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観光振興の目指すものは~組織の壁をいかに乗り越えるか~

2013年3月4日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

3月に入り各自治体では25年度予算の議会審議が始まりました。最近では観光振興に力を注ぐ自治体が増えており、議会の行方にも注目したいものです。

垂水・海潟漁港から望む桜島.jpg

2008年10月1日に「国土交通省」の外局として「観光庁」が設置されました。 日本も国策として観光が推進されることになったのですが、外国に目を転じると観光大臣を置いている国が多く、日本はむしろ遅すぎるぐらいの庁の設置ではなかったかと思います。本格的な少子高齢化社会を迎え、交流人口拡大による地域活性化は、自治体にとって重要な政策であり、観光振興は不可欠なものとなっています。

観光振興の推進にあたっては、行政、経済団体、業界、民間事業者の力が大きな柱になります。観光振興をすすめる観点で捉えると、それぞれの壁をいかに乗り越えるかが課題となっています。 まず、行政と行政の壁です。各自治体は税収が伸び悩む中で、多岐にわたる町の振興が必要であり、効率的な予算執行が求められています。

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そこで観光のパンフレットを点検すると、ほとんどが自分の市町村に関することしか掲載されていません。少なくとも県内のどの位置にあるのか、最寄駅もしくはインターチェンジ、空港等に合わせて隣接する市町村を載せることで相乗効果が生まれます。自分の町は知られていると思っている人が多いのではないでしょうか。

町民も訪ねたことがない遺跡や渓谷、神社仏閣が多いのが事実であり、我が町の存在を知らせるためには、他の町との連携が欠かせません。有名温泉地を持つ自治体は隣町と共同でPR活動を行うことで、着地型観光の誘客が宿泊につながります。

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ところで、単独で大阪や福岡の地下街等でPR大使を伴って宣伝をするケースが多く見られますが、その効果は疑問です。パンフレットを1万枚配ることができたと喜んではいられません。多くのパンフレットが地下街のゴミ箱に捨ててあり、来店客は商品欲しさに何回も並んでいる人が多くいます。 むしろ広域連携でPR組織を作り、テレビ局訪問等で情報番組に出演し、地域特産品の提供等を行うことが大きな宣伝効果を生み出します。

また、旅番組の誘致も知名度アップとなります。エージェントに対しては、ホテル等での説明会や商談会を開催することで、旅行商品の造成や人脈づくりにつながりその後のセールスにも役立ちます。

旅行エージェントの担当者と話をすると、単独の町で来られても個人情報の関係で店内での面談には制限があり、挨拶程度に終わり兼ねないと印象が薄いと言っています。 我が町をPRし、誘客したい理由はわかりますが、認知度、商品造成等を考えると自治体の連合でやる方が、費用も少なくてすみ効果が上がるのではないでしょうか。

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例年福岡、京都、大阪で毎年スポーツ合宿のセミナーを開催していますが、着実に実績が上がっています。県内の多くの自治体が参加しており、また、セミナーへの大学の参加校が増えているのは、一度に多くの自治体の施設・補助金・受入体制等の概要がわかり選択肢が広がり、その後の人脈づくりと合宿誘致に結びついています。行政と行政の壁を越え、連携体制が誘客に効を奏しています。

次は行政と業界との壁です。観光振興には商工会議所、商工会、農協、漁協、NPO法人等民間組織の役割も大きいものがあります。地域のイベントを実施する場合は行政と業界の協力なしには開催できないのがほとんどです。協賛金等の収受も大きな課題となります。 また、実施本部を作るとなると、誰をトップに据えるかでもめることがよくあります。プロジェクトの立ち上げにおいても同様で、組織作りに時間がかかり、肝心の実務体制 が後手に回ることがよくあります。

地域全体でイベントに取り組む場合は、自治体の関係者をトップに据えて、民間のリーダーを実行委員長において業務遂行した方がスムーズに行くのではないでしょうか。

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指宿の「菜の花マラソン」と「菜の花マーチ」は、行政と業界の役割分担がはっきりしており、成功しているイベントと思います。現場で時間的制約を受けにくいのは、民間の力ではないかと思います。組織作りに時間をかけるよりいかに動ける組織を作り上げるかが課題と感じます。

次に民間事業者と民間事業者との壁です。かつて日本の温泉地は、夕食の後は浴衣がけで歓楽街に出かけて、地域住民が行く店に繰り出し街もそれなりの活気を誇っていました。 バブル時期の日本の有名温泉地は、大型ホテルの建設、部屋の増設と多額の投資を行いました。また、「カラオケ酒場」や「夜食店」等二次会ができる施設を館内に作ったために宿泊客は外に出なくなり、歓楽街は寂れてしまいました。現在では個人旅行が主流となり、大型施設の中に作られた飲食店に入る人も少なく、施設の維持も困難となり、倒産や競売の施設が多く見られます。

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一方地域ぐるみで街づくりを行っている温泉地や県民が支持している地域は、いまでも活気があります。黒川温泉は、個々の施設よりも地域全体のまちづくりが重要と捉え、各施設が看板をなくすなど、地域の景観づくりに協力しています。山口県湯田温泉の西の雅「ホテル常磐」では、女将自ら演じるナイトショーは人気があります。自館の宿泊者だけでなく温泉街の他の施設の宿泊者にも無料で開放しています。


経営という面から捉えると自分の施設の売上げが優先しますが、他の施設とも連携して誘客に努めることが、地域全体の活性化になると思います。 スポーツキャンプやコンベンション等は一度に多くの宿泊客があるため、地域全体で受け皿を整える必要があります。地域で1軒の施設のみが栄えるより、魅力に富んだ個々の施設が生まれることが地域全体の魅力につながります。

日本は本格的な少子高齢化時代に入り、大きな消費拡大も望めず地域間競争も激しくなり誘客も難しくなっています。連携を強化して動ける組織を構築し、形より実のある成果が出るよう努力したいものです。 行政と行政、行政と業界、民間事業者と民間事業者それぞれ自分の立つ位置を貫けば、摩擦が起き仕事の成果は難しくなります。

観光の6次産業化が言われていますが、それぞれの部門の垣根を越えることは容易ではありません。しかし今や地域総力戦の気概で取り組まないと、持続できる観光地づくりは厳しいものがあります。

桜島と桜.jpg

観光振興の基本は、いつまでに何をし、どのような成果が期待できるかであり、そのことで組織や役割分担も決まってくるのではないでしょうか。これからは費用対効果がより厳しく問われることになり、行政・業界・民間事業者それぞれの壁を越えた取組が求められます。


最後に今回のコラムが250回目となりました。皆様の叱咤激励で今日までくることができました。心から御礼申し上げます。
                                   感 謝

「奄美・琉球」の世界自然遺産暫定リスト入りを地域浮揚に~屋久島の先例に学ぶ~

2013年2月25日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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奄美諸島は、鹿児島の南380~580キロメートルの海上に点在する島々で、奄美群島とも呼ばれています。環境省は今回の世界自然遺産暫定リストでは、奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、西表島の4島を軸に対象地域を検討しています。 早ければ2015年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ推薦し、2016年夏の世界自然遺産登録実現を目指しています。



奄美・琉球が登録されると、県内では屋久島に次いで2箇所目となり、鹿児島県の知名度が飛躍的に上がるのは確実です。国内では白神山地(青森、秋田県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)に次いで5件目の世界自然登録となります。 また、「九州・山口の近代化産業遺産群」はすでに暫定リスト入りしており、その中に鹿児島の「集成館事業」も含まれており登録が待たれるところです。

ところで、知床や小笠原諸島は世界遺産の有力候補にあがりながら暫定リスト入りが遅れたのは、重要地域の法的保護担保措置が不十分であったためとも言われており、環境省は、奄美群島について2013年度の国立公園化にむけて、林野庁は奄美大島、徳之島の国有林の森林生態系保護地域の指定に向けてそれぞれ取組を進めています。

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このことから世界自然遺産登録への大きな一歩が踏み出されたと言えます。長い年月をへて育まれた奄美群島の豊かな自然、貴重な動植物の保護とともに、観光客への自然保護に対する意識向上、地域住民との共生をいかに図っていくかが問われています。

登録に向けて観光の視点から、屋久島を例に課題を整理したいと思います。 今年12月屋久島は、世界自然遺産登録から20周年を迎えます。屋久島は、亜熱帯から冷温帯の連続した植物の垂直分布が見られ、また、樹齢千年を超える屋久杉は標高700mから1800mくらいまでの樹林帯で見られます。1993年「白神山地」と一緒に世界自然遺産に登録されました。

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その後観光客は増え続け、2007年には屋久島への入込客は40万人を超え最高となりました。遺産登録時は1万人にすぎなかった入山者は、2011年は約9万3千人となっています。今では登山家の憧れの島として人気が定着しています。(入山者数は環境省屋久島自然保護官事務所の調査)

しかし登山者の増加に伴い縄文杉の展望デッキ、登山道やトイレの設置など整備は進んでいますが、植生の荒廃、し尿処理問題等が大きくクローズアップされています。 屋久島の自然を守るために町が2011年6月議会に提出した「入山制限条例案」は、様々な意見もあり否決されました。自然保護と観光振興の狭間で屋久島は、世界自然遺産の島を守りながらいかに経済的価値を求めていくかが問われています。

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遺産登録時の山岳ガイド数は20人程度でした。一般の観光客が山に登る機会が増えて、屋久島地区エコツーリズム協議会は、2006年からガイド登録制度を始めました。しかし従来から登録ガイドの基準が明確でないため、2012年11月現在82人が登録しているにすぎません。また、観光協会も登録制度を持っていますが、両方合わせて200人程度で正確な人数把握はできていません。また、夏場だけのにわかガイドの存在も指摘されています。

これからも自然保護や安全対策上登録ガイドの資格取得をぜひ進めて欲しいと思います。また入島者に対しては、「屋久島憲章」を、旅行エージェントに対しては、募集段階でのパンフレット上での自然保護の遵守等の告知徹底が必要です。

奄美群島はこれから「世界自然遺産登録」に向けて、エコガイドの養成や登録制度、自然を守る取組を、屋久島の取組を参考に進めていく必要があります。「世界自然遺産登録の意義」や「観光客増加への対応」等地域住民への日頃からの細かい情報発信も求められます。

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また、沖縄と差別化したPR戦略が求められます。奄美は手つかずの美しい海や森林地帯が多く、多種にわたる動植物が生息していることから、自然の生態を見せることが求められます。春先は本土に比べて花粉が少ない島であることから、ヘルスツーリズムの推進も欠かせません。島唄や伝統的踊り、島料理など本土と異質な生活・文化も残っています。 名瀬港は大型クルーズ船の寄港が容易であり、登録後は外国人観光客が増加することから、受入体制の充実も求められます。

奄美群島は、すでに世界自然遺産に登録されている「白神山地」、「知床」に比較すると、温暖な気候に恵まれ1年中行くことができます。また、「小笠原諸島」は飛行機の定期便がなく、東京から船で24時間かかります。同じ離島にありながら奄美大島と徳之島は、飛行機の定期便もありアクセス的には優位性があります。

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ところで奄美群島は、今年日本復帰60周年にあたります。「世界自然遺産暫定リスト」入りの効果を奄美大島と徳之島の2島に終わらせるのではなく、群島全体にメリットもたらすことが重要です。各地を訪問した際は、「日本復帰60周年」、「世界自然遺産暫定リスト入り」の二つのロゴ入り名刺やパンフレットを渡してPRしてもらいたい。また奄美群島出身者の県人会は、関西、関東、鹿児島等多く組織されており、その人たちを通じてのPRもお願いしたい。

長年観光の仕事に携わっていますが、県外の方々は、意外と奄美群島の位置や魅力を知りません。今回の暫定リスト入りはPRの絶好の機会と捉えて、奄美群島一体となり宣伝を強化して、群島の知名度アップと経済的浮揚に繋げる必要があります。昨年発足した奄美群島観光物産協会は、大きな重責を担うことになります。奄美全体をコーディネートする人材の育成も急務です。

小生が始めて奄美大島を訪れたのは、44年前ですが当時は、1500トンクラスの船は、デッキまで人があふれており、特に若い女性層が奄美群島を訪れていました。 今後は年代層を問わず世界各国から世界自然遺産の島を訪ねることが予想されます。周到な準備を進めたいものです。

世界自然遺産登録が奄美に大きな変化をもたらすとともに、交流人口が増大し新たな産業や雇用が生まれます。県民あげて盛り上げをはかりたいものです。  

ふるさとを愛する心を育む~郷土の魅力を語れる若者であれ~

2013年2月18日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

卒業式のシーズンがやってきました。それぞれ学校での思い出を胸に、進学や社会人となる新しい人生へのスタートにあたり、夢を持ってがんばって欲しいものです。

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小生の50年前の小学校の卒業式は、在校生も参列する中で古い木造の講堂で行われたことを記憶しています。外では桜のつぼみも大きくなり開花間近の春の陽気でした。式の最後は在校生、卒業生、先生、父兄全員で「仰げば尊し」の歌の合唱です。当時は歌詞の意味が良く解らず歌っていましたが、静かな雰囲気の中で、格別な思い出として残っています。

しかしながらこの歌が、様々な理由により卒業式で歌われないのは残念です。歌詞は、先生方に対する感謝の気持ち、学校を育っても何事にも心を尽くすことの大切さ、慣れ親しんだ学び舎でのお互いの努力への感謝、希望にふくらませて卒業することへの誇り、お世話になった人々へのお礼と感謝、人間として努力することの誓い等を表しています。

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教育の価値は、卒業後30年たって理解できると言った人がいましたが、私にとってこの歌は何事にも替えられない「絆の大切さ」を問うているように感じます。 裕福な時代ではなかったけれども、明るく、みんなが一生懸命前向きに過ごしていた子供時代が懐かしく思い出されます。

ところで、卒業を機にふるさとを離れる人が多くなる時期です。日本は少子高齢化が進み、地方を中心に過疎化が進んでいます。かつて学んだ学校は閉校となり、今では地域の交流の場所として、衣替えしているところが多くなっています。 県内を旅すると、廃校になった校門の横に学校の歴史を刻む記念碑を見ることがよくあります。かって子ども達が走り周ったりキャッチボールをした運動場は、土のグランドが消え一面に草が茂り、過ぎた月日の長さを物語っています。

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鹿児島県は南北600キロメートルに及び、これは鹿児島市から大阪市までの距離になります。有人の離島は28ありますが、その中に小さな学校が多いのも特徴の一つです。子ども達は島に高校が無いためにやむなく県本土の学校に進学する生徒が多くなります。 また、高校を卒業すると県外の大学や企業に就職する生徒が多く、ふるさとを離れてしまいます。卒業後地元に帰る人は少なく、生まれた土地の魅力を語る機会も少なくなっています。

鹿児島県は、1956年(昭和31年)には210万人の人口でしたが、2010年(平成22年)の国勢調査によると、約170万人となっています。これからも人口は減少し、2030年には145万人と予想され25万人も減少します。 これからは交流人口を拡大することが不可欠であり、地域活性化の一つになるのではないでしょうか。

そのためには、県民が地域の魅力を悟り、自らPRすることで誘客を可能にすることが問われています。 地域に行くと、自分の町には観光客が来るような魅力はありませんと、語る人が多いのは残念なことです。日本人の国内旅行は成熟しており、温泉地で豪遊したり、名勝旧跡を主とする観光客は減少しています。

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今観光客は、地域に残る行事、祭り、ローカル線沿線の景観、地元の人が食べる食材、田舎のおもてなし、地域で輝いている人等に魅力を感じています。地域の情報発信力が問われています。 中央駅前にある「かごっまふるさと屋台村」が賑わっているのは、そこに行けば「かごしまの味」があり、「かごしまの人」に会えるからです。

今地域に人を呼び込むには、地域の生活・文化を旅人に提供することです。 雇用基盤が十分確立していない地域で生活することは大変厳しいことですが、交流人口を増やすことで新たな事業展開が可能となり、生活基盤を安定させる取組も欠かせません。 鹿児島は観光素材に恵まれ、また九州新幹線全線開業で県内各地へも行きやすくなりました。

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地域の魅力に触れる着地型観光が定着しつつあります。 ぜひ県外に出て行く若者に、鹿児島の魅力を語る人になって欲しいと思います。若者の旅立ちにエールを送るとともに、いつまでも「ふるさと」を忘れないで欲しいと思います。


      石がけに 子ども七人 こしかけて
                   ふぐをつりおり 夕焼け小焼け
                                       北原白秋
      海恋し 潮の遠鳴り 数えては
                   少女(おとめ)となりし 父母の家
                                       与謝野晶子

プロのキャンプがスタート~キャンプ誘致を地域活性化に活かせ~

2013年2月12日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

        冬ながら 空より花の 散りくるは
               雲のあなたは 春にやあるらむ
                        清原 深養父(清少納言の曾祖父)

     (注釈) 冬なのに 空から花が舞い散ってきた。
                 雲のかなたはもう春だというのだろうか
          *「空より花」は、雪のことを表し、雪→白→梅の花を連想している

立春が過ぎ、県内各地から早い春の便りが届いています。出水平野に越冬していたツルの北帰行が始まりました。開聞山麓では黄色い絨毯を敷いたような満開の菜の花畑に、薩摩富士と呼ばれる開聞岳が一段と美しく映えています。

奄美大島では、早春の訪れを告げるヒカンザクラが満開となり、3日には「奄美さくらマラソン」が開催され、全国からの多くの参加者で賑わいました。 先日春一番が吹き、鹿児島は春近しという感じです。

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プロ野球もキャンプインしました。沖縄県で8チーム、宮崎県が4チームと両県に集中していますが、途中から海外にキャンプ地を移すチームもあります。キャンプ地の選定には冬の気象条件が重要であり、平均気温が高いことや、晴天の日が多い場所が選ばれています。

その点両県はキャンプに適していると言えるのではないでしょうか。 また、沖縄県内に野球チームが集中していることは、練習試合にも都合がよく、開幕に向けての調整もしやすい環境にあります。

県内では薩摩川内市で、千葉ロッテマリーンズのファームが1ヶ月間キャンプを張ります。練習場に恵まれ、温泉があることや、市民あげての温かいおもてなしが定着していることが、毎年キャンプ地として選ばれている理由ではないでしょうか。

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一方サッカーでは、宮崎県で22チーム、県内では韓国のチームを含めて15チームが、鹿児島市、霧島市、指宿市、薩摩川内市、南さつま市、さつま町でキャンプを張っています。J1リーグのジュビロ磐田、清水エスパルス、浦和レッドダイヤモンズ、柏レイソル、J2の京都サンガF・C、は永年にわたり県内でキャンプを張っており、多くのファンが付いています。


キャンプ地として選ばれることは、地域に大きな経済効果をもたらしています。選手の宿泊、飲食に伴う経費は大きなものがあります。また多くの取材陣が訪れます。キャンプ地レポートとして毎日地域のことが全国に放送されることから、観光地として知名度アップにもなります。

2011年の沖縄県におけるプロ野球キャンプによる、関係者、マスコミの取材、ファンの訪問者等宿泊、飲食施設の利用等その経済効果は110億円と推定しています。(琉球銀行系研究所試算)

ところで、週末には一流選手の技を見るため多くの観光客や県民が訪れます。キャンプを受け入れている地域では、最大限の歓迎を持って受け入れる体制づくりが求められます。 交通整理や選手の安全確保にも努めて欲しいと思います。キャンプ滞在中怪我なく過ごせることが重要であり、地域の皆様の協力体制も不可欠です。

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また、プロ選手は、練習後や休日には飲食街に出かけたり、ゴルフを楽しんだりしますので、そこで選手に会えるチャンスもあります。 キャンプ期間中は、練習だけでなく、キャンプ地の住民との交流会や野球・サッカー教室等を開くなど交流を深めています。そのことが人気に拍車をかけています。県内でキャンプしているサッカーチームには、郷土出身者もいます。キャンプの休養日には親子で出かけて、日ごろはなかなかできない貴重なふれあいを深めて、ファンになって欲しいと思います。

鹿児島県は子供の頃からサッカー熱が高く、高校サッカーの全国大会では、優勝校を輩出しながらも、今までJリーグ所属のチームは誕生していません。いつまでも選手供給県でいるのではなく、一日も早くJリーグに加盟できるチームを育てなければなりません。有力スポンサーを核に県民からの寄付も募り、支援体制を確立することが重要です。九州新幹線全線開業で、福岡からの応援団も日帰りが可能となりました。

そのことで鹿児島での公式戦が可能となり、サッカーファンの増加、雇用の確保、応援ツアーによる宿泊者増、物販の販売等地域に大きな経済効果をもたらすことにつながります。

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ところでプロサッカーチームの誘致には、気象条件も大切な要素ですが、冬芝の完備されているグランドが不可欠です。県内には自治体や学校の統廃合で遊休地となっているグランドが多くあります。ぜひ数年かけて冬芝の育成に取組、プロを呼べる施設を作り上げて欲しいものです。県内には豊富な温泉が湧き、練習後の休養には最適な地域が多くあります。官民あげての誘致活動も必要です。

プロのキャンプが終わり春休みになると、学生の合宿・キャンプがスタートします。最近は県内全域に広がっているのが特徴です。鹿児島が誇る自然環境、練習場の豊富さ、温泉、食の魅力、おもてなしの心、宿泊に対する補助制度の充実を図り誘致を強化しなければなりません。

最後に県観光課では、「キャンプ地めぐりスタンプラリー」を実施しています。各キャンプ会場に設置されているスタンプを2種類集め、各キャンプ地に設置されている応募箱に入れると、後日抽選で特産品やチームグッズやユニホームが当たります。多くのキャンプ地を訪れてどんどん応募してください。(詳しくはパンフレットを参照)

今年はキャンプ地を訪ね、地域の食材にも触れ、鹿児島の素晴らしさを再確認しませんか。春はそこまで来ていますよ。              

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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