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上海線の重要性について~環黄海経済地域の発展を学ぶ機会に~

2013年6月17日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

 昨年から就航している格安航空会社ピーチや、中華航空台北線はこの1年順調に推移してきましたが、一方、上海線は現在週2便体制ですが、尖閣問題や環境問題等の影響もあり利用者が伸び悩み、フライトキャンセルの便がでるなど苦戦を強いられています。そこで県では、この路線の重要性に鑑み、上海派遣短期特別研修として民間の方々も含め1,000人を派遣する計画です。

東方航空飛行機.jpg

 上海線の重要性について述べてみたいと思います。日本の人口減少による経済規模縮小は明らかであり、アジアの時代における鹿児島県の将来の発展の基盤づくりとして、地理的優位性を活用した交通ネットワークの拡大が求められており、交流人口の拡大は不可欠です。

 また、農林水産物の輸出促進は、アジアの活力を取り込み、地域活性化の観点から極めて重要なことです。上海は大きな経済成長が見込まれる環黄海地域(中国では、北京市、天津市、河北省、遼寧省、上海市、江蘇省、山東省。韓国では釜山、仁川、光州、太田、京幾道、中清南道、済州道、全羅北道、慶尚南道)の主要都市の一つです。  南に開かれたアジアの玄関口として、上海はその中心に位置し、また、鹿児島県と同緯度にあり、100分程度で行けることからも、これから益々重要な都市となります。

上海高層ビル群.jpg

 中国の環黄海地域の沿岸部には、3億人の人口がおり比較的富裕層が多いとされており、3千万人が海外旅行に行くともいわれ、日本への渡航者も増えています。これからも医療、観光、物流等上海との交流は、鹿児島として大きな経済効果が期待されます。特に鹿児島が誇る「温泉」、「世界自然遺産」、「おもてなし」、「食」、「ゴルフ」等は、魅力です。

 鹿児島から上海経由で中国の主要都市、ヨーロッパ各地へも行けます。また、全線開通した九州新幹線と福岡空港・鹿児島空港を組み合わせることで、ベトナム、タイ、シンガポール、台湾、ソウル、香港等アジアの主要都市との交通ネットワークが形成されます。

新幹線×2.jpg

 今回の研修で、発展する都市上海の姿をつぶさに勉強し、人脈を広げることで鹿児島との大きな経済交流が広がります。また、教職員にとっては、中国3千年の歴史に触れ、古い中国と新しい中国の姿をみて、将来の若者の交流に繋げて欲しいと思います。路線開設当初は多くの青少年交流団体が往来し、両国の絆を強くしました。

 また、「歴史部会」、「地理部会」、「書道部会」、「国語部会」等教職員の専門分野の訪中団も活発でした。修学旅行先として、県内の多くの高校が上海を訪れ、事前の生徒同士の交流や学校訪問も行いました。観光は平和のパスポートです。中国への再訪を期待したいと思います。

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 ところで上海周辺には、歴史的遺産を始め多くの観光地がありますが、その魅力についてご紹介します。上海市から1時間の距離にある蘇州は、絹織物の一大産地でシルクの工場が多いことで知られています。また、運河による水運が生活に溶け込んでいることから、旧市街地及び周辺の水郷地帯を含めて運河が多く、「東洋のヴェニス」とも呼ばれます。


 また、世界遺産の拙政園は池や堀が多くあり、四季の草花が池に映え、その景観を参考にする日本の造園業者の視察が絶えません。虎丘は、8角7層の虎丘塔からなり、現在少し傾いているため「イタリアのピサの斜塔」と比べられます。 高校の国語の教科書にも出てくる寒山寺の旅情を詠った「楓橋夜泊」の漢詩は有名です。

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 江蘇省の省都である南京市の郊外には、広大な敷地に中山陵がありますが、近代中国建国の祖孫文の墓陵です。孫文は日本に通算約9年間滞在していたこともあり、日本での生活を支えていた人は千人をこえていると言われており、彼の人物像が日本でも語り継がれています。

 「無錫旅情」で有名な無錫は、太湖に接し典型的な中国の古い城壁に囲まれた都市で、日本からの進出企業が多いことでも知られています。 杭州は、かつてマルコポーロが東洋一美しい街と賞賛した中国八大古都の一つです。市の西側には世界遺産の西湖があります。

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 上海は、中華人民共和国の経済の中心地であり、その発展にはすさまじいものがあります。京セラやSONY、トヨタ等日本の一流企業が進出し、鹿児島県人も多く働いています。中心部にある外灘(ワイタン、バンドとも呼ぶ。)は、昔の面影が残る黄浦区にあり、上海随一の観光エリアです。外灘の「観光地下トンネル」の演出には驚かされます。

 また、上海は、租界時代の行政と経済の中心であったことから、現在でも金融関係や官庁が多くありますが、大型のブランドショップや洋装店、レトロな雰囲気を活かした飲食店が多く、おしゃれな街に変貌をとげています。最近の街づくりも参考としたいものです。

 さらに、空港から市内までリニアモーターカーで結ばれており、時速400キロの高速鉄道の快適さを堪能して欲しいと思います。また、高さ492m、101階を誇る上海ヒルズからの眺望は必見の価値があります。

 小生は、これまで中国には40数回渡航し、変化する中国の姿を見てきました。鹿児島とほぼ同じ緯度に位置する上海は、東京より近く、気軽に行ける国際観光都市です。今、アジアの拠点である上海とのアクセスが無くなると、鹿児島の将来にとって、大きな損失となります。上海線の路線維持については、官民挙げての支援が必要であり、相互交流が重要です。

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 県交通政策課にある鹿児島空港国際化促進協議会(099-286-2459)では、鹿児島空港国際線ご利用の6人以上の団体・グループに、渡航経費の一部を助成しており、6月から補助金額も増額されています。県民の皆さんもこの補助制度を利用して、NOビザで行くことができる上海へでかけませんか。                     

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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