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霧島に連泊したくなる取組を~変化した霧島連山を見るチャンスに~

2013年5月7日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

霧島連山の新燃岳は、2011年1月に大きな噴火をしましたが、現在は噴火警戒レベルは3(入山規制)で、火口から半径2kmの範囲は立入規制区域となっています。 新燃岳(1421㍍)を望む韓国岳(1700㍍)や高千穂峰(1574㍍)は登山ができます。

春の霧島(ミヤマキリシマ).jpg

県は、高千穂河原の登山口から新燃岳方面に向かう中岳探勝路を、4月27日から開放しました。探勝路はミヤマキリシマの群生地として登山者にはよく知られていますが、2011年の1月から立ち入りが規制となっていましたが、霧島連山の登山路拡大に大きな期待がかかります。

探勝路は、噴火の影響が心配されましたが、関係者によるとミヤマキリシマの新芽やつぼみが確認されており、5月の中旬が見頃と予想されています。
これから新緑とミヤマキリシマが美しい季節となり、多くの登山者で賑わい近くの霧島温泉郷は、宿泊者が増えるのではないかと思います。インターネットや顧客に対し情報発信の必要性を感じます。

ところで、新燃岳噴火当時は連日マスメディアで山の様子が報道されて、宿泊のキャン セルが相次ぎました。また、韓国人に人気のある韓国岳トレッキング、ゴルフツアー等が相次いでキャンセルとなったことも大きな痛手でした。

霧島温泉2.jpg

しかし、観光客が落ち込んだ時期に、霧島温泉地域では、おもてなしセミナーや接遇研修等サービス向上に努力した結果、「じゃらん人気温泉地ランキング2012」では、「温泉地満足度第一位」に選ばれるなど、地域ぐるみのおもてなしが評価されました。 その後の回復も早く、今でも九州を代表する温泉地として多くのファンに支持されています。

これからの霧島地域の課題は、連泊させる取組の推進です。従来の登山客、湯治客だけでなく、遠方からのお客様が周辺地域の観光地に出かけ、もう一泊させる態勢づくりが求められます。

まず地域連携の強化です。近隣の大隅地域には、悠久の森、大川原峡、溝ノ口洞穴、桐原の滝や都城市の関之尾滝があり、駅を起点にウオーキング等に最適な場所です。四季折々に変化する渓谷や田園風景を見ながら歩くと、美しい日本の原風景に出会えます。 湧水町には「霧島アートの森」が、伊佐市には「曽木の滝」、「曽木発電所遺構」等文化施設や名勝旧跡が点在します。

また、人吉までも約1時間30分の距離です。人吉は、青井阿蘇神社を中心に酒蔵廻りや醤油・味噌蔵など街の佇まいが中高年の旅情をかきたてる場所です。

嘉例川駅(外観).jpg

霧島地域は鉄道の路線にも恵まれおり、「はやとの風」は人気の列車です。嘉例川駅に車を置き、吉松駅で「いさぶろう」「しんぺい」号を利用し、人吉で半日程度滞在し、嘉例川駅に戻る旅も沿線の風景が懐かしく、小旅行が楽しめます。


これからの霧島地域での重要課題は、教育旅行の誘致です。関西地域から25年度は5,200名、26年度は5,500名の生徒が集約臨時列車を利用し鹿児島を訪れます。

現在出水駅や鹿児島中央駅で下車し、県内に2泊していますが、新八代駅で下車した後、人吉でラフティングを体験し宿泊は霧島温泉で、翌日大隅地域で漁業やグリーンツーリズムを体験し、民泊する新しいコースを提案してはいかがでしょうか。

新幹線を利用し大隅地域に宿泊すれば錦江湾内のフェリーと運賃が補助される制度もあります。大隅地域は今グリーンツーリズムの誘致促進を図っています。 夏場の涼しい気候をPRして勉強やスポーツ合宿、各業界団体の県・九州大会等のコンベンションをもっと誘致しなければなりません。

他の地域に比べてJRの駅が多く、しかも空港や高速道路のインターが近く、移動する にはまさに恵まれた地域です。 また、温泉の質が多彩で、食、おもてなしの心、四季折々の自然が美しく何回訪れても飽きない地域です。多くの露天風呂が存在することから、外湯と農家レストラン、直売所廻りで過ごすのも良いのではないでしょうか。

九州オルレパンフ.jpg

ところで、霧島山の開放を心待ちしているのは、韓国の人々も同じだと思います。原発事故、竹島問題等課題は多くありますが、円安傾向になり、鹿児島を訪れる韓国人は増加傾向にあります。

今年の2月には、九州オルレに霧島妙見コースが選定されました。コースは約11km、 所要時間は4~5時間で連泊する条件としては、大きなインパクトになるのは間違いありません。しかも鹿児島に宿泊する外国人の33%は韓国人であり、大きな経済効果も見込めます。(24年実績)



夏休み旅行のエージェントの商品造成もこれからが本番です。霧島への商品企画をぜひ増やして欲しいと思います。

県と観光連盟では、噴火、登山、イベント、食、花等について、ホームページで適宜紹介しています。今回も早速ホームページで探勝路の開放について掲示しました。県民の皆さんも、霧島山へ出かけていただき、新しい霧島の魅力を県外の方々に伝えて欲しいと思います。

九州新幹線も、3年目に入り開業業効果の勢いにも陰りが感じられます。今回の探勝路開放でも新燃岳の近くまでは行けませんが、久しぶりにミヤマキリシマの群生が観察できるのではと思います。

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新燃岳にできた新しい山の形は、霧島の名所になっています。霧島地域は世界ジオパークの認定を目指して、地域で様々な取組も推進しています。特に観光関連業界の方々は、自らの足で霧島地域周辺魅力を知り語って欲しいと願わずにはいられません。そのことが滞在者を増やすことになります。

県民の皆さんも山に登ることで、変化する霧島の山々の美しい姿に感動するのではないでしょうか。

ゴールデンウィークはどこに行きますか?~県内の魅力を再発見する機会に~

2013年4月30日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

5月の4連休が間近となり、民家の庭先に高々と鯉のぼりが泳ぐ姿が美しい季節となりました。

【歌詞】こいのぼり 作詞:近藤宮子 作曲:不明
                  屋根より高い  鯉のぼり
                  大きい真鯉は  お父さん
                  小さい緋鯉は  子どもたち
                  おもしろそうに およいでる

【歌詞】こいのぼり 作詞:不詳 作曲:弘田龍太郎
                  いらかの波と  くもの波
                  重なる波の   なかぞらを
                  橘かおる    朝風に
                  高く泳ぐや   こいのぼり

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2曲とも端午の節句に飾られる鯉のぼりをテーマとした日本の童謡・唱歌です。 こいのぼりは、元来日本の伝統的風習で、江戸時代に武家で始まったとされ、男児の出世を願って、家庭の庭先で鯉に模した吹き流しが飾られました。端午の節句である旧暦の5月5日までの梅雨の時期に飾られることから、「皐月のぼり」とも呼ばれます。

最近、田舎では子どもの出生が少なくなり、高々と大きな鯉のぼりを掲げる家庭も少なくなりました。一方、都会では集合住宅のベランダ内に飾る程度のこいのぼりしか見られなくなり、四季を表す日本の伝統的文化を強く受け継ぎたいものです。

日本各地では、こいのぼりにちなんだ行事をおこなっているところがあります。 熊本県と大分県の県境にある杖立温泉では、杖立川の両岸をロープでつなぎ全国から集められた3,500匹の鯉のぼりを泳がせており、その数は日本一と言われています。 多くのメディアにも取り上げられ、その光景をカメラに収めるため全国から観光客が訪れます。佐賀県の川上峡や南九州市の万之瀬川でも同様な光景が見られます。

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土佐和紙の産地で知られる高知県いの町では、水にぬれても破れない和紙を用いて作られたこいのぼりが仁淀川に流され、川下りをしながら水中を泳ぐこいのぼりを見ることができます。普通は空を泳ぐこいのぼりですが、これを仁淀川という清流の中で生きる鯉のように泳がします。

これは、和紙文化と清流との関わりの深さを次世代に引き継がせるためであると、主催者は語っています。「鯉は水に帰って自由に泳ぐ」という発想から生まれたイベントが今や四国を代表する観光イベントになっています。

県内では薩摩川内市が川内川河川敷に幟を立て、こいのぼりを泳がせており、国道3号や新幹線からも臨むことができ、河畔を散策する人の目を楽しませています。伝統的行事を、子どもの頃から四季折々に見せることは、地域を愛する心を育てる良い機会になると思います。

ゴールデンウィーク中には県内でもさまざまなイベントが開催されます。

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かのやばら園では、「かのやばら祭り2013春」が開かれています。8haの敷地に、約4,000種類5万株のばらが植栽され、GWが見頃となります。日本最大級のばら園では、切り花の体験やスケッチ大会等多彩なイベントが開かれます。


今年はイングリッシュローズガーデンも順調に開花しており例年にない美しい光景が見られるのではないでしょうか。かのやばら園は、静岡市のNPO法人から県内唯一の「恋人の聖地」にも認定されています。
近くにある鹿屋航空基地史料館は無料で見学でき、会館の外にある展示品は、かつて日本の空で活躍した実物の飛行機であり、親子で楽しめる施設ではないかと思います。

佐多岬に通ずる公園道路が無料化されたことにより、九州本島最南端の佐多岬に多くの観光客が訪れることが想定されます。GW期間中は旧レストハウス先の歌碑広場まで行くことができます。

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山川~根占港を結ぶフェリーは、便数と車搭載に限度がありますので、GW期間中は、陸路で岬に行くことをお勧めします。周辺の諏訪神社、雄川の滝、神川の大滝、花瀬公園、岸良海岸、パノラマパーク西原台等春の自然の息吹が感じられる場所です。

南さつま市の「2013吹上浜砂の祭典」では、大小60数基の砂像展示、音と光のファンタジー、人気キャラクターショー等の演出など、子どもも一緒に楽しめるイベントが開催されます。

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第1ステージ(2~6日)の期間中は、鹿児島中央駅と祭典会場を往復する便利な直行臨時バスも運行されます。松林から吹き抜ける風が爽やかで、多くの出店がありグルメも楽しめます。地元で収穫された「砂丘らっきょう」は、地域の特産として人気があります。 少し足を伸ばして、笠沙の大当の石垣群の里、谷山の段々畑、杜氏の里等美しい日本の原風景が残る地域を訪ねてみてはいかがですか。

枕崎内港水揚場一帯では、「こどもの日かつおまつり」があり、かつお一本釣り大会や、鰹節削り大会など枕崎ならではの催し物が開催されます。新鮮な魚や水産加工品、お茶などの展示即売会も大人気です。

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JRの最南端の終着駅である枕崎の駅舎が復活しました。どこか旧駅舎を思わせるレトロ館漂うノスタルジックな造りで、六角形の屋根にはステンドグラスが施されています。
枕崎市では、商店街NO1決定戦Show-1グランプリで2年連続グランプリに輝いた「枕崎鰹船人めし」を売り出し中です。沿線の美しい茶畑や開聞岳の姿が美しい指宿枕崎線のゆったりとした汽車の旅も風情があります。ぜひ港町の風情が残る枕崎をお訪ね下さい。

鹿児島市の仙巌園では、島津家に伝わる大きな五月幟(のぼり)が登場します。高さは13mにもなります。GW期間中は、「GWは君が殿様だ!」の名の下に家族で楽しむことができるイベントが開かれます。遠出ができない方は、鹿児島の歴史に触れる最適の場所であり、噴煙を上げる桜島の雄姿も庭園から見ると格別です。

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霧島山は、大浪池、韓国岳、高千穂峰への登山ができます。美しい新緑と変化した新燃岳の姿に会えると思います。登山で疲れた体を温泉で癒してはいかがですか、魅力的な露天風呂も点在しています。


その他、垂水市の高峠など県内各地でツツジが見頃を迎え、長島町では花フェスタ等も開催されています。 今年のゴールデンウィークは、5月5日にまだ空室のある施設があります。インターネット等の情報を検索してください。

こいのぼりが大空に高く泳ぐ日本の原風景を求めて、ゴールデンウィークは旅に出かけませんか。 今県内には、農林・水産物の直売所やレストランが165箇所あります。(25年3月15日現在:公益社団法人 鹿児島県農業・農村振興協会調査) 県内各地を訪ね鹿児島の農水産物、ふるさとの魅力を再発見する機会にしませんか。

      ふるさとの 山にむかいて 言うことなし
          ふるさとの山は ありがたきかな    ~石川啄木~

参考 このままではもったいない:二瓶長記著:長崎出版
こいのぼり:Wikipedia

修学旅行の専用列車の運行開始~かごしま流のおもてなしで仕向地としての定着を~

2013年4月22日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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新学期に入り、修学旅行のシーズン到来です。
鹿児島中央駅に、学生服に真新しい旅行バッグを抱えた集団が見られるようになりました。JR西日本とJR九州の協力のもと、関西地域からの新幹線の修学旅行専用列車の運行が間もなく始まります。


平成25年度は、25校、5,200名の中学生が初めて関西地域から集約臨時列車を利用して鹿児島を訪れます。集約臨時列車とは、学生団体専用の貸切新幹線のことで、時間も特別に設定した列車です。(一部定期列車の利用あり)

普通学生団体の場合、運賃は半額になりますが、特急料金の割引はありません。この列車の特徴は料金が半額になることです。九州新幹線が全線開通したことにより、時間短縮効果が図られ、関西からの行く先として鹿児島の魅力が増したと言えます。

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関西地域からの修学旅行の行先は、飛行機利用の沖縄や、博多までの新幹線を活用した西九州地域が主流です。時間短縮効果や集約臨時列車運行による料金軽減、体験メニューの豊富さ等が、行先の変更先として鹿児島への選択肢が増えたといえます。

最近の教育旅行のニーズは、名勝旧跡等の見学中心の旅行から農業・漁業などの自然体験、ものづくり、街を歩きながらの歴史の勉強、戦跡や史料館を通しての平和学習、ゴミ問題や水質汚染についての環境学習、地震・火山など災害への対応等さまざまであり、複数のカリキュラムを取り入れる学校が増えています。

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通常鹿児島中央駅に着くと、桜島での火山学習をして鹿児島市内や指宿温泉に宿泊し、翌日は昼から南さつま地域でのグリーンツーリズムと民泊の体験、翌日は知覧での平和学習と鹿児島市内でのまち歩き歴史探訪等複数のプログラムを組み入れた旅行が多くなっています。

桜島の自然の凄さ、初めて触れる土の感触、新鮮な食べ物、親に勝る心で接してくれた民泊先の人々の温かさに感激し、また来たいと涙を流す生徒もいると聞きます。

鹿児島を修学旅行先として選ぶ学校が増えているため、体験民泊地は南さつま地域から大隅、種子島地域へと広がりをみせています。九州新幹線の全線開業で、時間短縮効果と、集約臨時列車の運行で、27年以降も鹿児島方面へ行先を変える学校が増加するのではないかと期待されます。

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体験型教育旅行においては、大分県の安心院、長崎県の松浦や島原、小値賀、佐賀県の唐津が人気を博しています。鹿児島の優れた自然環境、歴史等を活かして他の地域との差別化を図り、新規需要の開拓が求められます。


そのためには、鹿児島ならではの体験メニューの提供、おもてなしの向上、また、受入側の安全面に対する意識を向上させ、体験学習における安全性を確保することが何よりも重要です。

昨年、旅行出発3日前に受入家庭が数軒変更になるという事態が発生し大きなクレームになりました。変更理由は、主人に業務が入って受入ができないということでした。 業務が入ることが想定されれば、最初から受入をしないことが相手に迷惑をかけないことになります。

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学校側は修学旅行の出発前から十分な時間をとり、受入地域の研究、民泊に対する準備や指導を行っており、受入地域や家庭が変わることは、事前研究の見直し、父兄への連絡、プリントの印刷変更と大変な業務を伴います。学生の受入に当たっては慎重な対応が求められます。

また、生徒の宿泊先は登録許可をもつ簡易宿所ではなく、一般の農家・漁家がほとんどです。料理はみんなで作るというのが絶対的なルールであり、保健所の指導により、手洗いの励行、生ものを出さない、火を通すなど保健衛生面での格段の配慮が必要です。

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また農業体験では、農機具などでの怪我や事故にあわないような格段の注意が必要です。都会の生徒の多くは、家での家族との会話が少なく、民泊先での温かい心のふれあいに 涙する生徒が多く、家族同様のおもてなしに感動します。


鹿児島県は、教育旅行のニーズに対応できる環境が九州のどの地域よりも揃っていると思います。そのためには、地域での人材の確保、学校現場が安心して生徒を宿泊できる環境にある簡易宿泊所の登録推進が求められます。

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長崎県の松浦地区は年間3万人の学生を受け入れていますが、90%以上が「簡易宿所営業の許可」を取得していますが、鹿児島では、約1000件の受入農家のうち10%程度です。ぜひ許可を取得して、学校側の信頼を確保して欲しいと思います。


25年度は、24,800人の民泊が予定されていますが、もう1泊は、温泉地や市内でのホテル宿泊がほとんどです。連携し新しい需要開拓で相乗効果をもたらす努力が必要です。

新幹線による集約臨時列車の運行は、永続的に顧客を確保する一番の安定策であり、鹿児島への教育旅行が増加することは、経済的効果も大きく大変ありがたいことです。 一方では鹿児島の学校と実施時期が重なります。貸切バスやガイドさんの確保が厳しくなっています。昨年の高速バス事故等でより安全なバスの運行態勢がもとめられています。

また、ガイドさんへの就職希望者が少なく、各社ともガイドさんの絶対数が足りません。 県内の学校は、2泊3日の行程で九州管内をバスで利用する修学旅行のため、シーズンのガイドさん不足は切実な問題となっています。

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県教育旅行受入対策協議会、鹿児島県観光連盟、鹿児島県バス協会で関係団体に、実施時期変更等の要請も行っています。学校行事を考えると大幅な変更は難しいのが現状です。 県外の学校は集約臨時列車の関係で2年前に実施時期が決定するのに対し、県内はほほ1年前に決定するのが通例となっており、計画の段階でバス不足が懸念されます。 このような状況が続くと教育的価値の高い修学旅行の実施が危ぶまれるため、何らかの打開策が必要です。

関西地区と同様に鹿児島中央駅発の集約臨時列車の設定を行い、現地で他県のバスを利用する方法も考えられます。また、オフ時期のバス、宿泊代等の軽減化で実施時期の変更も考えられます。関係する団体で協議会をつくり、諸問題の解決を図ることが求められています。

一度鹿児島を訪れた子供達は、成人したらまた来てくれるリピーターにもなります。温かいおもてなしで、子供達に大きな夢をもって帰ってもらいたいものです。 生徒さんたちに学生時代のよき思い出として残る修学旅行を提供できる場を提供していきたいものです。

第30回国民文化祭・かごしま2015の成功に向けて~県民の参画意識をいかに高めるかがかぎ~

2013年4月15日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

国民文化祭は、全国各地で行われている各種の文化活動を全国規模で発表、競演する機会を提供することにより、国民への文化活動への参加の機運を高め、新しい芸術文化の創造を促すことを目的として開催されます。

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昭和61年から毎年、各都道府県持ち回りで開催されている国内最大の文化の祭典であり、記念すべき第30回大会が、2015年鹿児島県で開催されます。


本県で国民文化祭を開催する意義として、
県民一人ひとりが、企画・運営に主体的に携わり、常に進取の気性に富み、異文化とのふれあいを通じて先人が創り上げてきた誇るべき鹿児島の風土や文化芸術に触れ親しむなかで、我々が「違い」に寛容で、進取と含羞の心を併せ持つ「鹿児島県民」であることへの誇りを共有し、再認識することです。

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また、県、国境を越えた地域や人々との連携交流などから生まれる新たな文化芸術の創造や脈々と受け継がれてきた伝統的な文化芸術の価値や重要性を尊重しつつ、現代の「鹿児島らしさ」を失ってしまった「鹿児島らしさ」を見つめ直し、未来へと繋ぐ契機となるような国民文化祭にしたいとしています。

今回の国民文化祭の特徴として、県下43の全ての市町村で何らかのフェスティバルが開催されることです。これまで「ねんりんピック」や「都市緑化フェア」など大型のイベントが開催されましたが、参加人員では、それらを大幅に上回る参加者が予定されています。平成22年の岡山大会では、190万人が参加しました。

すでに実行委員会が組織され、準備がスタートしています。

1 開催期間については、
(1)主催事業 2015年 10月31日(土)~11月15日(日)[16日間 ]
(2)協賛事業 2015年  7月 ~ 11月 [5か月間 ]

2 テーマは、
本物。鹿児島県 ~文化維新は黒潮に乗って~ です。

3 マスコットキャラクターは、
かごしまPRキャラクター「ぐりぶー」とかごしまPRサポーターの「さくらじまん」を活用します。

4 愛称、ロゴマーク
ひっとべ!かごしま国文祭 です。

5 主催事業開催等
(1)総合フェスティバル(2事業)
(2)シンポジウム(5事業)
(3)分野別フェスティバル(102事業)
(4)県民自主提案事業
となっています。

今後大会の成功に向けて、県民あげての協力が必要であり、観光振興にも役立てていかねばなりません。
まず始めに県内全ての43市町村で何らかの文化イベントが開催されることから、国民文化祭への関心をいかに高めるかが第一です。

開催まで2年あまり、プレイベントを開催するなど告知を徹底する必要があります。文化イベントは、スポーツイベントに比べて集客が難しく、日頃から趣味で楽しんでいる人々しか参加しないケースがよくあります。多くの市民に参画させる努力が必要です。

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そのためには、前年に開かれる大会の下見ツアー等を実施して市民の関心を高める必要があります。また、地域の自然や文化、周辺の観光地なども定期的に所属団体にPRして、開催地としての情報発進力が問われます。さらに、交流を第一に参加者との事前の接点を増やす努力や地域のおもてなし力が問われます。

今回の大会は離島でも各イベントが開催されます。大会のスローガンにあるように、黒潮に乗ってのイメージを大切にしたいと思います。県内には28の有人の離島がありますが、それぞれ独特の文化や風土があり、大会後の観光客誘致のためのPRの大切さを感じます。

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国民文化祭では、多くの子どもやお年寄りを参加させることで、後継者の養成にもつなげねばなりません。学校を卒業すると地元を離れることが多い鹿児島の子ども達にとって、地域の文化を知ることは郷土愛を育てることになります。



県内で文化事業を興行しても、中々集客が厳しい土壌であると関係者から聞きます。今回の国民文化祭は、カルチャー文化を育てるいいチャンスにしたいものです。開催まで市民の関心をいかに引き寄せることができるか問われています。国民文化祭がその機会になることを期待します。

                      偶  成
                少 年 易 老 学 難 成
                一 寸 光 陰 不 可 軽
                未 覚 池 塘 春 草 夢
                階 前 梧 葉 已 秋 声

参考:第30回国民文化祭・かごしま2015
基本構想 鹿児島県

MICEへの取組強化で地域の活性化を~集客・交流で新たなビジネスの構築~

2013年4月8日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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平成19年1月に施行された観光立国推進基本法に基づき、政府は観光立国の実現に関するマスタープランを作成しましたが、その重点施策の一つが国際会議の誘致促進です。 2010年日本での国際会議の開催件数は741件で、東京(190件)、横浜(82)、京都(61)、神戸(45)、大阪(32)、札幌(31)と続き、大都市圏に集中しています。

日本が国際会議への取組強化を進める背景には、交流人口の拡大は国の成長戦略に不可欠であり、特に急激な経済発展を続けるアジアからの誘客は、重要な戦略となっています。 国内外を問わずビジネス・観光を兼ねた多くの人が集まることから、経済効果は宿泊、交通、通信、通訳、飲食店、お土産品、観光関連施設等多くの業種に及びます。

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アジアでは、24時間空港を持つシンガポールやソウルが国際会議の誘致に力を注いでいます。 国際会議の誘致しやすい条件としては、会議場や宿泊施設が整っている。国際空港が近い。会場までの交通アクセスが便利である。通訳・案内業務がスムーズにいく態勢ができていることなどです。
日本国内でも国際会議の誘致を含めて、MICEに積極的に取り組んでいる自治体が増加しています。


MICEとは下記の4つの頭文字「M」「I」「C」「E」からとった造語です。

・Meeting
企業の会議、セミナー等
グループ企業の表彰式、投資向け金融セミナー、商談会、キックオフセミナー
銀行が行うクライアント向けの投資セミナー、企業の支店長会議、周年事業

・Incentive Travel
従業員やその代理店の表彰や研修などの目的で実施する旅行
保険会社が保険獲得優秀社員への報奨旅行、ディーラーや電気店の販売店の目標達成旅行、ホテル貸切による社員感謝祭

・Convention
国際団体、学会、業界団体、学術会議や総会
世界ロータリークラブ大会、ライオンズクラブ大会、商工会議所大会、
日本PTA大会、校長大会、医学界総会、全国法人会総会、商工会全国大会、
弁護士会総会、各教科別の研究大会、各業種の大会

・Event/Exhibition
音楽・文化・スポーツイベント、展示会、見本市、農業祭
国民文化祭、モーターショー、オリンピック、ワールドカップ、郷土芸能祭
市民マラソン会、ウォーキング大会、国体、県民体育大会、インターハイ等

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一つの大きな国際会議を開くためには、メイン会場の他にいくつかのサブ会場が必要です。東京、大阪、京都、神戸、札幌の大都市に比べると、鹿児島は、本格的な国際会議場の不足はゆがめません。また、外国語表記、通訳の確保、銀聯カードの使用店の拡大等も不可欠です。

九州においては、北九州市、福岡市、別府市、長崎市、宮崎市、熊本市に国際会議場を備えた施設があります。国際会議の誘致にはこれから各都市がしのぎをけずります。コンベンション誘致態勢の強化や会場整備を急ぎたいものです。

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一方国内コンベンションの開催は鹿児島市での一極集中であり、指宿市、霧島市、鹿屋市、出水市、薩摩川内市、奄美市などでも大会を誘致する必要があります。 また、桜島ハーフマラソン、指宿菜の花マラソン、菜の花ウォーク、霧島市のハネムーンウォーク、屋久島ツーデーマーチ、ヨロンマラソン、出水ツルマラソン、種子島ロケットマラソン、南さつま市の砂の祭典等県内には多くのイベントがあります。イベントを活性化させるには、隣県や県内からいかに集客するかが問われています。

1000名程度の大会であれば、国内の会議やスポーツ大会等の開催は、地方でも可能ではないでしょうか。そのためには、誘致するための組織体制の確立が必要です。 行政や観光団体と連携し、定期的に各種団体の事務局や教育委員会、大学等をセールスし我が町での開催を働きかけねばなりません。春休み、夏休みを利用した学生のスポーツ大会等は、スポンサーを確保して運営することが経費の面でも助かります。

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自治体の統廃合や学校の閉校などで、グランドや体育館等の空きは多く、宿泊施設の不足分は近隣の市町村と連携すれば解消できます。特に離島は、生活文化の違いや自然の魅力を売りに、大会誘致を進めることが得策です。離島甲子園や離島サミット、島巡りマラソン、ウォーク等は、離島の知名度アップにつながります。

「世界自然遺産登録20周年」の屋久島、「日本復帰60周年」の奄美群島は、今年は大会誘致にはいいタイミングではないかと思います。

一方ではアフターコンベンションの受入を強化することも重要です。鹿児島で全国大会を開くと、終了後のエクスカーションの参加者が多くなります。それは観光資源に恵まれていることや、九州本土最南端の県であることから、延泊して指宿や霧島、離島などに行く人が多くなるからです。屋久島へのツアーは特に集客が見込めます。

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鹿児島は豊かな自然に恵まれ「本物。鹿児島県」の魅力は、観光客の心を捉えます。特産品や飲食店への波及効果も大会誘致のメリットです。 自治体は、最初から国際会議や全国規模の大会ではなく、九州大会や県大会などのコンベンションの誘致、食やスポーツのイベント等を開催することから始めるのが得策ではないかと思います。



MICEの分野は広く、受入可能な市場から開拓し地域の活性化に繋げることが必要です。交流人口の増大は、多くの経済的効果を生み出します。今こそ地域総力戦で、MICEに取り組むことが求められています。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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