ユネスコの世界自然遺産に登録されて一躍脚光を浴びた屋久島は、日本の様々な機関からもその豊かな自然が“一流”と認められている。日本のかおり風景百選(照葉樹林とサバ節)、日本の滝百選(大川の滝)、森の巨人たち百選(縄文杉・紀元杉・弥生杉)、島の宝百景(海辺の温泉)。とにかく見どころがたくさんあるので、できれば数回に分けて訪れ、一つ一つとじっくり向き合いたい。原生林が生い茂る森で澄んだ空気を深く吸い込み、樹齢数千年の屋久杉の鼓動に耳を傾け、雨量を誇る島ならではの豪快な滝の前でマイナスイオンをたっぷり浴びる。そんな時間をかけた贅沢な旅がよく似合う。
釣りと温泉を楽しむなら、屋久島の宮之浦港から町営船で1時間40分の口永良部島へ。島の9割が広葉樹林で覆われ、新岳と古岳の2つの火山を持つ。唯一の砂浜である西之浜では、国の天然記念物「オカヤドカリ」に出会う、貴重な体験もできるかもしれない。
圧倒的な存在感を放つ 森の王者に合う
標高1300mの深い森にどっしりと根を下ろす縄文杉。樹高25.3m、胸高周囲16.4mと、現在確認されている屋久杉の中で最も大きく、最長寿といわれている。樹齢数千年の老樹でありながら、瘤(こぶ)が波打つように隆起する木肌の力強さや堂々とたたずむ姿は王者の貫禄たっぷり。片道約5時間のハードな登山になるが、ひと目見るだけで疲れも吹き飛ぶ神秘的な存在だ。山に入る前は必ず登山届けを出し、準備万端でのぞみたい。
春を知らせる鮮やかな新緑と山桜
白谷雲水峡は、人と森林のふれあいの場としてレクリエーションの森に指定された屋久島自然休養林であり、体力に自信がない方でも気軽に樹齢1,000年を超える屋久杉をはじめ、屋久島の原生的な森を観賞できるスポットとして人気があります。
特に春の季節において、太鼓岩から見渡すことのできる山桜と新緑、そして九州最高峰・宮之浦岳のパノラマの眺望は、登山の疲れも忘れさせる爽快な景色です。
永田川の流れに乗って屋久島の奥岳から運ばれてくる風化花崗岩の白砂。四ツ瀬の鼻まで砂浜が800m続きます。太平洋一円を回遊しながら生活するウミガメは、昔も今もここに上陸し、産卵を行います。
年間を通して屋久島に降る多量の雨は、いく筋もの川となって岩や山を削り、海へと注ぎます。千尋滝はモッチョム岳の裾の巨大な花崗岩の岩盤を鯛之川が刻んで、壮大なV字谷の景観をつくりだしたもので、滝の落差は約60メートルです。中央から大量の水が流れ落ちる屋久島を代表する滝の一つです。
滝の左側にある岩盤は、まるで千人が手を結んだくらいの大きさということで「千尋の滝」と名づけられました。昔から人が両手を広げた長さを“一尋”と呼び、身体のモノサシとして使っていたことに由来します。雨の降った後など増水しているときは、迫力のある滝の姿を見ることができます。展望所からはやや遠望になりますが、その雄大な姿は十分満喫できます。
「日本の滝100選」にも選ばれている屋久島最大の滝です。
屋久島の滝では水量規模とも最大規模を誇り、「日本の滝百選」にも選ばれている(平成2年4月28日選定)雄々しいイメージの滝です。九州一の高さを誇る88メートルの断崖から、豪快な水しぶきをあげて滑り落ちる様はダイナミックで、その水量に圧倒されるようです。滝壺の真下まで歩いて行けるので、水しぶきは浴びるものの、ぜひ近づいてみては。夏場は天然の涼をとるのに絶好の場所となっています。近くには、「大川湧水」も湧き出しています。木々に囲まれた岩の間から間断なく湧き出るこの清水は、飲めば健康にいいと古くから言われています。
屋久島のほぼ中央部に位置する標高1,936メートルの山岳です。九州最高峰を誇り「洋上アルプス」の異名もとっています。隣にそびえる急峻な永田岳(1,886メートル)とは対照的に、女性的ななだらかな岩肌です。山頂一帯には低いヤクザサに覆われ、またシャクナゲも群生していて、6月上旬のシーズンになると淡い紅白色の花が山肌を美しく彩ります。
晴天時、山頂からは北に開聞岳、大隅半島、東に種子島、南にトカラ列島、西に口永良部島、薩南諸島までの大パノラマが展望でき、年間を通じて多くの登山家たちを引きつけています。また山頂には彦火火出見尊を祀る一品宝寿大権現があり、島民の山岳信仰の拠り所としてあがめられてきました。(日本百名山)