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No.318 元気な街づくりをめざして~魅力ある生活の場作りが必要~

2014年7月7日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

子ども(火の島祭り).jpg

 日本の人口は2050年には1億人を割り込み、鹿児島県の人口も2040年には、130万人に減少し、消滅する町が発生する等、地域経済に大きな影響が出てくることが予想されます。かつて、近郊から買物客が押し寄せて、街に人があふれていましたが、シャッターが降りたままの商店街が増加しています。

 駅前や郊外に大型ショッピングセンターができ、無料の大きな駐車場があることなど、利便性も高まり、中心部から客足が次第に遠ざかっています。また、中心市街地を通っていた車も、バイパスができ空洞化に拍車がかかっています。道路が整備されることは良いことですが、一方では負の遺産も生み出しています。

天文館アーケード前.jpg

 運動施設や音楽ホール等、公的施設が郊外に移転し、中心市街地に多くの人を呼ぶことは、たやすいことではありません。観光地においても、大型バスの姿が少なくなり、レンタカーやマイカーの数が増えて、個人旅行の流れが如実に表れています。個人のニーズにいかに応えられるかが課題となっています。



 ところで私たちが、住居を選択する条件として
(1) 都市の中心街に住みたい理由は、
①医療機関や公的施設が近くにあり、緊急時を想定すると安心して暮らせる。
②日常の買い物が一度にでき、外食や映画館や音楽ホール等アミューズメント施設があり、気軽に行くことができる。交通アクセスが整っている。
③同じ建物の中にコンビニや病院があり、移動が少なく事が済ませることができる。
④高層マンションが増え、セキュリティが整っている。

(2)郊外に住みたい理由は、
①住宅や駐車場が広く取れ、近くに田園地帯や川があり、自然の美しさを楽しむことができる。
②公園や緑地が多く子育ての環境が整っている。健康的に過ごせる。
③近くに大型ショッピングセンターがあり、買い物等に事欠かない。
④地域コミュニティが確立しており、緊急時の協力態勢が確立している。
ことなどです。

農家の人たち.jpg

 人が集まる地域の魅力とはなんでしょうか。やはり日常生活に「魅力ある生活の場」が確保されることではないかと思います。多様なニーズに応える生活空間の創造が必要であり、子育て世帯や高齢者のための利便性の確保も求められます。


 そのためには、
①現代の井戸端会議ができる環境づくりが必要です。お年寄りサロン、よろず相談所など気軽に集まる憩いの場所があることです。
②遊戯の楽しめる場を提供し、子供の遊べる器具が整っている。ファッション性の あるステージがあり、若者の熱気を吸収できる施設がある。
③市街地の近くには、安価な駐車場があり、気軽に行ける地域となっている。また、外国人も楽しむことができる環境整備が必要であり、外国語表記やWiFiが使用できることです。
④病気になっても近くの病院から、大型病院への連携がスムーズにできる体制が整っている。
ことなどです。

 集客力を高めるためには、賑わいの創出が不可欠です。
①住民が参加できる場が必要であり、若者や子供が参画できるイベントが必要です。
②もの創りを楽しむ工房があり、カフェや小物の販売店が点在している。
③中心地に小川や水辺を取り入れ、花の回遊路やライトアップで夜も楽しめる演出 がある。
④平日は文化・芸能人を、休日は近隣の住民の参加型イベントを開催することが、よ り有効的な集客ができるのではないでしょうか。
⑤地域の祭りや県内で採れた農水産物の定期的市が開かれる。

 最後に、これからの地域づくりには、
①シングル世代や夫婦のみの家庭が多くなることから、商品提供の工夫が必要になっています。商品を小分けして、買いやすく、購買の機会を増やすことで売上増に繋げる必要があります。
②地域活性化には、循環型経済の確立が重要であり、農・商・工連携を活かした店舗の品揃えが求められています。原産品を加工し、調味料や菓子等オンリーワンの商品として価値を上げることが重要です。消費の主役は女性であり、女性を呼び込む仕掛けが必要です。
③地域にあるものに誇りを持ち、自らの思いを語れる人材の発掘と地域をコーディネートす る人材が不可欠です。

昭和の町(豊後高田市).jpg

 全国的にみて、元気な街として、高松市の丸亀商店街、長野県の小布施町、大分県豊後高田市、兵庫県豊岡市城崎等が脚光を浴びています。新規開発ではなく、既存の建物を活用した街の再生に取り組んでいる地域です。レトロ感覚のものは残し、地域資源を磨きあげることで、商店街が復活しています。

 今後は市街地と郊外をつなぎ、双方が栄える街づくりが必要ではないかと思います。最後に日本の人口は確実に減少していくため、交流人口の増大が不可欠です。交流人口を増やすには、「楽しい地域ならではの生活の場」が感じられる街づくりではないかと思います。日本の原風景を取り戻し、地域住民が生き生きと暮らせる場づくりが求められています。
       参考:実践!田舎力 小さくても経済が回る5つの方法:金丸弘美著
          中心市街地の成功方程式:細野助博著

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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