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尚志館高校のセンバツ甲子園大会出場を祝す~大隅地域の知名度アップにつなげよう~

2013年2月4日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

志布志市は宮崎と県境を接する農業と漁業の町です。古くは密貿易の港町として栄え、宝満寺跡や大慈寺等の名刹を持つ門前町と栄えました。志布志は、かつて国鉄の3線の始発・終着駅でした。鹿屋から国分に至る大隅線、末吉から宮崎県西都城に至る志布志線がありましたが、現在では油津を通り南宮崎駅に至る日南線1線が残るのみです。

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志布志湾はかつて美しい白砂青松の海岸が数十キロに渡って続いていました。しかし現在では湾の埋め立てにより、大崎から波見にかけての海岸がその面影を一部残しています。 湾周辺には、多くの古墳や伝説が残されており、鹿屋市吾平町には、初代天皇である神武天皇御父君・御母君の墓塚「吾平山稜」があり、正月には多くの参拝客で賑わいます。 また、戦時中は急造の飛行場や、防空壕等が築かれ、戦争遺跡として一部は公開されています。

市内の宝満寺跡境内で、4月29日に行われる「お釈迦祭り」は、花嫁を乗せたしゃんしゃん馬や、踊り連のパレード、多くの市民や観光客で賑わう県内指折りの大きな祭りです。境内には湧き水が流れ、安産の地と知られ妊婦さんの参拝がたえません。

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また、大隅の國やっちく松山藩「秋の陣まつり」も見応えのある祭りです。まつりの期間だけ見ることができる「幻の一夜城」をはじめ、奉納武者行列は必見です。地元の若者たちが独自にアレンジした城下町風の会場は、驚きと感動の連続です。入場待ちの列がとぎれることのない「忍者屋敷」や「やっちくサスケ」等は、様々な仕掛けが施されており、一日遊んでも飽きることはありません。今年の秋の祭りにはぜひお出かけ下さい。

ところで第85回記念選抜高校野球大会が、3月22日から13日間の予定で阪神甲子園球場で開催されます。出場校は36校(一般選抜32校、21世紀枠4校)で、組合せ抽選会は3月15日に行われます。

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昨年秋の九州大会でベスト4まで勝ち進んだ志布志市の「尚志館高校」の出場が決定しました。大隅半島から春夏を通じて甲子園初出場となり、地域にとっても朗報です。従来鹿児島県の甲子園出場校と言えば、鹿児島市内の学校がほとんどであり、中には県外出身者が主力を占めている学校も従来見受けられました。

尚志館高校は、部員26人全員が大隅半島出身者であることが、地域の大きな誇りであり自信を持って甲子園に送り出せるチームです。甲子園という大舞台での活躍が今から楽しみです。

志布志市では、昨年の秋に志布志高校3年生の山口観弘(やまぐち あきひろ)くんが、岐阜県で行われた国民体育大会の競泳200メートル平泳ぎで、2分7秒01の世界記録を樹立しました。鹿児島県の期待の星誕生です。

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山口君は大脇雄三さんという名伯楽に子供の頃から育てられ、世界のトップスイマーに成長しました。卒業後は、オリンピック2連覇を達成した北島康介選手を育てた平井コーチの元で次のオリンピックでのメダル獲得を目指し、東洋大学に進学します。 志布志という地が高校生の活躍で、日本中に知れ渡りました。山口君のこれからの活躍に期待がかかります。

大隅半島は錦江湾を隔てて対岸にあり、交通アクセスも不十分なことから、観光客誘致にはなにかと不便を囲っているのも事実です。しかしスポーツ合宿の誘致においては、関西の大学生をターゲットに、京都・大阪で毎年セミナーを開催していますが、大阪南港と志布志港を結ぶ「さんふらわあ」の活用や練習グランドの充実、自治体の補助金の拡充等もあり、大隅地域の魅力が浸透し実績に結びついています。また、高校生を中心にグリーンツーリズムを活用した、「民泊」という取組が大隅全体に広がっているのも地域の活性化につながっています。

ところで昨秋には、永年の懸案であった佐多岬公園に通ずる道路問題が解決し、佐多岬周辺の整備とあわせて大隅地域の観光を大きく前進させる年です。

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道路の無料化は誘客の大きな要因となります。しかも佐多岬は、九州本島最南端の岬であり、宮崎県の都井岬、指宿市の長崎鼻を巡る「岬ツアー」が脚光を浴びると思います。 大隅半島へのアクセスは、先述の「さんふらわあ」の利用、宮崎からの列車、バスやマイカー利用が大半です。県民の多くに大隅地域の魅力を知らせることが求められています。

今回の甲子園大会出場で、大隅地域のことがメディアで放映され、その知名度が上がることは間違いありません。「篤姫」放映の際、番組の後半で必ず「その時薩摩では」というナレーションで、薩摩のことが話題になり、鹿児島への認識が深まりました

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大会期間は春休みであり、「さんふらわあ」や全線開通した新幹線を活用し、甲子園に出かけましょう。最後に尚志館高校生の活躍により、大隅地域が全国的に話題になるよう皆さんで応援しましょう。

川内髙城温泉の復活に向けて~鄙びた温泉地の魅力づくり~

2013年1月28日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

川内髙城温泉は、国道3号線から6キロ、JR川内駅から北方15キロの山間にある静かな佇まいの温泉で、その泉質の良さと湯量の豊富さから平成2年に「日本の名湯百選」に選ばれています。

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泉質は単純硫黄泉で神経痛、リューマチ、腰痛、婦人病、病後の疲労回復に効能があるとされ、秘湯として人気があります。九州新幹線の川内駅からバスで30分、肥薩おれんじ鉄道の西方駅から車で5分の距離にあり、アクセスは十分ではありませんが時間的には恵まれた場所にあります。

川内髙城温泉の課題とこれからの取組について整理したいと思います。

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まず認知度をいかに高めるかが問われています。県民がその場所や、魅力を知らないことがあげられます。西郷隆盛が愛好した温泉であり、指宿の「鰻温泉」、霧島市の「日当山温泉」もよく訪れたと言われ、それぞれの地にゆかりの記念碑があります。3つの地域で連携し、情報発信力を高める必要があり、手作りの温泉街のPRパンフや、情報誌の取材等を積極的に受け入れる必要があります。

2点目は団体依存の宴会型宿泊からの脱皮が求められます。高度経済成長期やバブル時代に全盛を極めた団体型宴会旅行は減少し、個人旅行中心の旅行が主流となり、企業のインセンティブも激減しています。宿泊客がゆっくり滞在し、そぞろ歩きを楽しむことができる温泉地への脱皮が不可欠です。また今の観光客は地域ならではの食を求めて、旅先を選びます。周辺に農家レストランや直売店があることが宿泊客を増やすことになります。

そして他地域、施設との連携が不可欠です。今の旅行は自分の地域だけでは完結しません。肥薩おれんじ鉄道と連携しPRに努めることが誘客につながります。3月から観光列車「おれんじ食堂」が運行されます。観光列車で川内駅で下車した人を、髙城温泉に宿泊してもらう取組が必要です。

3点目は各温泉施設の整備と他施設への入浴を可能とすることが重要です。地域内の外湯巡りを可能にするには、入湯手形を販売し、3箇所程度の温泉施設に入ることができれば、滞在時間も増加し消費につながります。特に女性の脱衣場のプライバシーの保護や清潔感を保つことも重要なことです。

イベントの開催には工夫が必要です。ウォーキング大会やマラソン大会の開催に当たっ ては、ゴールを温泉街にすることで終了後の入浴と宿泊を可能とします。また、多くの人 が参加することで、温泉地全体に波及効果をもたらします。

4点目は地域の人がたまり場となる施設を整備し、丸太づくりの椅子や卓袱台を用意し地域の人もくつろげる場所が必要です。お茶一杯の心で、井戸端会議のできる店が必要なのではないでしょうか。地元の人と観光客が交流できる場所としても活用できます。

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最後に消費の主役は女性であり、女性が訪れたくなる施設と仕掛けが必要です。露天風呂 の作りや洗面台の仕切り等女性は清潔感を求めます。小物の販売店や魅力あふれるカフェの設置も訪問意欲を駆り立てます。女性は、「美」や「健康」、「食」等に敏感です。また、女性の口コミは確実に広がります。ぜひ女性に好まれる温泉地を目指して欲しいと思います。

景観保護の観点から髙城温泉全体の景観を保つ取組が重要で、地域の自然・歴史・文化等と人々の生活、経済活動との共生を基本にまちを整備する必要があります。まちづくりをリードする公共施設の整備や周辺の自然景観を守り、看板や旗を無くすることも求められており、街道には木や花を植栽し、季節感を出すことが街に潤いを与えます。 街並みの前面からごみ箱を撤去し、宿泊施設や飲食店の位置を一つの看板にまとめることで、通りが甦ります。

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熊本県黒川温泉では、宿泊施設の位置は温泉街の入口の看板にまとめて書かれており、落ち着いた温泉の雰囲気を醸し出しています。髙城温泉も温泉の入口に案内板を設置することで、温泉街から余計な広告物が消えて、古い温泉情緒が出るのではないでしょうか。また、街灯もレトロ調の灯りに替えることで夜の雰囲気が変わります。

終わりに、地域住民が我が町に誇りを持つことが大切であり、地域に経済的効果をもたらすことが持続的な観光地となります。地産地消にこだわり、街全体に賑わいが戻ることが大切です。また、人の心に残るものはその土地の人の第一印象であり、琴線に触れるおもてなしの提供が求められます。

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日本の温泉地を見ると、バブル期に大型投資をした多くの地域・施設が今では、苦境に立たされています。古い建物を活用し、民具や人形を飾り、花や木を植栽し地域全体で落ち着いた小綺麗な街づくりを行っているところが元気です。若者の経営者を中心に新しいまちづくりに取り組んでは行くことも求められています。

地元のお客様を大切にし、徹底的に田舎にこだわることが人を感動させるのではないでしょうか。髙城温泉の復活を期待します。

出水のツルの越冬に学ぶ ~リピーターの確保が企業を支える~

2013年1月21日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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出水市の出水平野には、今年は1万3138羽のツルが飛来し、史上2番目の羽数となりました。(1月12日の調査) これほどのツルが永年にわたり飛来してくるのは、行政、地域の人々、ツル監視員の皆様の温かい保護政策が、これまでの実績づくりにつながっていると思います。 餌やり、傷ついたツルの保護、観光客の車の整理と越冬地でのツルの安全確保に努めています。

23年1月には鳥インフルエンザが発生し、ツルへの感染が心配されましたが、県や出水市、各機関の皆様の協力体制の下で危機を乗り切りました。小生も出水平野の近くまで取材に行きましたが、万全の防疫体制が敷かれていました。

今年の年末年始は天候に恵まれ多くの観光客が訪れました。朝、ねぐらから飛び立ち、夕方太陽が沈む頃ねぐらに帰りますが、朝日・夕日に映えるツルの姿はまことに秀麗です。 多くのカメラ愛好家がその姿を収めるために待ち構えている様子が、あちこちで見られます。また、ツルは縁起の良い動物で、長寿やお祝いの象徴として重宝されます。

遣唐使で中国に渡る吾が子の無事をツルに託した詩です。

       旅人の 宿りせむ野に 霜降らば
          吾が子 羽ぐくめ 天(あま)の鶴群(たづむら)
                       ~遣唐使人の母 万葉集より~

          (注釈)舟で唐に旅する人は碇泊して野宿するという。
               霜が降りたら吾が子をあなたの羽根の下に
               つつんでやっておくれ 空と飛ぶ鶴たちよ

ツルの越冬は地域への観光客誘致につながり、地域経済への発展にも寄与しています。 ツル観察センターは1989年に開館されましたが、入館者は今年1月13日には150万人目となり、記念式典も開かれました。出水市では、秋には「ツルマラソン」が開催され、全国から参加者があります。

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まもなくツルの北帰行が始まります。荒崎の田畑の上空で別れを惜しむかのように何回も旋回し、北に向けて飛び立ちます。長島町の行人岳はツルの北帰行を見る人で賑わいます。ツルが全部飛びたつと出水平野に春が訪れます。


毎年ツルの越冬地として選ばれることは、永年お世話になっている地域の人々への「ツルの恩返し」として感謝し、これからも大事に育て見守ることが大切です。ツルはまさに出水のリピーター客です。

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出水平野を走る肥薩おれんじ鉄道からもツルの姿を見かけることがあります。また、沿線の景観がすばらしいことから、東南アジアの観光客に人気となっています。 3月24から観光列車「おれんじ食堂」が運行されます。旅の楽しみがまた一つ増えることになり、運行が待ち遠しい列車です。

ところで観光施設では、リピーターを年間通していかに獲得するかが問われています。 毎年2,000万人を超える入場者数を誇る東京ディズニーランド(TDL)は、リピーター率が、2回以上で98%、10回以上で60%と驚異的な数字となっています。 常に感動を提供し、社員2,000人、アルバイト18,000人が同じ気持ちで、入場者(ゲスト)に対し「おもてなしの心」をもって接しています。

TDLは常に社員教育に力を注いでおり、「子供とは同じ目線で話をする」、「大切な言葉は何度も口に出す」、「常にごみ拾いのスタッフがいる」、「誰に尋ねても園内のことは答えることができる」等統一されたサービスが徹底されています。 来園者に常に感動を与える姿が、支持を得ているのではないでしょうか。

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先日博多に出張の折タクシーに乗りましたが、久しぶりの感動体験に出会いました。 車が止まると、運転手が車を降りてドアを開け閉めし、発車前に後ろを向いて帽子を取り挨拶しました。車中では、「寒くありませんか、暖房の温度上げましょうか」と、また行き先について「いつものルートがありますか」と客に対する気配りを感じました。  降りるときも運転席を離れ、ドアの開け挨拶をしてくれました。さわやかな気持ちで車を送りました。

福岡市内はタクシー会社が多くて顧客獲得競争が激しく、このようなタクシー会社が増えることが、街の印象が良くなり観光客が安心して利用するようになるのではないでしょうか。

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県と観光連盟では新幹線開業を見据えて、観光関連業界の皆様を対象に「おもてなしの心」を徹底すべく研修会を2年間に渡って実施してきました。マナーの改善がなされた機関も多くありますが、一部にはクレームが発生しているのも事実です。 帽子を取り、名前を名乗ることを励行していたタクシー会社が、最近では挨拶もしない運転手が多くなっているのが気になります。おもてなしの徹底は、トップの姿勢が問われていると感じます。

先日日頃から全国の宿泊機関に泊まっている女性グループの代表者と話す機会がありました。宿泊施設の印象は、建物や部屋の立派さより到着したとき従業員の最初の挨拶や応対が、その施設の評価になると話していました。また、女性の声に積極的に耳を傾けて欲しいとも注文がありました。消費はまさに女性に左右されると思います。

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挨拶や「おもてなしの心」を徹底するなど従業員に対する教育に力を注ぐことが、リピーターづくりの基本ではないかと思います。 人口減少が続き経済のスモール化が進む中で、消費拡大を図るには感動体験を与えることが不可欠であり、そのことが企業の価値を高め発展につながると信じます。


「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で32年連続総合日本一に輝く「加賀屋」は、おもてなしの神髄が徹底され、国内外から多くの支持を得ています。 永年にわたり出水を訪れるツルのごとく、リピーターに愛される地域、施設を目指したいものです。

ローカルツーリズムの推進を~地域の魅力を語る人を増やすことが滞在につながる~

2013年1月15日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

      何となく 今年は良い事 あるごとし
                     元旦の朝 晴れて風無し
                                      石川啄木

各種団体の新年互礼会も終わり、経済活動も本格的にスタートしました。 観光業界に目を転じると、年末から年始にかけて日並びが良く、天気に恵まれたこともあり各地の観光地は例年になく賑わっていました。

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宿泊関連では、1月4日まで満室の施設が多く、関係者は出足が良いと喜んでいました。新幹線や航空機の利用者も前年を上回り、今年の観光業界はまずまずのスタートではないかと思います。今年は巳年ですが、蛇は脱皮することから「復活と再生」を連想させます。果敢にチャレンジし逞しく戦い抜く姿勢が大切ではないでしょうか。

鹿児島にとって今年は、年初のコラムで述べたように厳しい試練が待ち受けており、しっかりとした計画をたて着実に実行することが求められます。今年の最大の関心事は政府による東北復興支援であり、大河ドラマ「八重の桜」の動向です。第1回の放送をご覧になった方の感想を聞くと、このドラマは展開が楽しみで、福島や京都が話題になると語っていました。初回の視聴率(総合テレビ)は、ビデオリサーチの調査によるとは関東地区で21.4%でした。ちなみに昨年の「平清盛」の初回視聴率は17.3%で、鹿児島が舞台の「篤姫」は、20.3%でした。

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首都圏や関西地区の旅行エージェントの店頭には、大河ドラマ関連の多くの商品が並んでおり、GW以後観光客は東北に向くと考えておかねばなりません。東京ディズニーランド30周年や東京駅の改装、東京スカイツリーの話題に加えて、伊勢神宮の「式年遷宮」と日本の東方でなにかと話題が多いのが今年の特徴です。

我々はこの状況の中で誘客を図って行かねばなりません。今年は、地方での周年行事や話題があり、九州新幹線開業効果を県内全域に広めるため、ローカルツーリズムを浸透させる良い機会ではないかと思います。

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今年の県内の話題と言えば、JR九州の観光列車を手掛ける水戸岡悦治さんのデザインによる肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」が3月24日から運行されます。 2両編成で、1日3便、定期運行日数は215日間で、貸切運行も38日程度予定されています。1号車(ダイニング・カー)は、旅行商品として「運賃+座席指定席料金+飲物付き」の飲食パッケージプランのみで、全区間(新八代・八代と川内往復)乗車を原則としています。

料金は12,800円~(小人8,200円)となっていますが、車内でのおもてなしが話題になると思います。おれんじ食堂1号は、新八代を10時16分に出て川内駅に13時33分に到着します。川内駅に到着したお客様を高速船で甑島に誘導するのも一つの方策です。また、新幹線と「おれんじ食堂」、そして周辺の観光地を組み合わせた宿泊に繋がる旅行商品が増えて欲しいと思います。北薩地域の鄙びた温泉も魅力です。事前の人気も上々で、すでに旅行エージェントから貸切予約が殺到しています。

10月からクルーズトレイン「ななつ星in九州」も運行されますが、3泊4日のコースに鹿児島も行程に入っており話題になるのではないでしょうか。

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屋久島は、世界自然遺産登録から20年を迎えます。登録後、縄文杉や九州一の宮之浦岳を目指す登山客は増加し、地域経済の活性化に繫がっているのは紛れもない事実です。  しかし増え続ける登山に伴い、植生の荒廃、し尿処理問題が提起されています。登山道入口では、山の環境整備のための協力金を頂いていますが、登山者の善意に頼っているのが現状です。登山者の意識改革と山岳ガイドさんの協力を得て、一定金額の協力金を収受し、登山道の安全対策や自然保護に力を注いでいくことが重要なことです。

日本が世界に誇れる屋久島の自然を守り、次世代に引き継ぐことが屋久島の価値を高めることになります。世界自然遺産登録の原点に返り、その趣旨を島民だけでなく登山者にも徹底させることが求められています。

また、屋久島は、山だけでなく各集落にも魅力があります。特に登山ができない冬場は、インタープリターを活用するなど、里の魅力を語り観光客を惹きつける努力が必要と感じます。昨年は屋久島への入りこみ客は減少しましたが、今年はメディアでの発信が増え、多くの登山者が見込まれます。世界自然遺産登録20年という節目の年を活かし屋久島の魅力を全国にPRしたいものです。

隣の種子島は、ジェット機が離発着できる空港があり、本土からのチャーター機の運行も可能です。鉄砲伝来の地、千座の岩屋、世界で一番美しいと言われる宇宙センター基地の見学等を教育旅行の教材としてPRし、SSH校の誘致が求められます。またグリーンツーリズムの推進も課題です。

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奄美群島は、本土復帰60年の年です。沖縄がブームになる昭和50年代前半までは、奄美が若人の夏のメッカでした。その後は空港の拡張や大型機の導入で、格安の運賃が魅力の沖縄に取って代わられましたが、開発が進み自然の美しさが失われつつあります。

その点奄美群島は手つかずの自然が残っており、「奄美・琉球諸島」として世界自然遺産暫定登録をめざしています。秋から冬場にかけてプロのキャンプ地として、春先は花粉症に悩む人の避処地に、夏場は時間に余裕のある大学生へのPRが欠かせません。特に加計呂麻島、与論島は、滞在して時間を忘れる程の魅力があります。 また、島唄や長寿の島として観光客との交流を組み入れた観光が求められます。

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大隅地域では、佐多岬が無料化され老朽化した施設の撤去などが終わるGW以降は、人気が復活するものと思います。佐多周辺地域への旅行商品化やPRを推進するため、指宿地域と連携したルートづくりを進めます。


大隅地域はスポーツ合宿の取組が成果を上げていますが、昨年に引き続いて、宝探しプランや、無料レンタカープランの継続で新規顧客の開拓が必要です。「花瀬公園の渓谷」や「神川の大滝」「照葉樹の森」は他地域にない魅力です。「さんふらわあ」を利用した関西からの誘客も必要です。

また、南薩地域では、「釜蓋神社」、「番所鼻公園」や坊津地域への観光ルートづくりにも欠かせません。指宿での宿泊者を両地域へ誘導することが、滞在につながります。

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霧島地域は、新燃岳の噴火が落ち着きトレッキングや、「霧島アートの森」、「みやまコンセール」等のアートの旅が人気を得ています。霧島地域に宿泊した人を翌日は、曽於市の「悠久の森」、「桐原の滝」、「溝ノ口洞穴」都城市の「関之尾の滝」、人吉市内等に案内することで連泊に繫がります。

宿泊施設の整った地域では、地域の人、ホテル、観光施設の従業員が周辺の魅力を自ら知り、語ることが重要です。鹿児島市のある観光施設では、鹿児島中央駅の案内所の職員を自らの施設に招待し、詳しい説明をするなど直接見ていただく機会をつくり成果を上げています。

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ところで、ひと頃ブームになった焼酎の魅力を再度PRすることも必要です。鹿児島では会合後の懇親会は、ビールで始まるケースがほとんどですが、焼酎で乾杯というスタイルを定着させたらと思います。また、地域にある蔵元の見学や「黒じょか」による飲み方の伝授、なんこ遊びの復活等鹿児島ならではの焼酎文化を、これからのツーリズムとして定着させたいと考えています。


鹿児島県は南北600キロに及び魅力多彩な観光資源があります。県民が県内の魅力を知るためにも、県内をもっと旅行して欲しいと思います。

年度末になると、卒業謝恩会や、職員の異動送別会、旅立ちの祝いなど身近なところで宿泊を伴う行事が多くなり、地元、県内のお客様の掘り起こしも大切です。今年は日並びが良く土曜日を入れた3連休以上がこれから9回あり、遠方に行きやすくなります。

今年こそ鹿児島市、指宿、霧島と言った観光地だけでなく、ローカルにお客様を引っ張る努力が必要ではないでしょうか。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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