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No.444 西郷隆盛ゆかりの地を訪ねて~多くの歴史伝説と美しい自然が広がる龍郷町~

2017年1月16日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光


        菜の花や 月は東に 日は西に
                     ~与謝蕪村~


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 温かい陽気に恵まれ、14,118人が駆け抜けた「第36回いぶすき菜の花マラソン大会」が無事終わりました。
 1月21日、22日に開催される「第25回いぶすき菜の花マーチ」は韓国からの参加者を含めて、1万人を超えるウォーカーが開聞山麓、魚見岳周辺を歩きます。指宿路は沿線が菜の花の黄色いじゅうたんとなり、春の訪れが近いことを知らせてくれます。


 ところで、2018年NHK大河ドラマは「西郷どん」に決定し、県内での本格的な撮影がスタートします。
 ドラマの原作は林真理子、脚本は中園ミホさんと今話題の女性が担当します。女性の視点で西郷隆盛がどのように描かれるのか今から楽しみです。昭和40年代の始めに起きた若い女性の「奄美ブーム」の再来を期待したい。


 西郷隆盛は生涯3度奄美群島での生活を強いられ、最初に住んだのが奄美大島本島に位置する今の龍郷町です。
 安政の大獄が起こり西郷隆盛へも捕縛命令が出されますが、薩摩藩は幕府の目を逃れさせる処置として、安政6年(1859年)年六石の扶持付きで奄美大島行きを命じました。
 島では農民たちの窮状に心を痛め、自分の扶持米を分け与え、また、役人と交渉し過酷な生活を和らげるなどの努力を積み重ねました。
 また、子ども達に読み書きを教え、島民との交流を深めています。次第に地域の人々に慕われるようになり、龍郷一の名家である龍家の一族の娘である愛加那さんと結婚しています。龍郷で2児が生まれ長男菊次郎は、後に台湾宜蘭庁長や京都市長を務めています。西郷隆盛は龍郷で3年暮らしますが、時代は西郷を必要としており薩摩に戻されることになるのです。


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 ゆかりの地として「西郷南洲謫居跡」があります。謫居跡では、ゆかりの品や西郷の手植えした桜、勝海舟から送られた碑文があり、子孫の方が丁寧な説明をしてくれます。また、近くには龍郷へ到着した際、その船のとも綱を結んだ松(西郷松といわれる)がありましたが、立ち枯れとなり平成23年に伐採されました。現在根元からは幼木が育っており、西郷の精神を引き継いでいるかのように感じられます。


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 西郷隆盛が住んでいた龍郷町の魅力に触れたいと思います。
 龍郷町は、奄美大島の東部に位置し東側は旧笠利町、西側は旧名瀬市であり、奄美空港まで20分、奄美市の中心街まで30分と交通の便利な位置にあります。島外からの移住者やUターンが目立ち、県内でも若者の人口減少が少ない町の一つです。若者が定住できるのは、ペンションやプチホテルの経営、マリンスポーツのガイド等がそれを可能にしています。手広海岸はサーフィンの聖地としてもっとPRが必要です。


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 秋名地区のアラセツ行事である「ショチョガマ・平瀬まんかい」の祭りは、国の重要無形文化財に指定されています。
 旧暦8月の最初の丙(ひのえ)の日のアラセツ(新節)に行われる「ショチョガマ」の祭りは、夜が明けかかる頃から始まり豊年を祈る祭りです。
「平瀬マンカイ」は夕方の満潮に合わせて祭りを行いますが、海の彼方(ネリヤ)の神々への祈願です。礼拝で祭りが終了すると、浜に下りて八月踊りを行います。
 2つの祭りは、同日の早朝と夕方に行われることから、秋名地区の集落は一日中祭り一色となります。是非見学して欲しい祭りです。


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 空港から20分のところにある「大島紬村」は、ハイビスカスやブーゲンビリアなどの美しい花や自然に囲まれ、大島紬ができるまでの行程を見学・体験ができ、試着ができることも魅力のひとつです。観光客にぜひお勧めしたいスポットの一つです。


 円集落の県道にある「かがんばなトンネル」に入る夕陽は格別です。春分前と秋分後の数日間、トンネルに夕陽がすっぽりと入ることが解り、時期が来ると多くの人がカメラを据えてその瞬間を狙っています。今では町の名所のひとつになっています。 


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 島の特産である「黒糖焼酎」の工場が3か所あり、黒糖を主原料に作られた風味豊かな香りは、旅人のおみやげとして重宝がられています。今、黒糖焼酎は奄美の人の長寿と関連する研究成果が発表され、話題となっています。見学コースとしても組み入れやすい場所にあります。
 郷土料理としては、「鶏飯」が有名です。皆さんもぜひご賞味ください。


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 1963年にヒットした「島のブルース」と言う曲をご存じの方は多いと思います。この曲を作曲した渡久地政信氏は、沖縄で生まれて龍郷町で育っています。奄美出身者の心の愛唱歌として唄い踊り継がれています。その歌碑が、龍郷町の美しい海を眺める海岸の丘に建立されており、ボタンを押すと歌が流れ、島の人々が今にも踊り出すような雰囲気を醸し出しています。


 昨年11月、奄美大島本島の1市2町2村が一つとなって、「あまみ大島観光物産連盟」というDMOが設立されました。広報・宣伝・商品販売が強化されるのに伴い、西郷隆盛が愛加那さんと暮らした場所として、龍郷町の魅力が全国にPRされることを期待します。


 西郷隆盛は薩摩に戻った後藩主と対立し、徳之島、さらに沖永良部への遠島を命ぜられ厳しい島での生活を余儀なくされます。
 しかし、島の人々に与えた教育や文化面の影響は大きく、又。西郷自身の人格形成にも大きな影響をもたらしたのではないでしょうか。
 今年は奄美群島の国立公園化が予定され、2018年度中には奄美と徳之島の一部が世界自然遺産登録を目指しています。


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 また、3月26日より関西空港から奄美空港行きのLCCの就航が決定し、加えて島は大河ドラマ放映で大きな転換期を迎えます。西郷隆盛のストーリー性が話題となることで、今まであまり知られていなかった奄美の魅力がメディア等で発信され、誘客につながり持続できる観光地になることを期待しています。
 『参考』龍郷町町勢要覧:龍郷町ホームページ


       はてもなく 菜の花続く 宵月夜
               母が生まれし 国美しき
                       ~与謝野晶子~


プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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