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No.408 最近の観光マーケットから~ゴールデンウイークは地元にめを向けよう~


熊本、大分 両県で発生した地震により、大きな被害を受けた地域・皆様に
心より御見舞を申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り致します。


2016年4月18日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光



 先日まで賑わいを見せていた桜の名所は、嵐が去ったかの如く静かとなりましたが、新緑に覆われた木々は一段と鮮やかに感じられます。


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 今日本で一番人気の観光特急列車「ななつ星in九州」は、「肥薩おれんじ鉄道」を通るコースに運行がかわり、沿線の駅では思い思いの歓迎風景が見られました。これから毎週木曜日、鹿児島中央駅から串木野、川内、薩摩高城、阿久根、出水と北上していきます。薩摩高城駅では、東シナ海に沈む夕日を見て近くの海岸を散策してもらうために、30分間停車します。列車の豪華さとともに各駅でのおもてなしが注目されます。新しい観光の始まりです。


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 茶どころ鹿児島では間もなく新茶の季節となり、茶畑にあかねたすきに菅の笠をかぶった女性の姿も見られるようになります。南九州市の頴娃地域では、お茶摘み体験や茶を使った創作料理が楽しめるグリーンティーリズムが人気となっています。地域資源を活用し、都会では体験できない新しい取り組みが、来訪者に感動をもたらしていると感じます。


 ところで、鹿児島県の宿泊客数は、新幹線全線開業の平成23年からこの5年間毎年伸びていますが、鹿児島市内、霧島、指宿地域で、全体の65%を占めています。これらの地域から県内各地にいかに広げるかが重要であり、地域資源を掘り起こし磨き上げ商品化し、プロモートして誘客に結びつける取組が大きな課題です。従来の待ちの姿勢では顧客は離れていくばかりで、積極的な販促活動が重要となっています。


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 時間短縮効果や「鹿児島中央駅」が南の終着駅となっていることから、新幹線利用客は安定しており、その客を誘導すべく各自治体も交流人口を増やす取組に力を入れています。
 伝統食、直売所、古民家、古刹、世界遺産、ローカル鉄道など地域資源を活用した旅行商品化も進められています。
 昨年発生した口永良部新岳の噴火や一時的な桜島の噴火警戒レベル引き上げ等の影響は、まだ残っていますが、風評被害を一掃すべくPRや販促活動に力をそそがねばなりません。
 インバウンドは引き続き好調ですが、株価低迷等もあり国内景気は不透明感が漂っています。


 さらに今年は地震や参議院選挙やリオオリンピックがあり、国内旅行は停滞することが予想されます。一方北海道新幹線開業は、誘客にとってマイナスではなく北の大地に新幹線が到達したことを受け、プラス要素として捉えることが大切です。夏休みには日本列島を縦断する若者の利用が増えるのではないでしょうか。
 新幹線はこれから6年間新しい開業がない中で、南の終着駅がある鹿児島の魅力をもっと前面に出したPRを行い、常に新しい需要を開拓することも求められます。


 まもなく、ゴールデンウイークがやってきますが、今年は5月2日と6日を休むと10連休となります。この時期の需要はファミリー層が中心で、滞在先で何ができるかが顧客の選択肢の一つになることから、地域の旬な情報発信が求められます。


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 県内の宿泊施設を取材すると、5月1日、2日、5日、6日、8日の5日間は空室がある施設が多くみられます。多くの方がこれから休暇計画を立てるため、休みを取って行きたくなる地域の情報を提供しなければなりません。ファミリーで体験できるメニュー、平日や連泊することでのメリット等を明示することが宿泊者を増やすことになります。申し込みも間近が増えており、宿泊日の滞在メニューにメリハリをつけることも新たな需要を開拓します。(4月11日現在)


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 県民の皆様が地域の魅力を体感し、発信することが一番の誘客対策になります。鹿児島中央駅に新幹線が着くと観光客の目に飛び込んでくるのが、最近頻繁に噴火している桜島です。
 桜島の島民約5000人は、噴火時でも普段の生活を営んでいることを伝えていくことが安心感を与えます。桜島の噴火している美しい景観を、観光客に提供することが感動をもたらします。湯之平展望所からの景観や温泉堀体験、埋没鳥居等の火山の遺跡、寄り道クルーズ等の魅力も一緒に伝えたいものです。


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 昨年7月に「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録され、中でも長崎市の軍艦島はブームとなっています。全国8県11市23の構成資産はシリアルノミネーションであり、そのスタートは鹿児島の「旧集成館事業」です。「世界自然遺産」と「世界文化遺産」という2つの世界遺産を持つ唯一の県であり、県民自らが遺産の価値を理解して語らないと、観光客は増加していかないと思います。多くの県民に文化遺産を見る機会を提供しなければなりません。


 2年後には明治維新150周年を迎えます。明治維新150周年は、薩摩の偉人たちが果たした役割を考えると、鹿児島がその優位性を発揮でき観光も飛躍させるチャンスになります。


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 その2018年に照準を合わせ、鹿児島を題材にした大河ドラマの制作をNHKに働きかけています。朝の連続テレビ小説「あさが来た」では薩摩出身の五代友厚が人気となり、彼の誕生地や銅像は新たな観光地になっています。メディアの発信効果は多くの分野に経済効果ももたらします。
 2008年の大河ドラマ「篤姫」では小松帯刀にスポットが当たりました。大河ドラマは例年6月頃に発表される予定ですが、決定すれば、世界文化遺産の認知度向上、教育旅行の誘致に弾みが付きます。厳しい環境のなかで、次につなげたいという大きな想いがあります。


 一方では、観光PRの手法も多様化しています。パンフレット、広告、大都市圏での説明会、メディアの招聘事業、ホームページ等で鹿児島の魅力を発信してきました。 価値ある情報を拡散させ、ムーブメントをつくるためには、B→Bに加えてB→Cも重要になっています。個人のフェイスブックやブロガー、ツイッター、ユーチューブ、動画など多様な媒体を使ってコアの層への情報発信を強化していかなければいけません。作り手の思いやストーリー性を交えながら生活者が共感を抱く情報発信が求められています。


 また、最近の旅行スタイルは団体旅行から個人旅行にシフトして、滞在先では地元の人がよく行く飲食店や生活文化に触れることを望んでいます。「地理的表示保護制度」も導入され、地域がよりわかりやすい商品提供も求められます。県民の皆様がふるさとの良さに気づくことが重要であり、そのことが自信をもって遠来の客をおもてなしすることに結びつきます。


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 県内でもこれから、「志布志お釈迦祭り」、「2016吹上浜砂の祭典in南さつま」等様々なイベントが開催されます。そこに行けば何が体験できるのか、周辺の食の魅力や宿泊情報など「生活者にとって価値があり得する情報」が必要です。


 今年のゴールデンウイークは、地域の生活文化に触れる旅行の計画を立てませんか。鹿児島の新たな魅力に気付く機会になります。
 観光地では人が動くチャンスを逃さず、長時間滞在していただくメニュー提供や宿泊したくなる取組が必要ではないでしょうか。



             絶 句

    江碧鳥逾白 山青花欲然 今春看又過 何日是帰年


        江碧(みどり)にして 鳥逾(いよいよ)白く

        山青くして 花燃えんと欲す

        今春看(みすみす)又過ぐ

        何れの日か 是れ帰る年ぞ

                  ~杜甫~
※杜甫の代表作で不遇な時代、望郷の念を読んだ詩です。


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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