望台までの茶寿と呼ばれる108の階段には、還暦や喜寿、米寿などの記載があり、楽しみながら登れる場所です。東シナ海、桜島、佐多岬を一望でき、空気が澄んでいると遠くに種子島、屋久島、硫黄島を望むことができ、四季折々の展望が楽しめます。  課題としては、大野岳までの案内標識やトイレの整備が急がれます。

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ところで、頴娃町は従来知覧や指宿、坊津に抜ける通過の場所に過ぎず、番所鼻に食事に来る人しか目だった観光客はいませんでした。 頴娃の活性化には観光地づくりが必要と考え、業種や、官民の枠を超えた組織が結成されています。今地域一体での魅力発信に取組んでいるのが、「NPO法人頴娃おこそ会」のメンバーです。

いせえび荘の西村社長やタツノオトシゴハウスの加藤潤さんを始め、地域の若者から年配者まで集まり定期的に会合を開き、地域づくりの勉強会や先進地視察を行っています。

これからは、指宿、知覧、坊津に行く途中、立ち寄りたくなる地域になって欲しいと思います。頴娃町は温暖で県下屈指のお茶・花の産地であり、これを活用した地域ならではの特産品作りが求められます。宿泊施設が少ない中で、滞留人口を増やすことが地域経済の発展には不可欠です。 これから活力のある地域や商店街になるには、食の魅力が求められます。

釜蓋神社、タツノオツシゴハウス、番所鼻自然公園、大野岳に続く地域の観光素材の掘り起こしが望まれます。指宿枕崎線沿線は自然の原風景が残り、無人駅を活用した列車とバスを組み合わせたツアーも魅力があります。

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頴娃の茶畑は美しく、農道も整備されドライブにも最適であり、途中に美味しいお茶を飲む休憩施設や体験メニューの充実も急がれます。冬の風物詩「大根やぐら」もまもなく見られますが、やぐらのライトアップも一度試してみたらどうだろうか。


1月には、「いぶすきなのはなマラソン」と、「なのはなマーチ」の2大イベントが開催されます。イベントに参加されたお客様を頴娃地域に誘客することも可能です。

ところで頴娃地域から30分あまりの場所には、坊津があります。 坊津は、梅崎春生が自分の軍隊生活の経験をもとに、小説「桜島」の舞台として取り上げた場所で往昔、遣唐使が船出したところでもあります。また、遺作となった「幻化」でも美しい坊津の景観と人々の暮らしが描かれています。

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かつて、日本三津とうたわれ、古来から仏教文化が伝来して栄え、また中世から続いた交易港として多くの船が出入りしました。坊泊小学校の近くの高台にある「上人墓地」は四角形の珍しい墓であり、南北朝時代から明治維新までの勅願寺一乗院の歴代住職の墓所となっています。仁王像や石垣が残り当時の栄華を伝えています。

「輝津館(きしんかん)は、中国や琉球の交易の軌跡、一乗院を中心とした坊津の仏教文化や漁に関する民族資料など、坊津の歴史を語るものが展示されています。

坊津は、酒造メーカーのCMの舞台に、また、ショーン・コネリー、丹波哲郎、浜美枝が共演した「007は二度死ぬ」ではロケ地になり、秋目の鑑真和上上陸記念碑近くの駐車場に「007撮影記念碑」が建立されています。坊津には旅情をかきたてる場所が多く残っています。また、ゆっくりと歩きながらいにしえ人の行き交った石畳や、石垣が残る路地を巡るのも坊津を知る一つの方法と思います 

頴娃町は、鹿児島市から知覧、指宿のルートに加え、坊津に出かける人の休憩地点としての位置づけができます。観光客に境界はなく、知名度の高い地域とも連携し、ルートのPRも誘客には得策です。

頴娃町の恵まれた地理的条件を活かし、立ち寄りたくなる地域としての更なるブラッシュアップが求められます。 地域の皆様のご活躍に期待します。

「かごっまふるさと屋台村」の来場者30万人達成を祝す~そこは、日常のかごしまに会える場所であり続けたい~

2012年11月19日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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九州新幹線全線開業から1年9か月が経過しましたが、宿泊者の実績で見ると今年の6月から前年を下回り一服感が見られるのも事実です。一昨年の実績と比較すると上回っていますが、大幅に伸びていた関西以西からの宿泊客が鈍化しており、これから格段のPRと誘客対策が求められています。

ところで鹿児島中央駅前に4月に誕生した「かごっまふるさと屋台村」が、10月末で年間目標の30万人を突破しました。半年間での目標達成であり、関係者の努力に敬意を表します。

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「かごっまふるさと屋台村」は、25軒の個性あふれる屋台と1軒の焼酎専門店が軒を並べます。それぞれの店は小規模で8席しかなく、隣席の方とすぐに仲良くなれるなど家族的な雰囲気が味わえるのが特徴です。

また、鹿児島の旬の食材を活かしたこだわりの料理と焼酎をリーズナブルな価格で提供しており、鹿児島の食文化を堪能できる場所としての魅力が浸透しています。 現在屋台村は全国にできていますが、震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市にも「復興屋台村 気仙沼横丁」がオープンし話題となっています。

屋台村の盛況の要因と今後の課題等について述べてみたいと思います。
まず屋台村は、鹿児島中央駅に近くてアクセスに恵まれ、出張のビジネスマンの時間つぶしや帰りがけのサラリーマンにとって便利な場所にあることです。また、電車通りに面しており宣伝効果は抜群で、レトロ調の入口とあわせて、のれんをくぐってみたいという気持ちに駆り立てられます。

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特に地産地消を中心とした地元食材にこだわっていることが人気の要因です。 10月5日から31日まで秋の大収穫祭と銘打ってイベントが開催されました。南さつま市、鹿屋市、長島町、姶良市各地域の自慢の食材を使って、各店舗が腕によりをかけたメニューを提供し、来店客をもてなしました。屋台でしか味わえない楽しさや、雰囲気がお客様に感動を与えました。


11月3日には、秋の収穫祭のフィナーレを飾るイベントが行われ、4つの市町村の名産品が当たる抽選会も開催されました。当選された方は、必ずやリピーターになるのは確実です。

従来ラーメン横丁やお好み焼きの専門店等が並ぶ場所では、人気店舗とそれ以外の店舗との優劣が付き、店舗同志のコミュニケーションがなくなり、店が退去するなどの弊害も起こっています。

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そのような弊害を少なくする方策の一つとして、スタンプラリーを実施し、屋台村全体の発展を目指す取組が効を奏しています。また、同業種が少ないことや、それぞれの店が切磋琢磨しながら、競争と協調の心をもって一体感を維持していることで常に緊張感を持った経営がなされていると判断します。

これからも屋台村は、貪欲に鹿児島らしさにこだわる必要があり、鹿児島の魅力を発信する場所にしなければなりません。従業員は今以上に鹿児島弁で、観光客に鹿児島の魅力を語ることが求められます。

「かごっまふるさと屋台村」は、青森県の「八戸屋台村 みろく横丁」がモデルとなっていますが、みろく横丁では、15日からボージョレイヌーボー祭りが開催され、ご来店の方にヌーボーが1杯サービスされるイベントが開かれています。常に話題を集めるイベントを開催しているのも特徴です。

今後、餅つき大会、クリスマス会、年始や成人の祝いなどの開催等で常に季節を感じる話題を提供することが集客効果をもたらします。来春になると市内でのプロスポーツのキャンプもスタートします。プロ選手との出会いも楽しみです。メディアでの積極的な情報発信が求められます。

屋台村の成功は、若い起業家の誕生をサポートする機会にもなり、これからの成長が期待されるプロジェクトになると信じます。

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ところで、鹿児島市は錦江湾越しに桜島を望み、歴史、温泉、食、路面電車、海など県都としての魅力が集約され、宿泊施設の充実等観光客誘致には大変恵まれた環境にあります。屋台村の周辺は、近代日本の礎を築いた偉人を輩出した地域であり、中でも「維新ふるさと館」は大変人気がある施設です。夜は甲突川がライトアップされ一段と魅力的な一帯となります。

しかし天文館までの客足は伸びず、地域全体に経済が循環するまでには至っていません。「2次会は天文館で」を合い言葉に、各店舗のオーナーは観光客に天文館の魅力を語って欲しいと思います。

一方、屋台村にはビジネスマンが多く訪れていますが、新幹線の時間短縮効果は、ビジネスマンの日帰出張を加速し、鹿児島市内はホテルが供給過多となりシングル料金の値下げ合戦も見られ、中央と地元資本との戦いになっています。このまま行くと資金力が弱い地元のホテルは苦戦が予想されます。 屋台村内でも県内でのイベント開催や花の開花、紅葉、釣り等の情報提供を行うことで、遠方まで足を伸ばすきっかけをつくり、滞在させる取組が求められます。

周辺の既存の店との競合も激化していますが、「おもてなしの心」を持ってサービスの向上に努め、相乗効果で来店客を増やして欲しいと思います。また、近隣のホテルの方々も積極的に屋台村をPRすることで、連泊につなげて欲しいと思います。

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また、現在海外路線は、台北、ソウル、上海便が就航していますが、アジアの人々は、屋台で食事することが定着しており、今後東アジアの観光客が増加すると思います。外国語標記の徹底や簡単な言葉を覚えることで、海外観光客との交流の場所になればと思います。市民にも屋台村の魅力が浸透しており、より多くの人々が訪れる場所として定着することを期待します。

「ふるさとかごっま屋台村」に行けば「本物。鹿児島県」、日常のかごしまに会えると、観光客に誇れる場所であり続けてほしいと願っています。

グリーンファーム(鹿児島市観光農業公園)に期待する~体験メニューの充実と平日の誘客が課題~

2012年11月12日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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11月15日、鹿児島市喜入一倉町に、グリーンファーム(鹿児島市観光農業公園)がオープンします。 交流と体験のフィールドとして大きな期待がかかる施設です。東京ドーム約9個分の敷地にグリーンツーリズム関連施設やキャンプ場、遊歩道などが整備され、豊かな自然の中で、農業や食・環境などについて体験や学習を楽しむことができます。

ところで農産物をブランド化し、その加工品で収益をあげ、地元農家と連携したレストランや体験型メニューで観光客を呼び、それらの複合的な事業を一貫して行う「ファーム」というスタイルを成功させたのが、三重県伊賀市の農事組合法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」(以下ファーム)です。

「安全・安心」にこだわり、「生産者と消費者とのつながり」を重視したファームのファンづくりが、人気を集めています。その結果ファーム自体が一種のブランドとなり、近郊に直営のレストラン7店舗を出店するまで成長しており、JR名古屋駅の駅ビル・セントラルタワー内にも店があります。自然ビュッフェのお店で、昼食時間には100名以上が並ぶほど賑わっています。

ファームは、名古屋、大阪から車でおよそ1時間半。三重と滋賀の県境近くの山中、西湯舟にあり、近燐の県から年間50万人が訪れています。ファームでは、生産だけでなく、加工、直販、レストラン経営まで含めた複合的な手法、いわゆる6次産業化を進めています。

さらに会員制の宅配サービス、手づくりウインナー教室などの体験メニューや温泉・宿泊施設、さらには定年帰農のニーズを見込んだ体験農園など食や農業に関心の高い消費者と観光客を巻き込む仕掛けづくりで大きな注目を集めています。 また、年間を通じて50以上のイベントを開催し集客に努めており、家族連れが多く訪れます。直営レストランを含めて全体の売り上げは43億円にも上っています。(2008年の実績)

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観光客が体験し、買い物のできる農業関係施設としては、従来から観光農園(みかん狩りやイチゴ狩り、芋ほり等)や、観光牧場が各地にありますが、「モクモクファーム」は地元ブランドの食材を開発し、そこを核にして近燐の野菜農家や県内の農家とも連携して地域全体にお金を落とすシステムをつくりあげていることです。

消費者ニーズを具体化して体験型メニューを実施しており、特に好評をえているのがウインナー教室です。餌や飼育方法を変えながら試行錯誤して改良し、「伊賀豚」をつくり上げ、その肉を使って完成させたのがファームのウインナーです。


現在では、生産者の顔、生産現場を見せ、「安全・安心」、「本物の味わい」というコンセプトを感動的な体験として具体的に提示し、大人も子供も楽しめることが人気を博しています。

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2005年に制定された「食育基本法」では、子どもたちに農業体験や食の安全、地場の農産物に触れる機会を作ることを奨励しています。 ファームでは、早くから体験施設をつくり、地元の農産物を使うレストランを運営し、子どもたちのための田んぼの生き物調査や、牛や豚の観察、星の観察などのイベントをカリキュラム化してきた。そんな活動が多くの小・中学校に注目されることになり、体験や修学旅行で訪れる人がどっと増え、2006年以降訪れた小・中学校の数は毎年500校をこえています。

今度オープンするグリーンファームは、「育てる」、「楽しむ」、「味わう」、「学ぶ」の4つの体験ができる県内では初めての本格的施設です。その魅力と課題について整理したいと思います。

まず体験メニューの充実をいかに図るかです。単なる農業体験は、既存の観光農園や農家で体験することができます。入園者が広い農園の中で、自然との触れ会いを通して、生産する喜びや収穫、「安全・安心」の食材の魅力をいかに感じることができるかが重要です。すでに収穫してある農作物を集めるだけでは本物の体験になりません。

農園で生産される農産物から十割そばの提供や絞りたての牛乳、ジェラート、飼育されている豚や牛の肉を使ったバーベキュー等のメニューは人気を呼ぶものと思います。スーパーやコンビニとの差別化を図り無添加の安全・安心の商品づくりが必要です。周辺住民が、農産物を買いに訪れ、また、ファームのレストランでは、園内で収穫される農産物や地元食材にこだわった食事を提供することが求められます。

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次に平日にいかに集客効果を高めるかです。休日は一定の入場者は見込めますが、市内から1時間程度の場所に出かけるとなると、平日は一般の人ではそれなりの目的がある人になります。その意味でも教育現場のカリキュラムを平日にいかに組み入れるかが重要です。

まず市内の小・中学校は、9年間の中で必ず1回は、グリーンファームでの体験を入れることが、年間入園者を確保することになります。また、子供の体験が親の誘因効果をもたらすものと思います。数時間の体験メニューや、雨の時のメニューの準備も求められます。 また団塊の世代が多く退職する時代となり、農業に関心をもつ人も増えて、趣味の一つとして農園を利用したい人が増加しています。そのような人に対する指導者の配置も求められます。

また、グリーンファームは、国道から離れており、気軽に立ち寄ることは大変厳しいと言わざるをえません。エージェントとのタイアップ企画や四季折々の魅力をメディアでPRすることが不可欠です。1年間は市民の関心もありますが、持続的な誘客には、施設のブランド化が何よりも求められており、市民の皆さんに愛され、支持される施設になることです。

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一方、県内ではグリーンツーリズムの取り組みが盛んになってきました。平成25年度は、南さつま地域、北薩地域、大隅地域を中心に約2万人を超える学生の農家民泊の予約が入っており県内全域に広がっています。一般のお客様を受け入れるため「簡易宿所営業」の認可を取得する地域も出てきており、誘致、受入競争も激化しています。

「道の駅」や「農家の直売所」が増え、身近な処で気軽に「安全・安心」の食材を購入することができます。グリーンファーム独自のオリジナル商品を作ることが重要です。 観光振興にとって大切なことは、地域全体に経済効果をもたらすことです。観光客に地域産品や加工品を購入していただく取り組みが求められており、 魅力ある加工品づくりと販売ルートの確立も必要です。

距離のハンディを克服し顧客を獲得するためには、他の地域に負けない「おもてなしの心」をいかに提供できるかも大切なことです。 グリーンファームが、県内のグリーンツーリズムのリード役になることを期待します。

参考:田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則 金丸弘美著作

大隅地域への教育旅行の誘致を~優位性をいかに売り込むか~

2012年11月5日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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鹿児島を教育旅行の行先に選ぶ学校が増加していますが、教育旅行は、定期的に行先を変える傾向があります。それはマンネリ化を防ぎ、先生方が新しい旅行先を求めていることや、教育課程の変更等が大きな要因です。その際、新しい体験メニューの開発やアクセスが整備されると、行先として選ばれるチャンスが訪れることになります。

従来県外の学校があまり関心を示していなかった大隅地域が注目をあびています。九州 新幹線の全線開業効果で、大きな時間短縮が図られ行き易くなったことや、新大阪から集約臨時列車や直通列車が増発されたことが大きく、25年度以降の誘致に向けて大隅地域をPRしていきたいと思います。

そのポイントとなるのが3つの施設と考えています。 一つは、「鹿屋航空基地史料館」です。史料館に行くとまず目に入るのが前庭に展示されている二式大型飛行艇12型。昭和15年当時世界一高性能の大型飛行艇と言われています。

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米国国内に保管されていた、世界に一機しかない当時の技術を駆使してつくられた飛行機で、関係者の努力で、その後海上自衛隊第一航空隊が引き渡しを受け現在の場所に展示されているもので、当時の日本のものづくりの水準の高さを知ることができます。 前庭に展示されている数々の飛行機は、かつて日本の空を飛び、災害や人命救助等に活躍したものです。

特攻基地と言えば南九州市知覧が有名であり、旧日本陸軍の航空基地がおかれた場所です。鹿屋市には旧日本海軍航空基地があり、太平洋戦争のとき特攻基地として使用され、多くの尊い命が飛び立っていきました。鹿屋航空基地からは908名が飛び立って再び帰ることはできず、その数は知覧の数を上回っています。現在は海上自衛隊鹿屋航空基地が置かれ、東シナ海・日本海・太平洋地域等の防衛警備や災害派遣、医師のいない離島等への急患輸送等も行っています。

海上自衛隊鹿屋航空基地正面横にあるのが「鹿屋航空基地史料館」で、現在無料で見学できます。海上自衛隊の歴史、特別攻撃隊関連の資料展示があり、戦争を知らない学生さんには、ものづくり、平和、日本の国防等考えさせられる施設で、「知覧特攻平和会館」と違った施設であることも魅力の一つです。

日本領土を取り巻く国際環境は緊張感が高まっていますが、国のあり方等も考えさせられる施設ではないかと思います。 駐車場に隣接して鹿屋市の物産館が設置されています。教育旅行の誘致を通してさらなる充実が望まれます。

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次に教育旅行の注目をあびているのが、「内之浦宇宙空間観測所」です。 内之浦宇宙空間観測所は、昭和37年に東京大学生産技術研究所の付属施設として設置され、昭和45年、日本で初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げて以来、大小385機にのぼる科学観測ロケット及び科学衛星の打ち上げを行い、またそれらの追跡・データ取得等も行っています。

市街地から離れた場所にあり、物資の輸送が便利で東側に開けており、かつ国内で地球の自転速度が速い地域ということで選定された、世界でも珍しい山地に設置されたロケット基地です。

平成15年5月9日には、小惑星「イトカワ」でのサンプル採取とリターンをミッションとした小惑星探査機「はやぶさ」もここから打ち上げられており、「はやぶさ」の母港としても有名です。 打ち上げから帰還までの取組を題材とした映画「はやぶさ」も作られ話題となりました。多くの人々の苦労が偲ばれる映画でした。来年の6月から9月にあらたなロケットの発射も予定されており、全国的に注目されている地域です。学生たちがロケットの歴史や科学衛星について楽しく学び、宇宙開発への憧れを持って欲しいと思います。

先日もSSH(スーパー サイエンス ハイスクール)の認定校である福岡市のT高校が、研修旅行先として訪れていました。これからもSSHを中心に誘致を進めたいと思います。内之浦地域ではここ数年「えっがね祭り」を開催し、食の魅力が多くの人を呼んでいます。種子島にも宇宙センターがありますが、ここの施設のPRもしていきたいと考えています。

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3箇所目は「垂水市漁協」です。 垂水市漁協は錦江湾に浮かぶ桜島と大隅半島が接続している南側に位置し、波静かな湾と桜島を望む好位置にあります。 かつて高倉健が主演した映画「ホタル」の撮影地になった場所でもあります。平成20年から始まった「餌やり体験」は人気が高まり、24年度は11校の予約が入っています。

安全対策には特に配慮しており、学校側の信頼を得ています。県外に同様な好条件に恵まれた漁港は少なく、漁業体験をしたい学校が増えている中で、大きな誘致の柱になっています。垂水市では漁業体験に続いて漁師の家での民泊の受け入れも始まりました。

このように教育現場のニーズにあったメニューを提供できることが魅力ですが、加えてグリーンツーリズムの素材に恵まれているのも大隅地域です。学生を受け入れる魅力としては、食の宝庫であり、いろいろな体験ができることです。サツマイモ、ピーマン、米、お茶、メロン、みかん、落花生、牛、豚など農畜産が盛んであり、地域全体での受け入れが可能で大型の農家が多いのが特徴です。また、気候が温暖で一年中受入ができることです。

また、今年から農家民泊の受入もスタートしました。最近の教育旅行のニーズは、名所 旧跡の見学から農業・漁業などの体験、火山や震災などの自然学習、街を歩きながらの歴 史・文化の探訪、戦争に関する資料を通しての平和学習、宇宙への興味を抱かせる科学学 習等さまざまであり、複数のカリキュラムを取り入れる学校が増えています。体験型修学旅行においては、農業・漁業体験を組み込む学校がほとんどです。そのためには、他県にないユニークな体験メニューの提供、また、受入側の体験学習における安全性を確保することが何よりも重要です。

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受入の課題としては生徒の宿泊先の多くは、「簡易宿所営業」の登録許可をもつ民宿ではなく、農家、漁家であり、料理はみんなで作る等コンプライアンスの徹底が重要です。また、保健所の指導により、手洗いの励行、絶対に生ものを出さないなど保健衛生面での格段の配慮が必要です。農業体験では、農機具などでけがや事故にあわないような最善の注意が必要です。

また、民泊のスタート、解散地の集合場所をどこに置くかが重要になります。クラス別に受け入れ地域を決めるため、中心となる公民館や集会所のある場所が必要になります。受け入れに当たっては、エージェントと学校、農家との様々な折衝が必要になります。体験メニューの設定、保健衛生面の指導、受け入れ農家の割り当てなどです。そのためには地域を熟知したコーディネーターの存在が不可欠です。

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大隅地域の魅力は、県民にも十分浸透していませんが、スポーツ合宿の誘致では大きな成果が出てきています。また、佐多岬公園が無料化され、九州本土最南端としての魅力も増しています。 教育旅行で新幹線を利用し大隅地域に宿泊すると、錦江湾内のフエリー等が補助される制度もできました。

他県になく優位性が発揮できる「鹿屋航空基地史料館」、「内之浦宇宙空間観測所」、「垂水市漁協」の3箇所の魅力と、大隅地域が誇るグリーンツーリズムの体験、民泊を前面に教育旅行の誘致に努めたいと思います。

参考:アスナビ、Wikipedia、垂水市漁港HP

                                                                                           

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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