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No.322 観光地の環境保護・美化を保つために~マナーを守り守らせる取組が大切~ 

2014年8月4日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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 眼前に錦江湾と活火山桜島がそびえる鹿児島市は、世界に類のない美しい都市であり、多くの観光客を魅了してやまない九州本土最南端の県都です。天保山公園から海釣り公園までの海岸線は、夕方になると、夕陽に映える桜島が美しく見られます。奄美・沖縄航路の船が18時に鹿児島新港を出港する時間と重なり、青い海を白い船体がすべるように錦江湾を駆け抜けていきます。

 天保山公園は薩英戦争の際、口火を切った砲台が設置された場所で、その面影を残す砲台跡が美しい松林の中にあり、記念碑が残されています。今夏休みの期間ですが、公園では早朝からラジオ体操をする元気な子供たちの姿が見られます。

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 また、甲突川の河口は、慶応2年(1866年)に坂本龍馬が鹿児島入りした頃には、軍港としても利用されていました。公園近くの太陽橋のたもとに、龍馬とお龍の新婚旅行を記念した夫婦の像が建てられています。銅像は鹿児島中央駅広場にある薩摩藩英国留学生をモデルに造られた「若き薩摩の群像」の製作者、中村晋也氏の手によるものです。



 薩摩藩の財政改革を断行した調所広郷の像も近くにあります。市内には日本の近代化に尽くした偉人の像が100以上建立されており、そこを巡るだけでも観光鹿児島の魅力が理解できるのではないでしょうか。

 作家として、またテレビの脚本家として知られた向田邦子さんは、父の転勤で小学3年生から4年生まで鹿児島で過しています。天保山公園一帯はかつて美しい砂浜が広がり、よく海水浴をしたと「父の詫び状」の中で書いています。「故郷の山や河を持たない東京生まれの自分にとって、鹿児島はなつかしい「故郷もどき」なのである」と愛し、生前はよく鹿児島を訪れています。

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 私は、錦江湾を行き交う客船や時々噴煙を上げる桜島を見ながら、天保山公園から海沿いの道をウォーキングするのを楽しみにしています。のんびりと釣り竿を垂れる人も多く、市内中心部に格好の漁場があるのも鹿児島の良さです。もっと錦江湾の良さをPRし、滞在に繋げる必要があります。


 温泉、歴史、食、自然、マリンスポーツ等泊りたくなる魅力が揃っている街に住んでいることをいつも誇りに思っています。

 ところで最近ウォーキングしていると、景観を損なう光景に遭遇します。海岸の至る所に犬の糞がそのままになっているのを見かけます。早朝や夕暮れに散歩させる人が、そのままにして犬のフンの処理をしないのでしょう。

 誰か気づいたのか橋のたもとに張り紙がありました。「犬のフンの後始末をちゃんとしてください。処理できない人は飼主としての資格がありません」と。犬の散歩には、小さなスコップと袋を持参するのが当たり前です。衛生上も悪く、通行人が誤って踏んでしまうことがあります。また、食べた後の弁当箱、空き缶、ペットポトルが無造作に投げ捨てられています。観光地鹿児島のモラルが問われます。

 このように最近マナーを守らない人をよく見かけます。車の助手席から平気で火のついたたばこを捨てる若い女性、ガムをそのまま吐き捨てる中年男性、帰りの空港バスが混んでいるのに、座席に荷物を置いて他人を座れないようにしている若者、満員電車の中で、人に聞こえるぐらいボリュームを大きくして音楽プレーヤーを聞いている学生、お年寄りに席を譲らない人等枚挙にいとまがないほどマナーの低下が見られます。

 家庭での躾が第一と考えますが、日々の生活の中で気付いた人が注意すべきではないでしょうか。

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 先日バスの中で席を一人占めにした学生を注意したら、素直に席を詰めてくれました。にらみ返す若者もいますが、ほとんど聞き入れてくれます。皆さんが軋轢を恐れて注意しないケースが多いのではないでしょうか。

 また、バスや電車に乗ると、「荷物は膝に置き、お互いに席を譲り合い座りましょう」、「体の不自由な方には席を譲りましょう」という案内が流れます。テープの案内では心が通じません。運転手自ら言葉で語ることが、乗客の心を動かします。

 定期的にボランティア活動の一環として、市内の観光地の清掃活動が実施されますが、残念ながらいつも膨大なゴミが回収されます。 美しい海岸として有名なホノルルの浜辺は、早朝に多くの人の手で清掃活動が行われていることは、意外と観光客には知られていません。昼間でもほとんどゴミを見かけません。 

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 鹿児島市内では外国人の個人旅行の人が多くなっています。四季折々の花の植栽を増やし、外国語表記を充実させることが、美しい落ち着いた街の印象となります。景観を守ることは、市民にも課せられた使命です。


 これから県内各地で、花火大会や夏祭りが開催されます。ゴミは自分でも持ち帰ることが原則です。そのことが地域の環境美化につながります。きれいに掃除されたところには、人はゴミを捨てません。お互い住みやすい環境を守ることを大切にし、美しい観光地として維持していくことの大切さを醸成したいものです。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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