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No.413 ありがとうの言葉を素直に言える人に~自ら感動を享受できる心を養う~

2016年5月30日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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打ちしめり あやめぞかをる ほととぎす
鳴くや五月の 雨の夕暮れ

新古今和歌集 ~藤原良経~




 旅先でおなかの調子が悪くなり「掃除中でしばらくお待ちください」と張り紙があるのに、無理にお願いして駅のトイレを借りた経験をした方は、少なからずおられるのではないでしょうか。
 用を済まして出てきたときに、「ありがとうございました」と素直に挨拶はできましたか。
 掃除をしている職員の方から、「清掃中にすみません。大丈夫ですか。気を付けて旅を続けてください」と言われ恐縮し、つい「ありがとう」と言う言葉を忘れてしまいがちです。

 人は日々の行動において「ありがとうございます」と素直に言える習慣を身に付けていると、とっさのときに挨拶として出てくるのではないでしょうか。

 先日、幼稚園児を連れた妊婦の女性が、電車に座っていました。次の電停で杖をついた老人が電車に乗ってきました。すると園児は隣のお母さんに相談することもなくさっと立って、老人のもとに行き手を引っ張って自分の席に案内していました。
 お年寄りからお礼を言われて、園児は逆に「ありがとう」という言葉を発していました。

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 お母さんもびっくりした様子でしたが、乗り合わせている人たちは園児の行動に驚いて席を立つ人や、気まずい顔をしながらも、そのまま座り無関心の人と様々でした。
 おそらく園児は、お母さんからお年寄りや体にハンディキャップがある人がいたら、車内では席を譲るように教えられているのだろうと感心して見ていました。


 このように親切な行動がとっさにできる人がいる反面、無関心の人がいるのも残念です。
 朝夕の通勤の中でもよく見かける風景です。二人掛けの椅子に足を開いて一人で席を占領している若者、窓側にかばんを置き通路側に座って席を譲らない学生、横にハンドバッグと袋を置き化粧をして席を占領している女性、二人椅子のまん中で居眠りをしている婦人等腹立たしい光景を数多く見受けます。

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 旅先でもいろいろな人に会います。駅の案内所、タクシードライバー、バスの運転手、宿泊先のメイド、観光地でのボランティアガイドなどその対応は場所によって、千差万別です。
 見知らぬ土地では、そこに住んでいる人の案内や応対が旅の印象を左右します。駅や空港に着いてまず尋ねる場所は案内所です。親切に案内いただくとその後の旅が楽しみですが、不愉快な対応をされると何しにこの地に来たのかと後悔が先に立ちます。

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 観光客が受けた接遇についてのクレームがよく新聞の投書欄に掲載されますが、常識を疑う行動に驚かされます。観光に従事している人は、お客様から仕事をいただいているという考え方に立つべきではないでしょうか。
 お客様に特別に接するのではなく通常の接し方で十分です。当たり前のことを当たり前に応対することが求められます。

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 人から親切にされ、また、感動した場面に遭遇したら心からその喜びを表すことが大切だと思います。
 人からうれしい言葉をかけられたら素直に喜ぶ姿勢を示すことで、相手にそのことが伝わります。感動体験を自分だけに終わらせるのではなく、相手にまた、お返しする心を育まねばなりません。
 感動体験を多く経験した人間は、心豊かな人となり相手も尊敬し、周りに人が集まります。そのことで自分も成長していくのです。

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 交通機関を利用して降りる際、駅の改札口の人、社内外での清掃会社の人、新聞配達、郵便や宅急便を届けてくれる人たち等日々接している人に心から「ありがとう」の言葉を発してもらいたい。
 「ありがとう」はすばらしい言葉です。
 職場や家庭で「ありがとう」の言葉が自然に出てくる環境を育てたいものです。

 桃李(とうり)もの言わざれども 下(した)自(おのずか)ら蹊をなす
                            ~史記より~

No.412 イベントの設定日に配慮を~経済波及効果を考える~

2016年5月23日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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 雨に洗われた山々の緑が、一段と美しく感じられる時期となりました。先日まで青空に元気よく泳いでいたこいのぼりの姿が消え、垣根ではアジサイの花の蕾が雨を待ちこがれています。
 例年は、毎日鹿児島中央駅で関西からの中学校の修学旅行を出迎えますが、今年はその機会がほとんどありません。熊本地震の影響で、行先変更や延期等でキャンセルになっている学校が多いことがあげられます。

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 余震が落ち着いたら、また、鹿児島へ戻っていただくように関係機関への営業強化や情報提供の必要性が求められます。なんといっても修学旅行は、学校のもっとも大きな行事であり、一度に多くの学生が動くことから数年がかりの準備となります。
 受け入れ施設では3年前から予約が入り、一般団体と比較して人員減や取り消しが少なく、経営的にもありがたい顧客であるだけに、今回の地震は大きなショックです。
 今回の地震の影響は、九州全域に及んでおり、国を挙げての支援が必要です。

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 県内はこれから梅雨に入り、宿泊施設ではお客様が一番少ない時期に入ります。かつて鹿児島では、田植えが終わると、農家の人々は近隣の温泉地に出かけて疲れをいやす旅行が盛んで、温泉地は賑わっていました。
 しかし、農家も「ハウス栽培」や年間を通じて収穫される野菜等が増え、農閑期が少なくなっています。温泉地では農閑期の人たちを待つ姿勢から、新しい顧客の開拓が必要になっています。
 食やスイーツに工夫を加えて、滞在時間の延長や周辺の魅力を盛り込んだ企画を作り、近隣の職場や老人クラブ、女性グループ団体、同窓会組織など比較的動きやすい組織への提案も必要ではないでしょうか。従業員の多い宿泊施設では、社員の家族割引などの施策を提供することで、新たな顧客紹介にも繋げてほしい。

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 梅雨が明けると、最大の需要時期である夏休みがやってきます。夏休みは、家族の帰省、お盆、伝統行事、花火大会等が開催されることから宿泊者が一番見込める期間です。
 夏の観光の目玉と言えば花火大会であり、日本三大花火大会は、「秋田県大曲全国花火競技大会」、「茨城県土浦全国花火競技大会」、「新潟県長岡まつり大花火大会」で、首都圏などから多くの観光客を集めます。県内の花火大会は、7月から8月の後半の夏休みに集中しています。全国的に見ると9月、10月、11月、12月のオフ時期に開催しているところもあります。
 花火大会にあわせて近隣の観光地を巡る人が増えています。しかし、花火大会は日程が集中するため数カ所の大会しか見ることができないのが現状です。

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 宿泊施設を多く抱える観光地では、花火大会の開催日が他の行事と重ならないよう配慮いただければ、宿泊客が分散され助かります。
 お盆の近くに設定すると、帰省客とお盆休暇等でファミリー層が増え予約で満員になっているので、花火大会目当ての観光客を泊めることができず、地域にとっても大きな損失です。例年、お盆時期について宿泊施設は集客に苦労しません。むしろそのあとの週末の集客に苦労しています。

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 大会を移動させることは、お盆時期に続いて、花火大会見学目的の顧客を開拓でき、新たな経済効果が見込めます。
 宿泊者が見込める時期を外して、開催日を決定する勇気も必要です。夏はインターハイや中学校体育大会、海のイベント、伝統行事と比較的早めに日程が決まります。
今年の開催日の変更は厳しいと捉えていますが、来年以降についてはイベントの開催等を調査して、日程の再考も必要ではないでしょうか。

 一方、花火大会やマラソン大会等は公的空間を利用し、公共交通機関、医療態勢等に大きな影響があることから各機関との十分な調整も必要です。
 各機関の意見を調整し市民生活に重大な支障がなければ、期日の設定は弾力的に考えていただきたい。特に今年は震災が発生したこともあり、観光地、宿泊施設、飲食店、農水産業者等多くの分野に影響が出ています。
 被害を少しでも取り戻すべく、今年は魅力的なイベントの創出も考慮しなければなりません。

 熊本地震から40日が過ぎ、被災地も復興に向けて動きだし、熊本の人気キャラクター「くまもん」も活動を再開しました。観光にも灯りが見え始めています。
 県内への観光客が激減し大きな打撃を受けたのも事実ですが、幸いにも施設への被害はありません。鹿児島の元気な姿を伝えていくことも、熊本を勇気づけます。
 県内各地の花火大会では、夜空に咲く夢と希望を与える大輪のお花畑を提供し、観光客を喜ばせたいものです。

 最後に規制概念に囚われず弾力的な考え方で取り組むことが、今後の地域活性化には必要ではないでしょうか。

        紫陽花や  はなだにかはる  きのふけふ
                         ~正岡子規~

No.411 現状を正しく伝えることが第一~熊本支援に皆様の協力を~

2016年5月16日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

        人間に与える詩    ~山村暮鳥~

   そこに太い根がある   これをわすれているからいけないのだ
   腕のような枝をひき裂き 葉っぱをふきちらし
   がんじょうなみきをへし曲げるような大風のときですら
   まっ黒な地べたの下で
   ぐっとふんばっている根があると思えばなんでもないのだ
   それでいいのだ そこにこの壮麗がある
   樹木をみろ 大木をみろ
   このどっしりとしたところはどうだ
                   『風は草木にささやいた』より

  「熊本地震」から1ヶ月が過ぎ、新幹線や九州自動車道が復旧して、関西や北部九州からの観光客も少しは戻りつつあります。しかし今回の地震により、九州各県の宿泊施設の予約取り消しは約52万泊にもなり、観光業界のみならず地域経済に大きな影響を与えています。県内では105,035泊のキャンセルが発生しています。 (調査対象は県内の157施設:4月14日以降から5月11日までの報告分)

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 修学旅行への影響も大きく、余震が続いていることや関西からの新幹線集約列車が運行できないこともあり、延期もしくはキャンセルになっていることなどがあげられます。修学旅行は行先が1回変わるとふたたび戻ってくるのに数年かかることもあります。
 対策としては、まず大阪にある「日修協」や「全修協」を訪問することが重要です。両協会は関西地域の校長会と連携して、各学校の行先の調査、修学旅行の輸送計画、日程調整など担当していることから、「かごしま」が通常と変わらない状況を伝えて、引き続き鹿児島を旅行先として選択していただくよう要請を行わねばなりません。

 先日観光関係者が集まった会議の中で、地元エージェントの皆様から、県内の学校も行先として中九州や北部九州が多いことから、変更を余儀なくされているという実情も寄せられており、早急な対策が迫られています。宿泊施設ではゴールデンウイーク以降予約状況が前年同期に比べてかなり下回っています。

 県内で地震による取り消しなどの影響を受けていないのは奄美地域です。やはり消費者は安全を第一に考えて行先を選定しており、今後も予約が増えると想定されます。大阪、成田、羽田から直行便があり販促を強化する必要があります。世界自然遺産登録を目指している地域であり、沖縄と違った魅力を企画に取込む必要性があります。

 今九州観光推進機構では国内外へのPRを強化していますが、自治体や各観光関連団体でも現状を的確に伝えることが求められています。昨年5月の口永良部島新岳の噴火の際は、12km離れた位置にある屋久島は噴火の影響はほとんどないにもかかわらず、観光客が減少しました。

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 桜島の噴火警戒レベルが4(避難準備)に引き上げられた際も、観光客が訪れる場所は規制地域外にあるにもかかわらず、風評被害に苦しみました。
 鹿児島市と桜島は錦江湾をはさんで一番近いところでも4km離れていること、また、桜島には約5000人の人が住み、常に噴火と対峙しながら生活をしていること等県外の方々は実情をほとんど知らず、影響が大きかったと思います。今回の地震による鹿児島の自然被害はほとんどなかったという事実は正確に伝えることで、消費者への不安感を取り除くことになります。

 2つの大動脈が復旧し、鹿児島へ観光客が来ることができるアクセスは整いました。鹿児島の通常の姿を伝えるべくイベントや四季折々の自然の姿、市民生活などメディアやSNSなどを通して発信していくことが大切です。

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 また、昨年世界文化遺産に登録された「旧集成館事業」を中心とする「明治日本の産業革命遺産」は、薩摩の先見性を伝えるすばらしい観光資源です。日本の近代化の礎ともなった施設を、改めてPRする時期ではないでしょうか。

 エージェント向けには、海外や国内の主要都市圏を中心に説明会を開催しており、ある程度鹿児島の状況について理解は深まっていると思います。海外は現在4路線が就航していますが、日本での災害に敏感な上海とソウルに対して、観光庁、九州観光推進機構などと連携しより詳細な情報発信と関係者の招請活動が必要です。
 海外メディアの直接招聘や有力ブロガーによる発信を強めることも必要です。エンドユーザーにいかに鹿児島の真の姿を伝えるかが大切なことです。

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 これからの鹿児島は梅雨を迎え、観光客が減少する時期となります。一般の旅行が低迷している中で、特にメディアによる募集ツアーの集客状況の勢いが感じられません。心理的に鹿児島への旅行が敬遠されていることから、思い切った商品企画、価格等もカンフル剤となります。
 一方ではマイカー、レンタカーなどを利用する個人の観光客が増えていることから、それを促進する施策を計画しています。話題の観光施設や地域の食、直売店等立ち寄りたくなる情報も必要です。

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 ところで心配されていた筑紫地区中学校19校、4000名が今年も9月に鹿児島を訪れ、来年度も鹿児島に行くという連絡がありました。行程の変更はあったものの、予定通り実施されることになりほっとしています。校長会等に定期的に出席し、桜島の安全対策等も説明してきた成果だと捉えています。
 これからも、学校や父兄の皆様が心配する懸案事項に対して、資料等を配布することで鹿児島の魅力や安全対策などを理解していただく努力が欠かせません。

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 誘客活動は大都市圏ばかりが注目されますが、まず地元の方が出かけることで地域の魅力を知る機会にもなります。近隣の客は、リピーターにもなります。
 鹿児島県観光誘致促進協議会、旅館関連団体、各エージェントの組織を活用しこれから域内キャンペーンを推進します。各施設に「熊本地震」に対しての募金箱を設置しています。是非ご協力をお願いいたします。
 そのことで地域を元気にし、少しでも熊本県の支援に繋げられたらと願っています。

No.410 まず域内旅行で遅れを取りもどそう~影響は長引く、不退転の覚悟で~

2016年5月9日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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 4月14日熊本地方でマグニチュード(M)6.5、17日には(M)7.3の地震が発生し、その後、阿蘇地方や大分県中部でも(M)5クラスの地震が起きました。鹿児島市内でも両日大きな揺れを観察し、地震の怖さを実感しました。
 国内では、1995年1月17日の阪神・淡路大震災、2011年 3月11日の東日本大震災以来の大きな地震で、熊本市周辺、南阿蘇地域で大きな被害が出ています。改めて自然の驚異に驚かされました。

 今度の震災により、博多駅と鹿児島中央駅を結ぶ「九州新幹線」が13日間、また、「九州自動車道」も15日間不通となり、2つの主要幹線のストップは地域経済に大きな痛手となりました。一日も早く遅れをとり戻したいものです。

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 九州観光推進機構では「九州は一つ」をスローガンに国内外での観光客誘致に取り組んでおり、今後も連携強化してPRに努めなければなりません。
 今回の地震で熊本城、阿蘇地域、湯布院といった九州を代表する地域が被害にあいましたが、広域の観光を考えると大きな痛手であり、今後南九州3県の誘致戦略も見直しが想定されます。

 県内の観光地は、震災による道路や建物などの崩壊はありませんでした。日頃と変わらない姿はきちんと発信していかねばなりません。
 九州各県を訪れる外国人観光客は、7割が東アジアの国々からですが、地震等の災害にはすぐに反応します。中華人民共和国駐福岡総領事館は、震災後熊本県への旅行見合わせ、九州の他の県には渡航に慎重を期すよう求める注意を喚起しました。鹿児島への影響も出てきています。 
 海外とは直行便が4路線あることから、SNSなど活用して個別に情報を発信することで、少しでも取り消しを減らせたらと思っています。

 例年だと本格的な観光シーズンを迎え、特に修学旅行生が動く時期ですが、キャンセルや変更が増えています。新大阪からの直通列車が完全に復旧することが不可欠であり、その際は引き続き鹿児島へのコースを選択してもらうよう働きかけを強めねばなりません。

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 オフ期への変更の場合は宿泊、運輸機関等の料金を割り引くなどの前広な対応が学校現場の信頼につながるのではないでしょうか。そのことが修学旅行実施時期の平準化のきっかけになるかもしれません。

 一方、一般の旅行先としては、当面九州方面を避けて、北海道、東北、北陸、沖縄、離島等になることが想定されます。
 鹿児島としては、手をこまねいて回復を待つことは許されません。県内の主要宿泊・観光施設は、日々取り消しが拡大し、このまま推移すると地域経済への影響が拡大します。地域全体の空き状況やイベント、直売店、旬の食などの情報発信も強化しなければなりません。

 大都市圏の東京、大阪とは飛行機の便数が多く、特に関東方面からは充実しており、商品造成がしやすい条件がそろっています。また、九州新幹線が復旧しJRのパック商品の販売が期待されます。

 また、県内には28の有人離島があり、福岡から屋久島と奄美大島、大阪から屋久島と奄美大島、羽田、成田から奄美大島へ、それぞれ航空便で結ばれており、誘客しやすい環境にあります。これからの季節、山や海の美しさが一番輝く時期であり、世界自然遺産の登録地と候補地があることや体験メニューも多くPRに事欠きません。

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 大都市圏からの航空路線を活かし、その後県内各地、離島に誘客できる強みも活かさねばなりません。他県と競合しない魅力が誘致につながります。
 関西からの誘客には、新幹線を利用した商品の遅れを取り戻すことを念頭に、「さんふらわあ」の活用も考えられます。志布志港から佐多岬や「鹿屋バラ園」、内之浦ロケット基地など大隅地域への誘客に活用したいものです。

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 地震が収束すれば、九州全体での誘客キャンペーンの推進も必要ですが、実行には時間がかかることが想定され、こういう時こそ県民の皆様の協力が必要です。
 2015年の鹿児島県内の宿泊者総数に占める九州7県の割合は約45%であり、福岡県が11%、鹿児島県民のシェアは21%です。県内の利用者が一番です。(85施設の抜粋調査)

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 域内旅行の機会を増やすことは宿泊者を増やすことになり、県民が地元の魅力を認知して、PR効果を発揮します。
 夏休み前までは厳しい状況が想定され、宿泊・観光施設では、県民の利用促進のため期間限定で何らかのサービスを提供したらいかがでしょうか。施設も自ら動かねばなりません。

 鹿児島県は南北600キロに及び、豊かな自然、多くの泉質を持つ温泉地、歴史、農水産物、2つの世界遺産、2つの宇宙基地、D&S列車など豊富な観光資源があります。

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 今回の震災の影響は、従来の水害、台風、桜島の風評被害等に比べて、はるかに大きいと捉えています。県、各自治体、観光団体が連携してこの危機を乗り越えねばなりません。エージェントの商品造成に対しては、コンパクトで売り易く、消費者へのメリットを明示するなど緊急に販売できる態勢づくりも考慮に入れる必要があります。

 熊本、大分県が完全復旧して始めて鹿児島の観光も再生できます。それまで県民が観光の持つポテンシャルを認識し、自ら情報発信に努めていただくことを期待します。



                旅上   ~萩原朔太郎~

  ふらんすへ行きたしと思へども   ふらんすはあまりに遠し
  せめては新しき背広をきて     きままなる旅にいでてみん。
  汽車が山道をゆくとき       みづいろの窓によりかかりて
  われひとりうれしきことをおもはむ
  5月の朝のしののめ        うら若草のもえいづる心まかせに。
                        「純情小曲集」より

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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