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グリーンツーリズムの受入で教育旅行のメッカに~屋久島との連携でオンリーワンの体験メニューを~

2013年4月1日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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平成25年度が今日からスタートとします。4月1日が月曜日ということでなにかと良い年の巡り合わせを感じます。 自治体や学校では新年度が始まりますが、新しい組織や新たなポストでのスタートの人にとっては、気の引き締まる年度始めではないかと思います。

         石ばしる
            たるみの上のさわらびの
                  萌えいづる春になりにけるかも
                         志貴 皇子~万葉集~

新学期になると、まもなく修学旅行も始まります。鹿児島県において民泊型教育旅行の受入は平成16年からであり、関東からの高校生が最初でした。

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特定非営利活動法人エコ・リンク・アソシエーションの調査によると、2校360名の受入が、25年度は67校、19,224人の取り扱いとなります。出水地域と与論島は独自の組織で受入を行っており、その数を合わせると93校、人員で24,800人になります。 受入農家は約1030軒(平成24年10月末現在)となり、一部の離島を除いて県下全域に広がっているのが他県との違いであり、今年から種子島での受入も始まります。

先日種子島で「グリーン・ツーリズムフォーラム」が開催され、熊毛支庁、西之表市、中種子町、南種子町、観光協会、受入農家等が参加して研修会を実施しました。南さつま市で「陽なたぼっこのよしおちゃん家」という民宿を経営している宮崎トミ枝さんから、受入の実情についての具体的説明がありました。受入前と帰るときの生徒さんの生活態度が大きく変わることについて、驚きや受入体制の責任の重さを感じました。

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種子島の本格的な受入は、26年度から始まりますが、1市2町の農家・漁家では定期的な研修会や先進地視察等を行って受入体制づくりの強化をはかっています。 26年には東京の著名な女子高校を受入する予定であり、これが試金石になると思います。

これからの課題としては、簡易宿所営業の許可を取得する農家・漁家を増やすことであり、それが他地域との差別化になります。取得には25,000円程度の経費がかかりますが、自治体の支援を含めて後押しが必要です。

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種子島は、本土最南端の佐多岬から南東約40Kmの位置にあり、鹿児島港から高速船で1時間45分と比較的本土に近い島です。日本で初めて鉄砲が伝わった地で、また、世界で一番美しいといわれるロケット基地があり、小中学校の社会の教科書には必ず掲載される島です。しかし県外の方には、どこにあるのか、どのような魅力があるのか、正確に答えられる人は少ないと思います。今後のPRが必要です。

行先として種子島という離島を選択していただいたからには、島ならではのオンリーワンの体験メニューとおもてなしを提供する必要があります。日本でいちばん早く収穫されるお米、糖度の高い安納芋、サトウキビ、レザーリーフファンなど豊富にあり、平坦な土地を活用し、グリーンツーリズムによる体験型教育旅行の誘致は最適と思います。

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島の東南端の海に囲まれたまばゆい景勝の地に、「種子島宇宙センター」があります。同敷地内にある「宇宙科学技術館」には、実物大のモデルやゲームなどを通して、宇宙開発におけるさまざまな分野を楽しみながら理解することができ、子供たちが宇宙に興味を持つことができる貴重な施設です。また発射場の近くまで行ける無料の見学バスがあり、大人も一緒に楽しめる場所です。子ども達に、いつか本番の打ち上げと、その迫力を体験させたいものです。特にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の誘致には最適な施設です。

また、島は遠浅のビーチが数多くあり、太平洋の荒波が打ち寄せる鉄浜海岸などは、絶好のポイントとなり、全国から多くのサーファーが集まり1年中楽しんでいます。農業体験の終了後、砂浜を素足で歩き、打ち上げられた漂流物や、貝殻を集めるなど海の体験は都会の子どもたちにとっては、貴重な体験です。

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千座(ちくら)の岩屋は、太平洋の荒波で削られてできた洞窟であり、千人が座れる広さがあることからその名前が付いています。白砂を踏みしめながら、近づくと潮の満ち引きで変化する洞窟が現れます。洞窟から太平洋に沈む夕日を見ると、生徒たちは感動に震えるのではないかと思います。生徒達にぜひ体験させたいメニューです。

西之表市内には赤尾木城址、日本初の火縄銃製造に成功した「種子島時堯公」の像、鉄砲の歴史が一目でわかる鉄砲館などがあります。また「月窓亭」は、大日本池坊総会頭職を務めた羽生道則などを輩出し、名だたる名家である羽生家の屋敷であり、明治以降においては、歴代種子島当主が居住するなどたいへん由緒ある建物であり、歴史の勉強に役立つのではないでしょうか。特に女子生徒には、生け花や茶道の体験場所としては最適です。

また、西之表港は種子島の玄関口であり、鹿児島、指宿、屋久島との高速船の発着港として恵まれた場所です。

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種子島への誘客には、「世界遺産の島・屋久島」との連携が不可欠です。それぞれの違った島の魅力を提供し、両島に宿泊させる取組が重要です。 佐世保市から定期船で3時間かかる小値賀島は、人口2700人の小さな島ですが、民泊を中心に年間修学旅行を10校受け入れており、島の活性化に大きく貢献しています。

24年度からスタートした錦江湾・離島航路修学旅行利用促進事業補助金制度もあります。九州新幹線全線開業による時間短縮効果が図られ近くなった種子島へ、グリーンツーリズムの魅力を活かし、教育旅行を誘致したいものです。

「着地型旅行」の魅力とは~「魅旅」の取組が地域の活性化に~

2013年3月25日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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人口減少や少子高齢化の進展に伴う地域の疲弊が進む中、交流人口の拡大で地域を活性化しようという動きが各地で見られるようになりました。受入側の地域が、地域資源を活用した旅行商品や体験プログラムを企画運営する体制が整いつつあります。

鹿児島県旅行業協同組合は、"魅旅"という愛称で着地型商品を造成し、地域への観光客誘致に努めています。

「発地型旅行」は「着地型旅行」と比較すると、都市圏の大手旅行エージェントが中心となり、交通機関や宿泊施設、観光施設を一括して安く仕入れして、大量にしかも安価で販売しているのが特徴であり、しかも大型温泉地や観光地巡りなど型にはまった旅行になりやすい。

一方着地型旅行は、地域の旅行会社が、従来大手エージェントが手掛けてこなかった地域資源を活用し、自治体や地域住民を参画させた独自性の高い旅行企画となっています。

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ここ数年着地型旅行が人気を博しているのは、まず、最近の旅行者のニーズが多様化していることがあげられます。鹿児島県の平成23年の宿泊統計で見ると、団体旅行が3割、個人旅行が7割となっており圧倒的に個人中心の旅行となっています。従来の名勝旧跡の見学、宴会型旅行が敬遠され、目的がはっきりした個人趣向の要素が強くなっています。

旅先で「現地をゆっくり歩きたい」、「地元の人が集まる店で一緒に歌い地元料理を食べたい」、「地元のひとの暮らしをもっと勉強したい」、「田舎の祭りに自分も参加したい」等個人が求めるニーズも多岐にわたっています。

そのことで地域と連携し、観光客のニーズに答えることが求められており、自治体の協力も得やすい環境になっています。地域に眠る資源の掘り興しと商品化で「観光まちづくり」にもつながります。

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一方では地元の人たちも知恵を出し、工夫をこらしたプログラムづくりが必要です。 観光まちづくりを進めることで、地域の新たな価値を創りだし、交流人口が増加し、そこに住んでいる人々も我が町に誇りを持つようになるのではないでしょうか。


ところで、「魅旅」は24年度は89本のツアーを催行し、2,004人を集客しています。方面別実績で見ると大隅地域が41本、離島の三島が16本、北薩方面が17本、南薩方面が6本、その他が8本となっており、圧倒的に大隅方面へのツアー催行率が高くなっています。

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やはり大隅地域は未開拓の観光地であり、県民も行っていない場所が多いのではないかと思います。大隅地域へのツアー参加者のアンケート分析結果を報告します。

男女別では全体の73%が女性で、男性は27%となっており、年齢別では60歳以上の占める割合は、男性参加者で83.9%、女性参加者が77.9%、合わせて78.8%となっており高齢者の参加者が多いのが特徴です。定年退職者は生活にゆとりがあり、自分の時間を自由に使える世代ではないかと思います。

参加者の居住地で見ると、鹿児島市内の方が82%と圧倒的で、企画募集の際は人口の多い大都市圏が有利です。県外をターゲットするよりまず鹿児島市からの誘客に力を注ぐべきです。同伴者では女性が友人・知人が多いのに対し、男性は家族同伴が主流であり、他人より身内を優先しています。男性は奥様に引っ張られて旅行に出かける人が多いのが特徴です。 

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参加回数は、初めての方が61%を占め、大隅地域の知名度の低さがあげられますが、2回以上の方も38%います。しかも参加者の満足度では、87%が満足しており大隅地域の魅力発信が重要であり、今後の企画にはずみが付くのではないでしょうか。

情報入手の方法は、新聞告知に続いて口コミが多くなっています。口コミは経験者が直接語ることで、確実に集客につながります。 また、申込みの手段としてHPからの情報入手は少なく、インターネットの活用が高齢者に一般化するのには、まだ時間がかかると判断せざるを得ません。

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参加した理由は、「行先に魅力を感じる」がもっとも多く、「体験メニュー」や「知人の勧め」、「食」と続き、行ったことのない大隅地域の未知の部分に惹かれているのではないでしょうか。



最後にツアー中の買い物金額は1千円~3千円が55%で多く、意外と消費金額が少ないと感じます。特産品やお土産を買う施設が少ないことをあげています。大隅地域は鹿児島県有数の農業生産地であり、直売店や魅力ある商品の開発が求められます。また、女性は物づくり体験や買い物、男性は散策や歴史、自然観賞、広域の観光等を望んでいることが伺えます。

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地域の魅力を探し出し、磨き、地域のブランド力を高める取組が今強く求められています。大隅地域は従来著名な観光地が少なく、行ったことのない県民が多いのも事実です。 九州本土最南端の佐多岬公園が無料化され、観光客を呼べる環境が整います。地域の人たちが住んでいる何気ないまちの日常生活や祭り、イベント、食等が新たな視点と感性で、着地型の商品に生まれ変わります。


鹿児島県旅行業組合の「魅旅」は、県民には知られていなかった地域資源を探し、磨き上げ商品化し誘客に努力しています。 これからの商品造成に期待するとともに、引き続き支援を強化していく必要があります。 そのことが県全体に新幹線開業効果を広げることになると信じます。
                      参考:体験交流型観光ビジネスモデル確立事業
                          鹿児島県旅行業協同組合 魅旅

大正大噴火から100周年を迎えて~桜島の魅力をいかに発信するか~

2013年3月18日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

錦江湾に浮かぶ桜島は、大正3年の大爆発で大隅半島と陸続きとなり、来年がその噴火から100年になり、記念イベントも計画されています。

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私の祖父はかつて桜島の対岸の牛根に住んでいましたが、大爆発の影響で大隅半島に転居を余儀なくされました。今でも牛根地区に親戚が住んでいることから、子供の頃は夏休みになると、近くの海岸でよく泳いだものでした。小生のルーツは桜島を望む地であり、噴火には特に関心があります。 近年爆発の回数が増え、今年はすでに250回を超えています。(3月15日現在)

活発な噴火活動を続ける桜島には約5,000人が、海を挟んでわずか4kmの市街地には60万人の人口が住んでいます。常に噴火を繰り返す活火山の近くに、このような大きな都市が存在している地域は世界中どこにもありません。

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爆発は大量の火山灰を伴い、周辺地域の農畜産物に大きな被害をもたらします。しかし訪れる観光客は桜島の噴火を目の当たりに接すると、自然の凄さに感嘆の声をあげます。先日海外のお客様を案内していると、垂水の牛根付近を通過中に桜島が爆発し、路肩に車を止めて噴火の姿をカメラに収めました。彼らは「ワンダフル」と驚嘆の声をあげていました。まさに世界に誇る鹿児島の観光資源です。

鹿児島中央駅前(以前は西鹿児島駅)に大きなビルがない時代は、駅前広場で観光客は、錦江湾にそびえる桜島をバックに記念写真を撮る姿がよく見られました。今では新幹線が到着すると、ホームの先端まで行き写真を撮る観光客が目につきます。

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市内に宿泊した観光客は、対岸にある湯之平展望所や桜島一周等に出かける人は意外に少ないと感じます。城山に登れば全体が見える山ですが、ぜひ島を巡ってその魅力を体感して欲しいと思います。


フェリーは24時間運行で一日83往復あり、わずか15分で桜島港(袴腰)と結ばれ気軽に行くことができます。 桜島に渡ることで、大自然の息吹に直接触れることができ、桜島の偉大さに気づくのではないでしょうか。宿泊者に対するホテルの従業員のお勧めや市民の後押しが必要です。

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桜島周辺には、豊富な温泉や、おいしい水など自然の恵みが湧き出ています。また、溶岩園や噴火口の近くを望める「湯之平展望所」、歌手の長渕剛さんがオールナイトコンサートを実施した「赤水展望広場・叫びの肖像」、大噴火の記憶をとどめる「黒髪埋没鳥居」等観光の名所となっています。

海から桜島と錦江湾の魅力を探る「よりみちクルーズ」が新たな観光コースに加わりました。春になると「ビワ」、秋は世界一小さい「さくらじま小みかん」、冬は世界一大きい「桜島だいこん」と厳しい自然のなかで育った農産物は、桜島の名産品として観光客に喜ばれています。

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桜島を訪ねたらぜひ立ち寄って欲しいのが、「さくらじま旬彩館」です。桜島で収穫された農産物を加工した製品が並べられています。特産の小みかんを活用したドレッシング、スパイス、ジャム、酢味噌等「おふくろ」たちの手による、おいしいアイデアあふれた加工品が観光客に人気です。

また、桜島には多くの文人墨客が訪れています。文化の香りが漂う句碑巡りも楽しみの一つです。名作「放浪記」を残した林芙美子の文学碑は、古里温泉を見下ろす公園にあり、彼女の生き様を表すような「花のいのちはみじかくて苦しきことの多かりき」の文章が刻まれています。林芙美子の母親の本籍地は、古里温泉であり「放浪記」の書き出しの部分にその記述があります。

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桜島港を望む高台にある月読神社の近くには、高浜虚子の「溶岩に秋風の吹きわたりけり」の句が、なぎさ遊歩道周辺には、金子兜太、角川晴樹、水原秋桜子や、志布志市出身の藤後左右の「夏山と溶岩(らば)の色とはわかれけり」の句碑があります。

また、太平洋戦争中、通信隊の基地があった桜島の洞窟陣地で終戦を迎えた梅崎春生は、戦後その体験を元に小説「桜島」を発表しています。

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「溶岩なぎさ公園」の中にある文学碑には次の文章が刻まれています。 「赤と青との濃淡に染められた山肌は、天上の美しさであった」。今も昔も変わらない桜島の美しさを表現しています。 公園内には全長100mもある日本最大級の足湯があります。熱い温泉で旅の疲れを癒し、桜島の雄大な景色を堪能してはいかがですか。

また、桜島では子どものイベントがよく開催されていますが、応援のため家族も一緒にわたることから観光の面からもメリットが大きく、これからも市街地に近い利点を活かしスポーツイベントの開催などを積極的に推進することが求められます。 

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また最近では、教育旅行のフィルドとして人気があり、NPO法人桜島ミュージアムの職員が、同行し説明を行っており、桜島の自然を活用した貴重な体験ができるメニューが人気を博しています。「温泉掘り」や「桜島ガイドウォーク」、「溶岩でピザ釜&ピザづくり」等は桜島ならでの経験です。 降灰という負の遺産を優位性に変え、身近に観察できる大自然の息吹を活かすことが大切です。


錦江湾にもし桜島がなければ、鹿児島市は印象の薄い都市となり、観光客を呼ぶことは大変厳しいと思います。 ぜひ多くの県民が桜島に渡り、その魅力に直接触れていただき、また、クルーズ船に乗り、海から見る桜島や鹿児島市街地の魅力も知っていただき全国にPRすることが、今求められています。

桜はなぜ日本人の心を惹きつける~地域に育つ桜の点検を~

2013年3月11日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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啓蟄(けいちつ)が過ぎ一雨ごとに温かくなっているように感じるこの頃です。北国では厳しい天候が続き、3月になっても雪に覆われた地域もあり、春はまだ遠いという状況ではないかと思います。狭い日本の中でこれほど気象の差に驚かされます。

日本は四季がはっきりしており、そのことが春夏秋冬それぞれ美しい自然景観をつくり出しています。美しい山河がもたらす自然の恵みを、私たちは草花や食を通して感じることができます。

春と言えば桜の開花が気になります。ウエザーマップ『さくら開花予想2013』によると、今年の開花日は高知県が3月21日で一番早く、鹿児島は3月25日で九州では一番遅い開花日予想となっています。桜前線は日本列島を北上し、北海道の函館での開花日は、4月30日となっています。(3月1日発表)

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開花予想は、ソメイヨシノの木を対象に全国54地点(奄美・沖縄地方をのぞく)の予想を発表しています。なぜ桜の開花予想がソメイヨシノかと言うと日本で一番多い桜の品種であり、全国的に生育している桜であるからです。


桜の開花予想は、旅行商品の販売には重要なポイントとなります。桜は開花から満開、葉桜へと長くても2週間程度で推移するため短期間の販売となります。 桜の開花に合わせて周辺の観光地を組み入れるツアーは苦労します。特に開花予想から雨や気温の差で早まったり遅くなったりで、常に緊張感を持って臨んでいるのが桜の旅行商品企画ではないかと思います。

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全国に桜の名所は数多くありますが、日本の5大桜と言えば、福島県の「三春滝桜」、埼玉県北本市の「石戸蒲桜」、山形県北杜市の「神代桜」、岐阜県本巣市の「薄墨桜」、静岡県富士宮市の「狩宿の下馬桜」です。


他にも北海道の松前城、五稜郭公園、東北の角館、弘前城公園、上野公園、長野県の髙遠城址公園、京都岡崎公園、大阪造幣局、奈良吉野山、福岡舞鶴公園、熊本城、都城市の母智丘公園、などが有名です。県内では、日本さくら100選の伊佐市の忠元公園、知覧平和会館、鹿児島市の吉野公園、甲突川河畔などが有名です。

今年全国的に話題となるのは、福島県の会津若松城や三春の滝桜ではないかと思います。 NHKの大河ドラマ「八重の桜」が放映中ということもあり、多くの見物客で賑わうことと思います。ちなみに福島の開花予想は4月10日となっています。

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桜は奈良、平安の時代から多く小説や歌の中で取り上げられています。源氏物語、枕草子、土佐日記等に加えて、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集などがあります。また近代の文人にも愛され多くの文学作品や短歌、俳句の題材となっています。 戦争に行く若者の激励や戦争で亡くなった人々を祀る神社等の歌詞にも使われています。

また、百円硬貨や警察官や自衛官の階級章等にも使用され日本人には、とりわけ愛着のある花ではないかと思います。豊臣秀吉は醍醐寺に700本の桜を植えさせ、盛大な花見を催したと言われています。

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これほど桜が慕われるのは、開花から散るまでの期間が短くて潔い印象が残り、また、色鮮やかさと木全体に彩りを放ちます。そのことが日本人の心を捉えるのではないでしょうか。 また入学や社会人へのスタートの時期と重なり思い出に残る花として、植樹される機会も必然的に多くなります。桜の前で撮影した思い出の写真をお持ちの方は多いと思います。

桜の咲いている期間は短いですが、多くの人々を惹きつけ、夜桜見物や花見の宴は楽しいものです。熊本県阿蘇にある九州一の銘木「一心行の桜」は、全国から多くの観光客を集め、公園の周辺には物産展や夜店が並びます。

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皆様の地域にも立派な枝振りで多くの花を付ける桜があるはずです。たとえば地域の銘木10本を選定し、簡単なパンフレットと位置図を作りPRしてはいかがですか。ウオーキング大会等で神社の境内や公園の桜を見せる努力が必要です。そして地域に来た人に農家レストランや直売店に立ち寄ってもらうことで、地域産品の販売につながります。まず周辺の住民や県民へのPRが必要です。

また桜の巨木や多くの桜が咲く公園では、地域の伝統芸能の発表会や農業市等を開催することで多くの誘客が図れます。地域の桜をもう一度点検されたらいかがでしょうか。桜の開花まで後2週間です。

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   山桜 咲きそめしより 久方の
           雲居に見ゆる 滝の白糸
                          源俊頼
   清水へ 祇園をよぎる 桜月夜
           こよひ逢ふ人 みなうつくしき
                          与謝野晶子
    夕桜あの家この家に 琴鳴りて
                          中村草田男

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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