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No.443 2017年を足固めに次の3年に繋げる取組を~厳しい年を地域総力戦で戦う気概を~

2017年1月10日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


          あらたまの 年の若水 くむ今朝は
          そぞろにものの 嬉しかりけり
                       ~樋口一葉~


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 明けましておめでとうございます。年末年始は休日が少なく、あわただしく1年が始まった感じです。
 2017年の干支は丁酉(ひのととり)で、動物で言えば酉年です。酉のつく年は商売繁盛に繋がると考えられてきました。酉(とり)は「取り込む」に繋がると言われ、そこから運気もお客を取り込めるということです。
 また、酉の由来について「果実が極限まで熟した状態」のことで、そのことから「物事が頂点まで極まった状態にある」のが酉年と言われています。


 ところで、今年のかごしまの観光を取り巻く環境は、大型イベントや周年行事も少なく大変厳しいと捉えています。酉が飛び跳ねるごとくフットワークを持ち、例年以上に活動することが誘客に繋がるものと思います。


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 今年の見通しや課題について整理したいと思います。
 国内旅行を展望すると、宿泊施設や貸切バスの予約状況が例年ほどの勢いがありません。
 特に第1四半期の1月~3月は厳しい経済環境に置かれています。各地のマラソン大会やウオーキング大会等イベントへの誘客を図らねばなりません。
 第2四半期の4月~6月は、昨年4月の熊本地震の落ち込みを考慮すると、前年を超えるものと思われます。風評被害が残る鹿児島の観光ですが、「元気です!かごしま」(仮称)などのキャンペーンの推進が必要ではないでしょうか。修学旅行は昨年より若干戻りますが、2019年以降へ繋げる取組をしなければなりません。
 第3四半期の7月~9月は、昨年最大50%の割引のある「九州ふっこう割」が適用されたこともあり、その反動等で厳しさが予測されます。
 第4四半期は、大河ドラマ「西郷どん」の話題が浸透していき、回復してくると期待しています。
 年間を通して浮き沈みのある1年になるのではないかと捉えており、各種キャンペーンの推進や大河ドラマ「西郷どん」の事前PRを展開し、誘客に努めねばなりません。


 インバウンドについては引き続き好調に推移するものと思われます。香港線が2月5日から週10便体制となります。福岡空港は16便で、両空港を繋ぐコース設定が容易となり相互にメリットが発揮できます。北部九州からの外国人の誘客には、新幹線の博多発割安企画乗車券の導入が不可欠です。現在展開している「JR九州レールパス」を活用した割引商品の完売を図ることが、次の展開に繋がります。


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 昨年の訪日客数は2400万人余りで122%の伸びとなり、県内の外国人宿泊者数も過去最高となる見込みです。円安基調や増便効果で、今年も堅調に推移するものと思われます。
 かごしまの伝統文化や食、温泉、美しい四季の自然美などを組み込み、体験型の商品企画が外国人の心を捉えます。
 個人旅行が主流となり、成熟した訪日市場と成りつつある香港、台湾、韓国等へは波及効果が高い個人情報サイトを活用することが求められます。


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 クルーズ船は昨年以上の寄港が予測されますが、バスの確保と経済効果をもたらすコース設定が欠かせません。
 国交省では今ランドオペレーターの法整備に取り組んでおり、法令に基づいた適正な手配が重要になっています。そのことが来訪者や受入機関にとって、鹿児島の魅力を提供でき双方にメリットがあるものと思います。
 船数増にこだわらず、旅行内容の質を求めることが重要になってきたと感じます。


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 地域別では奄美群島が注目を浴びます。今、成田からのLCCの就航や航空運賃の軽減化が図られて、関東圏からの観光客が伸びています。今年は奄美群島の国立公園化が予定されており、さらなる群島全体の魅力創出が求められます。
 また関西空港から奄美へのLCCの就航も早く実現したいものです。手つかずの美しい自然や食、島唄、祭り等生活・文化を前面に出した商品戦略が沖縄との差別化になります。


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 龍郷町は西郷隆盛ゆかりの地であり、大河ドラマ放映前にブームを起こしたいものです。
 また、2018年の世界自然遺産登録に向けて、島民の意識向上とエコガイドの養成、個人旅行増加に対応すべく、レンタカーの利便性確保、案内標識など沿線の景観整備、泊食分離に対応できる受け入れ態勢の充実が急がれます。


 屋久島へはジェット機就航による大都市圏から時間短縮効果が割高感を払しょくでき、世界自然遺産の島へ誘客を容易にします。将来的には2つの世界自然遺産をつなぐ商品も可能になるのではないでしょうか。


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 指宿は、プロが選ぶ「第30回にっぽん温泉100選(2016年)」で、第3位にランクされました。リーズナブルな宿泊料金、天然砂蒸し温泉の魅力、おもてなし等受け入れ態勢の充実、鹿児島中央駅からのアクセスの良さ等が評価されています。
 しかし人気度や「指宿のたまて箱」の乗車率が高いのに宿泊客が伸びていません。直売店、小物店、おしゃれなカフェ、週末の歩行者天国、花やフルーツの収穫体験等滞在しても飽きない地域づくりが急がれます。


 4月から指宿港と対岸の根占港を20分で結ぶ海上タクシーが運行されます。大隅地域を翌日の行程に組みこんだ企画が宿泊に繋がります。
 指宿港から種子島、屋久島に行く航路の存在を、エージェントの社員でも知らない人が多いのに驚きます。認知度を高める努力が必要です。


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 大隅地域は佐多岬の整備が2018年に終わり、「さんふらわあ」の新造船も就航することから認知度を高める取組が必要です。
 昨年12月20日、肝付町の内之浦宇宙空間観測所から「イプシロン2号」が打ち上げられ、日本各地から見学者が訪れました。
 大隅半島の不便な場所にありながら、本土でロケットの発射を直接見ることができるという貴重な体験が、多くのバスツアーを呼び込みました。展望所では地域の食や特産品を販売するなど経済効果をもたらす取組を行い見学者を歓迎しました。
 これからの地域活性化の参考となります。「エアメモリアルin鹿屋」、「かのやばら祭り」、「お釈迦祭り」等イベントの実施に当たっては、第一次産業との連携が特に重要ではないでしょうか。


 霧島温泉は泉質に恵まれ多くの温泉ファンが訪れます。えびの高原をもっと活用して滞在客を増やして欲しい。


 出水の武家屋敷を着物で巡るツアーや鹿児島市内での寿司握り体験、甑島のブルーツーリズムも人気を博しています。お客様が「体験価値」を味わうことが、「感動消費」に繋がります。


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 ところで、2018年NHK大河ドラマは「西郷どん」に決まり、ポスターやパンフ等を大都市圏の店頭に早めに掲示することで、誘客に弾みが付きます。
 また、キャリアやエージェントの女性社員の招聘事業も早めに実施すべきです。ドラマの原作者と脚本家は今をときめく二人の女性です。女性の視点で鹿児島への商品企画を展開しなければならない1年となります。


 放映前に鹿児島への誘客を図ることで、「薩摩の先見性を知ることができ、あらためて鹿児島の凄さを知った。放映の来年もまた来たい」「日本に鹿児島県があってよかった。」と心に残る「感動」と「感激」を与え、リピーターを創造することが何よりも重要です。


 今年を足固めの年と位置付け、様々な仕掛が必要であり、そのことで来るべき明治維新150年周年や、3年先までの見通しが描けるのではないでしょうか。需要を先取りして、再販に繋げる取組が今年は問われます。地域総力戦で取り組む覚悟が必要です。


 最後に今年のキーワードは、「離島」、「インバウンド」、「女性を動かす商品企画」と感じます。2017年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心からお祈りいたします。


         新しき 年の初めは 弥年(いやとし)
         雪踏み平し 常かくにもが
                        大伴家持 ~万葉集~


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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