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No.422 「九州ふっこう割」事業で鹿児島を元気に他県との連携も誘客につながる

2016年8月1日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


 熊本地震により、県内の宿泊施設や観光施設などはキャンセルが相次ぎ、地域経済に大きな影響を落としています。
 観光庁では、九州への観光客を早急に呼び戻すため、国内客などを対象とした割引旅行商品の販売を旅行会社と連携して行うことを発表しました。


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 「九州ふっこう割」旅行商品造成事業の助成金(補助金)は、Ⅰ期として7月1日から9月30日、Ⅱ期は10月から12月となっています。
 旅行需要期である夏休み及び秋の旅行シーズンの開始後、初期段階での需要回復を加速するため、7月及び9月を中心に思い切った割引率の設定が可能となっています。
 九州7県のうち、熊本・大分両県の割引率が大きく、鹿児島県にとっては、旅行商品価格面から考慮すると、2つの県と連携した商品企画も重要になるのではないでしょうか。


 通常ダイヤに戻った九州新幹線は最速で、新大阪から3時間42分、広島から2時間21分、博多から1時間17分で、観光客誘致には大きな武器となります。
 観光客の楽しみは地域の食であり、農業県かごしまにとっては、観光客との接点を増やし購買を促進することが、地域に大きな経済効果をもたらします。
 食のイメージは、観光客の心を惹きつける重要な要素であり、「本物。鹿児島県」を前面に旅行需要喚起を図ることが一番必要と感じます。 


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 今、観光客が求めているものは、地域のオンリーワンの情報です。「今だけ、ここだけ、あなただけ」の情報をタイムリーに発信して行くことが重要であり、商品企画に活かさなければなりません。


 各自治体の取組も活発になっています。人口減少や高齢化、産業や経済の低迷などで地域の活力の低下が顕著となっており、その打開策として観光振興による交流人口拡大に力を注いでいます。DMOの立ち上げやトップセールスの展開など誘致競争も熱が入ってきました。地域資源を磨き積極的に旅行会社に売り込んでいただきたい。


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 たとえば、出水市には、毎年秋から冬にかけて1万羽を超えるツルが飛来し、縁起の良いツル見学に毎年多くの観光客が訪れていますが、最近では、「着物を着て武家屋敷散策」がメディアでも取り上げられ、地域資源を活用した新たな取り組みとして注目を浴びています。今回の旅行商品に是非オンリーワンの企画として売り込んで欲しい。
 また、滞在時間を増やし地域に経済効果をもたらす取組として、グルメやスイーツ、お土産品等新商品の開発が求められています。


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 新幹線の時間短縮効果を活かし、いかに遠くに行かせるかも課題であり、その仕向け地は離島や大隅地域と考えています。
 珍しい地形がみられる甑島、世界で一番美しいといわれるロケット基地のある種子島、世界自然遺産の島屋久島、そして平成30年度に世界自然遺産登録を目指す奄美群島です。


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 特に種子島は、高速船だけでなく、定期便のない地域からチャーター便を活用した利便性のある商品企画が、遠隔地の割高感払拭となります。夏は海や登山など離島の魅力を体験できる絶好の機会です。また、種子島、屋久島は指宿と連携した取組が欠かせません。
 大隅地域は、錦江湾を渡るということがアクセス面で大きなネックですが、食や九州本島最南端佐多岬の魅力をPRすることが不可欠です。


 「肥薩おれんじ鉄道」は熊本と鹿児島両県の人々の生活・文化をつなぎ、また、美しい田園地帯と東シナ海を望みながら走る列車は日本の原風景を提供し、旅情をかきたてる人気のローカル路線です。新幹線と観光列車の組み合わせは売りの一つです。
 おれんじ食堂やスイーツ列車への女性客、外国人のさらなる誘客が求められます。


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 東アジアから九州への入込観光客は、海外からの交通アクセスが充実している北九州・中九州方面がメインです。福岡から1時間17分で来ることができる鹿児島への誘客には、コストの軽減化が不可欠です。
 甑島、桜島、天然砂蒸し温泉、屋久島、奄美など他地域にない魅力や鹿児島の安全性について、富裕層などブロガー対策も欠かせません。


 観光客は施設の魅力ではなく、地域の魅力に惹かれます。観光は農林水産業、商業、工業、土木、建築、福祉、教育関連等多くの分野と関連があり、総合産業としての位置づけが必要です。


 県内全域で観光客を温かくお迎えするなど、地域総力戦で取り組む必要があります。観光で来られた方々が、「日本の中に鹿児島というすばらしい地があって良かった」、「また来たい」と感じられる魅力ある地域であり続けることが大切です。


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 九州新幹線全線開業から5年5ヶ月が過ぎましたが、熊本地震で一時不通となり、改めて新幹線の重要性に気付く事にもなりました。
人吉や天草との連携、黒川温泉や熊本城の修復現場視察と鹿児島泊など多彩な旅行商品が出てくることを期待します。
 また、今回の制度を活用して鹿児島を訪れた観光客が、いつもと変わらない桜島の美しい景観や、世界遺産、温泉、食、マリンスポーツ、トレッキング等で楽しんでいる日常の姿を、積極的に全国に向けて発信することが、鹿児島への流れを加速します。
 「九州ふっこう割」を広域に活用し、鹿児島の観光再生のきっかけにしたいものです。



       夏のかぜ 山よりきたり 三百の
                牧の若馬 耳ふかれけり
                       ~与謝野晶子~
 


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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