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島の宝はやっぱり「人」 ユニークな島民たちの虜に

島民とのふれあいでもっと甑島を好きになる
ただ観光スポットを巡るだけでなく、地元に暮らす人々との交流を通して地域の魅力を感じるのも旅の楽しみのひとつ。甑島で出会った素敵な方たちをご紹介します。

山本 良造さん(甑島ツーリズム推進協議会 活動推進員)

ツアーガイドをしてくださった山本さん。
地元ならではの小噺を落語家さながらに教えてくれ、その話ぶりからは並々ならぬ甑島愛が伝わってきます。なかでも印象的だったお話は、「島立ち」と名付けられた幻の焼酎について。甑島には高校がないため、子どもたちは中学卒業とともに島を離れます(=島立ち)。中学3年生のときにサツマイモを育て、それを使って作られた焼酎が「島立ち」と呼ばれ、成人式の時に飲むのだそう。島外には流通せず、量も限られているのでまさに幻。ふるさとへの想いが込められた貴重なお酒なのです。
山本さんが教えてくれたイチオシスポットは「長目の浜」。その絶景に、島津光久公が「眺めの浜」と命名したことが由来だそうです。展望所にある大きな2本のアコウの木の間から撮影するのがポイント。SNS映えを狙ってみましょう!

岸 広徳さん(上甑島観光案内所)

テレビでも話題になった古民家をリノベーションした「こしきの宿」、玉石垣が整然と積み上げられた「里麓武家屋敷跡」を丁寧な解説とともに案内していただきました。
1棟貸しの「こしきの宿」は築80年ほど。昔ながらの釜戸や囲炉裏、五右衛門風呂がそのままに残り、当時の生活を体験することができます。
宿の近くには武家屋敷跡が連なる通りがあり、見事な玉石垣がめぐらされています。ここ「里麓武家屋敷跡」は、薩摩武士が生きた町として「日本遺産」にも認定されたばかり。全国の歴史好きから熱い視線を集めています。
「甑島の美しい景色はもちろんのこと、島での暮らし・生活感も味わってもらいたい」と話す岸さん。島外から来る人たちとの交流を通して、新たな島の魅力を見つけたり、島外の世界を知ることをとても楽しみにしているのだそう。上甑島観光案内所を訪れたら、気軽に話しかけてみてくださいね。

平嶺 時彦さん(ギャラリーヒラミネ)、齊藤 純子さん(こしきツアーズ)

レンタカーの貸し出しやパッケージツアーの企画販売を行う「こしきツアーズ」の事務所と併設されているアートギャラリー「ギャラリーヒラミネ」。こちらで展示されている個性豊かな作品は、すべて平嶺さんが手掛けたものです。
大正13年生まれの平嶺さん。
19歳の時に川で鍬を洗っていると、すぐそばでカエルが立ち上がり、それがガワシロー(=河童)であると確信したのだそう。80歳から本格的にアート制作を開始し、ガワシローをモチーフにした作品を数多く生み出しました。ユニークで愛らしい表情、目の覚めるような色使い、細部までこだわった繊細なつくり。見れば見るほどに惹き込まれます。
こしきツアーズの齊藤さんは平嶺さんの孫にあたり、「ゴッタン」と呼ばれる南九州地方の民族楽器の奏者です。島立ちした子どもたちの心の支えになるような島唄をつくりたいと志し、東京にいる民謡の先生を師として仰ぎながら精力的に活動しています。タイミングが合えば、目の前で演奏をしてくれることも。甑島でしか見ることのできない作品が並ぶギャラリーへ、ぜひ足をお運びください。

島民が守り続ける古式ゆかしい「内侍舞」

島民が守り続ける古式ゆかしい「内侍舞」-1

「秋の大祭」では、鹿児島県指定無形民俗文化財のひとつである「内侍舞(ないしまい)」という伝統的な儀式が行われます。まつりでは地区から選ばれた中学3年生の女子が「マツジョウ」と呼ばれる舞妓となり、伝統的な着物と冠を身に纏って神楽太鼓の音とともに舞を踊ります。その後、自治会長たちが蒸した芋を食べるのですが、実はそのうちのひとつは生の芋。“当たり”を引いた人は何食わぬ顔で食べ続け、ギャラリーである島民たちは誰が生芋を食べているのかを予想するのが慣例なのだそうです。厳かでありながら遊び心も見え隠れする儀式を大切に守り続けてきた、島民のみなさんの心意気が素敵です。

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