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No.446 ご夫婦旅行のおすすめ~旅行の同伴者に選ばれるために~

2017年1月30日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


          家にして 見れど飽かぬを 草枕
          旅にも妻と あるが羨(とも)しさ
                       娘子~万葉集~


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 2018年NHK大河ドラマは『西郷どん』に決定し、県内各地域で受入体制づくりがスタートしています。林真理子と中園ミホの女性コンビで描かれる西郷隆盛像が、今から楽しみです。また、彼を支えた愛加那さんやイトさんの役を誰が演じるのか、興味津々ではないでしょうか。


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 2008年の大河ドラマは、江戸幕府第13代征夷大将軍の徳川家定に嫁いだ「篤姫」の波乱の人生を描いた物語でした。年間視聴率は、24.5%で、30.5%を獲得した1996年の「秀吉」以来の人気を集め、また、鹿児島地区での最終回視聴率も43.1%と、地元での関心の高さがうかがえました。小松帯刀という新しいヒーローも誕生しました。
 ちなみに、2016年人気を博した「真田丸」の全50回の期間平均視聴率は、関東地区で16.6%、関西地区で15.9%でした。


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 ところで、『篤姫』は、その放映効果もあり、薩摩の歴史に興味を持ち、偉人を育んだ郷土を誇りに思う人が増え、鹿児島県民に元気をもたらしたドラマでもありました。 これほどまでに支持を得た要因は、主人公のひたむきな生き方が、多くの女性の支持を得たことがあげられます。
 また日本人が忘れかけていた「家族愛」が描かれており、テレビの前で談笑しながら見ていた家庭が多く、ホームドラマ風の演出とあわせて、解りやすいストーリーが高視聴率につながったと思います。
 やはり女性がブームをつくったといっても過言ではありません。


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 ところで研修会に講師として呼ばれる機会が多いので、中高年の方が参加している会合では必ず質問することがあります。「退職後に誰(妻または夫、子供、友人)と旅行したいですか」と。男性の7割程度は妻と行きたいと手を挙げ、女性は子供(娘)、友人と続き、夫との旅行を希望するのは3割もいません。


 男性が妻への依存度が高いのに、女性の方が意外と夫との旅行を敬遠する傾向があります。理由を聞くと「旅先でもいつもの通り朝早く起きてお茶を催促し、昼間のショッピングの時間も退屈そうにしている。夫と旅行に行っても楽しくない。」等の答えが返ってきます。やはり非日常性を求める妻との認識のずれが、男性にはあるように感じます。


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 観光業界で定期的に消費者の意識調査をしていますが、55歳を過ぎる頃になると旅行の同行者に夫は妻を、妻は友人達を選ぶ傾向がでています。
旅行先の決定にあたっては女性が主導権を握っています。


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 ある女性情報誌の調査によると、妻が夫の定年後に困ることとして、「自分の生活のリズムが狂う」、「趣味やショッピングの自由がきかなくなる」、「友人との付き合いが減ってしまう」などの不満をあげています。
 夫に望むことは、身の回り(炊事洗濯、片付け等)のことは自分で行うこと、外で友人たちと楽しむ趣味(ゴルフ、囲碁、カラオケ、農作業、山登り等)を持つこと、社会参加すること(奉仕作業、ボランティアガイド等)などをあげています。


 現職時代と変わらず家庭にいる時間をできるだけ少なくすることを望んでいます。男性は長年にわたって企業戦士として粉骨砕身働き、退職後はゆっくりしたいと思っている方が多いと思いますが、現実はなかなか厳しい要求が突きつけられています。


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 年を重ねると男性は家にこもり、妻を頼りがちになります。逆に女性は子育てから解放されて、自分の要望を満たすために積極的な行動に出ることが多く、趣味や友人との交流を増やしていきます。
 妻が出かけると「どこに行くのか、俺の昼飯はどうなっているのか、何時ごろ帰るのか」と愚痴をこぼす夫が多いと聞きます。男としてやはりこの言葉を吐くことは避けたいですね。


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 ところで日本の平均寿命は、男女とも80歳を越え世界有数の長寿国となりました。定年後も20年以上あります。夫婦それぞれが趣味や友人を持ち、家庭以外での楽しみを持ち続けることも大切と思います。
 また長年の人生経験を生かし、ボランティア活動に積極的に参加し、地域貢献や生き甲斐づくりにもつなげたいものです。


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 好奇心旺盛な方には一人旅もお勧めします。今女性の一人参加のツアーが好評です。日本は少子高齢化社会が進み、年金問題や介護保険など行先不透明感がぬぐえません。
 健康寿命を延ばすには、元気な生活が支えとなります。四季折々の季節感が感じられる美しい日本各地を旅してはいかがですか。


 たまには、奥様から「来月二人で北海道旅行に行こうか」と誘われるようになるには、日頃からの信頼関係構築が大切です。
 何事も妻頼みではなく自立できる男でありたいものです。


No.445 相手によい印象をもたらす言葉~感謝・感動を育む環境づくり~

2017年1月23日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


     生命(いのち)噴く 季(とき)の木草の ささやきを
     聞きて眠りあう 野の仏たち
                              ~生方たつゑ~


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 暖かさが続くと草花が芽をだし、冬の眠りから解放されたように日々伸びていきます。周辺の野山が美しいことで知られる信州安曇野や京都嵯峨野の道沿いには石仏が多くあり、通りすがりの観光客が自然と手を合わせる光景が見られます。この時期になると、よく歌われるのが「春よ、来い」です。

    作詞:松任谷由美 作曲:松任谷由美

    淡き光立つ俄雨、いとし面影の沈丁花 溢るる涙の蕾から
    ひとつ ひとつ香り始める それは それは 空を越えて
    やがて やがて 迎えに来る
    春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
    愛をくれし君の なつかしき声がする


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 北国からは厳しい寒さの便りが届きますが、鹿児島では菜の花が咲き、ツルの北帰行も間もなく始まり、春はそこまで来ています。
 プロ野球のキャンプインまで10日です。今年もキャンプ見学を兼ねて全国から南九州に多くの観光客が来てくれることを願っています。


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 ところで、初めて訪れた地で観光客がよく利用する乗り物がタクシーや観光バスです。案内所の対応や運転手の観光客への対応が街の第一印象となります。
 先日急用があり、鹿児島中央駅までタクシーを利用しました。乗車したあと運転手さんが発した「中央駅ですか」という言葉に違和感を覚えました。行先を確認するために言った言葉ですが、近距離であったために運転手は機嫌が悪く、こちらも少々不愉快に感じました。
 行先を確認するのであれば「中央駅ですね」という言葉が返ってくれば、客は気持ちが和らぎます。乗った本人は近距離で申し訳ない気持ちがあるのに、運転手の一言が車中の雰囲気をいっそう悪くします。
 一方では、近距離ですみませんと言うと「5分間で620円稼げるのはありがたいことです。いつでも利用してください」と、逆に感謝の言葉を述べる運転手がいる会社もあります。


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 また、全国を旅していると「本日は当社のバス(電車等)をご利用いただきありがとうございます。」というアナウンス流れる会社があります。「本日も当社のバスをご利用いただきありがとうございます」という挨拶があると、初めて利用するのに何回も乗車している印象を受け、優越感を覚えます。
 航空会社は、各社とも「本日も○○をご利用いただきありがとうございます。」というアナウンスがあります。


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 「か」と「ね」、「は」と「も」の使い方次第で利用者が受け取る印象は随分違います。たかが一字ですが、お客様が心地良い感じで受け取ります。
 今まで各種団体の「おもてなし研修」を実施して、「挨拶」、「笑顔」、「丁寧さ」などの大切さを訴えてきました。あらためて一つの言葉の大切さをかみしめたいものです。


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 ところで、宿泊施設では送迎ということを大切にしており、お迎えの時より送る時により気を遣っておられます。あるホテルで社長さんから直接聞いた感動の話を紹介します。 ある夫婦が宿泊先に決めていないけど部屋の下見をさせてくださいと来店され、メイドさんが丁寧にお部屋を案内しました。
 その間ご夫婦が脱いだ履物は綺麗に磨いて並べて置き、いつでも履けるように準備をしました。お客さんは別に部屋に不満があったわけではないですが、他のホテルも見たいと言って帰られ、従業員は宿泊した際のお客様と同じように手を振って車をお送りしました。


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 ところが数分すると夫婦の車が引き返してきて、やはり泊めてくださいとお願いされたとのこと。後で予約された理由を伺ったところ、車内から後ろを振り返ると予約もしていないのに見えなくなるまで手を振ってくれており、夫婦はその姿に感動し、このホテルなら間違いはないだろうと宿泊先に決めたとのことです。実際に宿泊されたとき、きめ細かなサービスに感激し、その後ずっとそのホテルのファンになっているとのことです。


 家庭でも良く経験することです。家に不意の客が来て、しかも長居されて夜更けに客が帰ることがあります。
 客が帰った後玄関の電気をすぐ消してしまうことが普通ではないかと思います。客にとってはすぐに玄関の電球が消えると、長居したことの後ろめたさとともに、自分は招かざる客ではなかったかと寂しい思いで帰ると思います。


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 マンションの知人を訪ねた後、階下に降りて道路に出て曲がり角で訪問先を振り返ることがよくあります。その際玄関に灯りがついているとほっとします。
 訪問客を玄関から道路に出て見送り、歩き出して客が見えなくなってから帰路の無事を祈って頭を下げ、家の中に入り灯りを消すぐらいの配慮ができる人になりたいものです。


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 松下電器(現在名はパナソニック)の創業者である松下幸之助の経験談です。
「苦しかった時代に来店されたお客様に、電気製品を一生懸命説明したら、買ってくれた。そうしたら、心も手も震えてな。その時のお客さんの顔は今でも覚えとる。お客さんが店を出ていく時、後ろ姿に思わず手をあわせたな」という話をよくしていました。
 この時の「ありがたい」という強烈な気持ちが、松下幸之助の商売の原点ではないかと思います。
参考:『ひとことの力―松下幸之助のことば』(江口克彦著、東洋経済新聞社)

 我々も日々の生活の中で、「後ろ姿に感謝する」心がけが大切です。
真のおもてなしの心の実践は「日々のディテールに宿る」のではないでしょうか。


No.444 西郷隆盛ゆかりの地を訪ねて~多くの歴史伝説と美しい自然が広がる龍郷町~

2017年1月16日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


        菜の花や 月は東に 日は西に
                     ~与謝蕪村~


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 温かい陽気に恵まれ、14,118人が駆け抜けた「第36回いぶすき菜の花マラソン大会」が無事終わりました。
 1月21日、22日に開催される「第25回いぶすき菜の花マーチ」は韓国からの参加者を含めて、1万人を超えるウォーカーが開聞山麓、魚見岳周辺を歩きます。指宿路は沿線が菜の花の黄色いじゅうたんとなり、春の訪れが近いことを知らせてくれます。


 ところで、2018年NHK大河ドラマは「西郷どん」に決定し、県内での本格的な撮影がスタートします。
 ドラマの原作は林真理子、脚本は中園ミホさんと今話題の女性が担当します。女性の視点で西郷隆盛がどのように描かれるのか今から楽しみです。昭和40年代の始めに起きた若い女性の「奄美ブーム」の再来を期待したい。


 西郷隆盛は生涯3度奄美群島での生活を強いられ、最初に住んだのが奄美大島本島に位置する今の龍郷町です。
 安政の大獄が起こり西郷隆盛へも捕縛命令が出されますが、薩摩藩は幕府の目を逃れさせる処置として、安政6年(1859年)年六石の扶持付きで奄美大島行きを命じました。
 島では農民たちの窮状に心を痛め、自分の扶持米を分け与え、また、役人と交渉し過酷な生活を和らげるなどの努力を積み重ねました。
 また、子ども達に読み書きを教え、島民との交流を深めています。次第に地域の人々に慕われるようになり、龍郷一の名家である龍家の一族の娘である愛加那さんと結婚しています。龍郷で2児が生まれ長男菊次郎は、後に台湾宜蘭庁長や京都市長を務めています。西郷隆盛は龍郷で3年暮らしますが、時代は西郷を必要としており薩摩に戻されることになるのです。


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 ゆかりの地として「西郷南洲謫居跡」があります。謫居跡では、ゆかりの品や西郷の手植えした桜、勝海舟から送られた碑文があり、子孫の方が丁寧な説明をしてくれます。また、近くには龍郷へ到着した際、その船のとも綱を結んだ松(西郷松といわれる)がありましたが、立ち枯れとなり平成23年に伐採されました。現在根元からは幼木が育っており、西郷の精神を引き継いでいるかのように感じられます。


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 西郷隆盛が住んでいた龍郷町の魅力に触れたいと思います。
 龍郷町は、奄美大島の東部に位置し東側は旧笠利町、西側は旧名瀬市であり、奄美空港まで20分、奄美市の中心街まで30分と交通の便利な位置にあります。島外からの移住者やUターンが目立ち、県内でも若者の人口減少が少ない町の一つです。若者が定住できるのは、ペンションやプチホテルの経営、マリンスポーツのガイド等がそれを可能にしています。手広海岸はサーフィンの聖地としてもっとPRが必要です。


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 秋名地区のアラセツ行事である「ショチョガマ・平瀬まんかい」の祭りは、国の重要無形文化財に指定されています。
 旧暦8月の最初の丙(ひのえ)の日のアラセツ(新節)に行われる「ショチョガマ」の祭りは、夜が明けかかる頃から始まり豊年を祈る祭りです。
「平瀬マンカイ」は夕方の満潮に合わせて祭りを行いますが、海の彼方(ネリヤ)の神々への祈願です。礼拝で祭りが終了すると、浜に下りて八月踊りを行います。
 2つの祭りは、同日の早朝と夕方に行われることから、秋名地区の集落は一日中祭り一色となります。是非見学して欲しい祭りです。


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 空港から20分のところにある「大島紬村」は、ハイビスカスやブーゲンビリアなどの美しい花や自然に囲まれ、大島紬ができるまでの行程を見学・体験ができ、試着ができることも魅力のひとつです。観光客にぜひお勧めしたいスポットの一つです。


 円集落の県道にある「かがんばなトンネル」に入る夕陽は格別です。春分前と秋分後の数日間、トンネルに夕陽がすっぽりと入ることが解り、時期が来ると多くの人がカメラを据えてその瞬間を狙っています。今では町の名所のひとつになっています。 


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 島の特産である「黒糖焼酎」の工場が3か所あり、黒糖を主原料に作られた風味豊かな香りは、旅人のおみやげとして重宝がられています。今、黒糖焼酎は奄美の人の長寿と関連する研究成果が発表され、話題となっています。見学コースとしても組み入れやすい場所にあります。
 郷土料理としては、「鶏飯」が有名です。皆さんもぜひご賞味ください。


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 1963年にヒットした「島のブルース」と言う曲をご存じの方は多いと思います。この曲を作曲した渡久地政信氏は、沖縄で生まれて龍郷町で育っています。奄美出身者の心の愛唱歌として唄い踊り継がれています。その歌碑が、龍郷町の美しい海を眺める海岸の丘に建立されており、ボタンを押すと歌が流れ、島の人々が今にも踊り出すような雰囲気を醸し出しています。


 昨年11月、奄美大島本島の1市2町2村が一つとなって、「あまみ大島観光物産連盟」というDMOが設立されました。広報・宣伝・商品販売が強化されるのに伴い、西郷隆盛が愛加那さんと暮らした場所として、龍郷町の魅力が全国にPRされることを期待します。


 西郷隆盛は薩摩に戻った後藩主と対立し、徳之島、さらに沖永良部への遠島を命ぜられ厳しい島での生活を余儀なくされます。
 しかし、島の人々に与えた教育や文化面の影響は大きく、又。西郷自身の人格形成にも大きな影響をもたらしたのではないでしょうか。
 今年は奄美群島の国立公園化が予定され、2018年度中には奄美と徳之島の一部が世界自然遺産登録を目指しています。


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 また、3月26日より関西空港から奄美空港行きのLCCの就航が決定し、加えて島は大河ドラマ放映で大きな転換期を迎えます。西郷隆盛のストーリー性が話題となることで、今まであまり知られていなかった奄美の魅力がメディア等で発信され、誘客につながり持続できる観光地になることを期待しています。
 『参考』龍郷町町勢要覧:龍郷町ホームページ


       はてもなく 菜の花続く 宵月夜
               母が生まれし 国美しき
                       ~与謝野晶子~


No.443 2017年を足固めに次の3年に繋げる取組を~厳しい年を地域総力戦で戦う気概を~

2017年1月10日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


          あらたまの 年の若水 くむ今朝は
          そぞろにものの 嬉しかりけり
                       ~樋口一葉~


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 明けましておめでとうございます。年末年始は休日が少なく、あわただしく1年が始まった感じです。
 2017年の干支は丁酉(ひのととり)で、動物で言えば酉年です。酉のつく年は商売繁盛に繋がると考えられてきました。酉(とり)は「取り込む」に繋がると言われ、そこから運気もお客を取り込めるということです。
 また、酉の由来について「果実が極限まで熟した状態」のことで、そのことから「物事が頂点まで極まった状態にある」のが酉年と言われています。


 ところで、今年のかごしまの観光を取り巻く環境は、大型イベントや周年行事も少なく大変厳しいと捉えています。酉が飛び跳ねるごとくフットワークを持ち、例年以上に活動することが誘客に繋がるものと思います。


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 今年の見通しや課題について整理したいと思います。
 国内旅行を展望すると、宿泊施設や貸切バスの予約状況が例年ほどの勢いがありません。
 特に第1四半期の1月~3月は厳しい経済環境に置かれています。各地のマラソン大会やウオーキング大会等イベントへの誘客を図らねばなりません。
 第2四半期の4月~6月は、昨年4月の熊本地震の落ち込みを考慮すると、前年を超えるものと思われます。風評被害が残る鹿児島の観光ですが、「元気です!かごしま」(仮称)などのキャンペーンの推進が必要ではないでしょうか。修学旅行は昨年より若干戻りますが、2019年以降へ繋げる取組をしなければなりません。
 第3四半期の7月~9月は、昨年最大50%の割引のある「九州ふっこう割」が適用されたこともあり、その反動等で厳しさが予測されます。
 第4四半期は、大河ドラマ「西郷どん」の話題が浸透していき、回復してくると期待しています。
 年間を通して浮き沈みのある1年になるのではないかと捉えており、各種キャンペーンの推進や大河ドラマ「西郷どん」の事前PRを展開し、誘客に努めねばなりません。


 インバウンドについては引き続き好調に推移するものと思われます。香港線が2月5日から週10便体制となります。福岡空港は16便で、両空港を繋ぐコース設定が容易となり相互にメリットが発揮できます。北部九州からの外国人の誘客には、新幹線の博多発割安企画乗車券の導入が不可欠です。現在展開している「JR九州レールパス」を活用した割引商品の完売を図ることが、次の展開に繋がります。


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 昨年の訪日客数は2400万人余りで122%の伸びとなり、県内の外国人宿泊者数も過去最高となる見込みです。円安基調や増便効果で、今年も堅調に推移するものと思われます。
 かごしまの伝統文化や食、温泉、美しい四季の自然美などを組み込み、体験型の商品企画が外国人の心を捉えます。
 個人旅行が主流となり、成熟した訪日市場と成りつつある香港、台湾、韓国等へは波及効果が高い個人情報サイトを活用することが求められます。


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 クルーズ船は昨年以上の寄港が予測されますが、バスの確保と経済効果をもたらすコース設定が欠かせません。
 国交省では今ランドオペレーターの法整備に取り組んでおり、法令に基づいた適正な手配が重要になっています。そのことが来訪者や受入機関にとって、鹿児島の魅力を提供でき双方にメリットがあるものと思います。
 船数増にこだわらず、旅行内容の質を求めることが重要になってきたと感じます。


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 地域別では奄美群島が注目を浴びます。今、成田からのLCCの就航や航空運賃の軽減化が図られて、関東圏からの観光客が伸びています。今年は奄美群島の国立公園化が予定されており、さらなる群島全体の魅力創出が求められます。
 また関西空港から奄美へのLCCの就航も早く実現したいものです。手つかずの美しい自然や食、島唄、祭り等生活・文化を前面に出した商品戦略が沖縄との差別化になります。


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 龍郷町は西郷隆盛ゆかりの地であり、大河ドラマ放映前にブームを起こしたいものです。
 また、2018年の世界自然遺産登録に向けて、島民の意識向上とエコガイドの養成、個人旅行増加に対応すべく、レンタカーの利便性確保、案内標識など沿線の景観整備、泊食分離に対応できる受け入れ態勢の充実が急がれます。


 屋久島へはジェット機就航による大都市圏から時間短縮効果が割高感を払しょくでき、世界自然遺産の島へ誘客を容易にします。将来的には2つの世界自然遺産をつなぐ商品も可能になるのではないでしょうか。


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 指宿は、プロが選ぶ「第30回にっぽん温泉100選(2016年)」で、第3位にランクされました。リーズナブルな宿泊料金、天然砂蒸し温泉の魅力、おもてなし等受け入れ態勢の充実、鹿児島中央駅からのアクセスの良さ等が評価されています。
 しかし人気度や「指宿のたまて箱」の乗車率が高いのに宿泊客が伸びていません。直売店、小物店、おしゃれなカフェ、週末の歩行者天国、花やフルーツの収穫体験等滞在しても飽きない地域づくりが急がれます。


 4月から指宿港と対岸の根占港を20分で結ぶ海上タクシーが運行されます。大隅地域を翌日の行程に組みこんだ企画が宿泊に繋がります。
 指宿港から種子島、屋久島に行く航路の存在を、エージェントの社員でも知らない人が多いのに驚きます。認知度を高める努力が必要です。


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 大隅地域は佐多岬の整備が2018年に終わり、「さんふらわあ」の新造船も就航することから認知度を高める取組が必要です。
 昨年12月20日、肝付町の内之浦宇宙空間観測所から「イプシロン2号」が打ち上げられ、日本各地から見学者が訪れました。
 大隅半島の不便な場所にありながら、本土でロケットの発射を直接見ることができるという貴重な体験が、多くのバスツアーを呼び込みました。展望所では地域の食や特産品を販売するなど経済効果をもたらす取組を行い見学者を歓迎しました。
 これからの地域活性化の参考となります。「エアメモリアルin鹿屋」、「かのやばら祭り」、「お釈迦祭り」等イベントの実施に当たっては、第一次産業との連携が特に重要ではないでしょうか。


 霧島温泉は泉質に恵まれ多くの温泉ファンが訪れます。えびの高原をもっと活用して滞在客を増やして欲しい。


 出水の武家屋敷を着物で巡るツアーや鹿児島市内での寿司握り体験、甑島のブルーツーリズムも人気を博しています。お客様が「体験価値」を味わうことが、「感動消費」に繋がります。


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 ところで、2018年NHK大河ドラマは「西郷どん」に決まり、ポスターやパンフ等を大都市圏の店頭に早めに掲示することで、誘客に弾みが付きます。
 また、キャリアやエージェントの女性社員の招聘事業も早めに実施すべきです。ドラマの原作者と脚本家は今をときめく二人の女性です。女性の視点で鹿児島への商品企画を展開しなければならない1年となります。


 放映前に鹿児島への誘客を図ることで、「薩摩の先見性を知ることができ、あらためて鹿児島の凄さを知った。放映の来年もまた来たい」「日本に鹿児島県があってよかった。」と心に残る「感動」と「感激」を与え、リピーターを創造することが何よりも重要です。


 今年を足固めの年と位置付け、様々な仕掛が必要であり、そのことで来るべき明治維新150年周年や、3年先までの見通しが描けるのではないでしょうか。需要を先取りして、再販に繋げる取組が今年は問われます。地域総力戦で取り組む覚悟が必要です。


 最後に今年のキーワードは、「離島」、「インバウンド」、「女性を動かす商品企画」と感じます。2017年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心からお祈りいたします。


         新しき 年の初めは 弥年(いやとし)
         雪踏み平し 常かくにもが
                        大伴家持 ~万葉集~


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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