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2014年を果敢に戦い抜こう ~足元を見つめ自ら行動する年に~

2014年1月6日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

開聞岳初日の出.jpg

 明けましておめでとうございます。年末年始は最大で9連休となり、1泊以上の旅行に出かけた人は、過去最高の旅行者数となったのではないでしょうか。近隣の温泉地で正月を過された方も多いのではないですか。


 今年の干支は「午」で、動物にあてはめると馬になります。十二支の7番目、午の刻は、昼の12時およびその前後2時間のことで、そのため昼の12時を「正午」といい、「午前」「午後」という言葉が生まれました。

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 日本では、初詣や受験前に「絵馬」に願い事を書いて奉納します。神様が乗る神馬を奉納する習わしが、馬の絵を描いて代用する「絵馬」の由来です。 今年は、怒涛の如く走りだす馬にあやかり、年初からスピード感を持って対処していくことが求められます。

 アベノミクス効果等で日本経済は、ゆるやかな回復基調にあり、個人消費も伸びています。また、円安効果でインバウンドが好調で、昨年の12月20日念願の1000万人を達成しました。

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 ところで日本経済は、4月に消費税が8%に上がることから、3月までは駆け込み需要で多くの分野で拡大が望めますが、その後は買い控えなどの動きが顕著となり、レジャー等への支出は減速しかねません。

 また、世界中が1カ月間熱狂する「2014FIFAワールドカップ」が、6月12日から7月13日までブラジルで開催されます。4年に一度のサッカーの祭典には、日本チームも参加することから、その期間中は国内旅行に出かける人が少なくなることが、前回大会でも示されています。

 日本経済が回復傾向にあることから、政府も様々な施策を推進し、消費税アップに伴う経済減速の歯止めに期待しているところです。昨年後半から国内旅行の回復基調が見られるのは明るい話題です。和食がユネスコの世界の無形文化遺産に登録されたことも、日本食の価値を高めています。

 今年の取組について触れたいと思います。まず県民が県内の魅力を知り、県外の方々に自らPRできることが重要であることから、域内観光の販促にも力を注ぎます。 県と観光連盟では次の3つの施策を展開します。
 ①主要観光地域(指宿・霧島・鹿児島)発の広域観光周遊ルートの整備
 ②源泉数全国2位を誇る本県温泉地の優位性を生かした温泉地めぐりルートの整備
 ③鹿児島のNO1の観光素材である桜島の再評価と眺望スポットめぐりルートの整備
  を中心にPRの強化と受入体制の充実も図っていきたいと考えています。  

 県内の話題としては、4月2日から川内港から甑島(里、長浜)へ高速船の運行が開始 されます。JR九州の観光列車を手掛けた水戸岡氏のデザインによるものです。

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 初夏に「ニシノハマカンゾウ」が黄色い花を咲かせると、その後を追うように薄紅色の「カノコユリ」が草原一体に咲き乱れ、甘い香りを漂わせます。テレビドラマ「Drコトー」や、椋鳩十の小説「孤島の野犬」ゆかりの島が脚光を浴びると思います。


 次に「吹上浜砂の祭典」が従来のGW期間中から、5月2日~31日まで会期が延長さ れて開催されます。連休中はバスが渋滞に巻き込まれる懸念があることから、エージェントがツアー企画を渋っていましたが、平日の企画が可能となり、バスツアー等の企画が多くなることが想定され、周辺の観光地、宿泊地は新たな需要が発生します。

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 7月20日には薩摩藩英国留学生記念館がオープンします。近代日本の若き原動力とな った薩摩人の偉業を学ぶことができる施設で、教育旅行には最適な施設であり、一日遠足や修学旅行誘致の目玉にしなければなりません。また、留学生にちなんだ飲料やグッズ等の開発も求められます。甑島とセットでコースが組めるのではないでしょうか。

 3月16日は、霧島国立公園が指定80年周年を迎えます。日本で初めての国立公園で あり、様々な誘客対策が計画されています。えびの高原一帯のトレッキングや韓国岳登山、変化した新燃岳の姿等、登山愛好者だけでなく、外国人、霧島温泉の連泊対策としてぜひ PRしていただきたい。周辺の人吉市、えびの市、曽於市、都城市との連携も不可欠です。

 地域の隠れた観光素材の商品化には、エージェントと自治体との連携が欠かせません。着地型観光については、「鹿児島県旅行業協同組合」が「魅旅」のネーミングで商品化に努めており、地域の活性化に寄与しています。今後も積極的な支援体制が地域への交流人口の拡大や人材育成に繫がると考えています。地域は素材を提供し、主要観光地からの誘客を働きかけて欲しい。

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 離島については、FDAやJACを活用し、オンラインのない空港からのチャーター便を増やし、時間的短縮を図ることで旅費の割高感を払しょくできると思います。また、時間にゆとりのある熟年層には豪華な船旅を、若者には夏の美しい海や大学のゼミのフィールドとして売り込まねばなりません。

 種子島の宇宙基地、屋久島の世界自然遺産、「奄美・琉球」の世界自然遺産を目指す取組等が、離島の魅力を引き出すことになります。

 鹿児島市は、日本を代表する都市型観光の魅力を備えた街で、歴史、自然、温泉に加え、食の魅力が観光客の滞在を可能にしています。県都として県内全域を見据えた観光振興策が重要であり、県内各地域の魅力が増すことが結果として鹿児島市に宿泊することになります。アクセスや大会設備の充実等を活かし、MICEの積極的誘致も不可欠です。

 2015年には「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が、世界文化遺産に正式登録の準備が進められており、そのリストに「近代化産業遺産」の5箇所が入っています。明治維新150周年と文化遺産の価値をセットでPRしなければなりません。

 大都市圏からの若者層を誘客すべく、体験を主とした現地研修を進めてきました。今年は具体的に商品造成し誘客する年です。若者に共感されるパワースポット、貴重な動植物の生態系、ストーリー性のある旅、マリンスポーツなどゼミの教材にも使える情報等の提供が、九州本島最南端の県に向かわせるきっかけになると思います。

スポーツキャンプ6.jpg

 スポーツツーリズムの推進も求められます。スポーツ合宿は「さんふらわあ」の活用で大隅地域が特に増加しています。昨年県内3箇所で、韓国のプロ野球チームが秋季キャンプを張りました。今後はサッカーのキャンプ誘致も必要であり、プロが使用できるサッカー場として整備することで、温暖な気候と宿泊施設の充実がそれを可能にします。

 温泉地指宿は野球場の整備を急ぎ、プロ野球のキャンプ誘致が不可欠です。2020年には、東京オリンピック開催が決定しており、事前キャンプ誘致等もスタートします。

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 今年も比較的順調に伸びるのが教育旅行です。関西地域から集約臨時列車で6,000人の中学生が訪れます。農業・漁業体験を実施する学校が増加し、知覧の平和学習、桜島や霧島の火山・自然学習、鹿児島市の歴史探訪等が、優位性を発揮しています。県内全域に、約1000軒の農家民泊の供給が広がる中で、「簡易宿所営業」の取得を強力に進めていかねばなりません。

 キャンペーンの中心は、今年も最大のマーケットである関東地域や、身近に来ることができる福岡地区でのPRに努めていくことが得策と考えます。東京線は航空機の供給量が多く、商品企画が容易であり、MICEが誘致しやすいことも上げられます。

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 今後日本の人口は確実に減少することから、外国人観光客の誘致は欠かせません。イン バウンドについては上海線の利用促進やソウル線の夏場の搭乗率アップ、台湾線は宮崎線が週3便となり両県で7便体制となり、職場旅行や教育旅行の誘客対策が必要になっています。    

 特に上海線については、上海からの誘客が課題であり、現地エージェントの招聘と企画 商品造成支援、現地でのPR体制の強化が、鹿児島の認知度を高めることになります。またFITが主流となってきており、ブロガー対策や有力メディアの招聘、鹿児島でのWiFiや外国語表記の充実が求められます。ビザ解禁で観光客が急増しているタイ、マレーシア等ASEAN諸国からの誘客態勢の整備も必要です。

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 WEB販売が急激に伸びる中で、情報化社会に対応できる新たな需要吸収の仕組みづくが必要となっています。楽天やじゃらん等とタイアップし、旬の情報提供が欠かせません。また、インターネットの普及で可視化が進む中、コンプライアンスの向上と迅速・正確な情報提供が求められます。

 今年は土曜日を入れた3連休以上が8回あり、旅行需要を喚起する取組を各機関自ら早目に展開することが必要です。春は、卒業式や入社式等の歓送迎会、GWのファミリー対策、夏は納涼や滞在型企画、秋は熟年旅行や企業のインセンティブ、冬は慰労会や忘・新年企画と早目の季節感あふれる企画が必要です。周辺市町村の祭りや、花、食、伝統行事等を組み込んだ、生活・文化の香りがする商品企画が求められています。

 鹿児島県は南北600キロに及び魅力多彩な観光資源があります。これからは、県民が足元の魅力を知り、住んでいる街を誇りに思うことが「おもてなしの心」につながります。厳しい1年になりますが、スピードをもって果敢に挑戦する気概で取り組まねばなりません。2014年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心からお祈りいたします。

  新しき 年の初めの 初春の
              今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)
                             ~大伴家持~ 万葉集  


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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